世界 日本 のおおまかな状況
日本でリンパ浮腫の治療施設が多いところといえば、東京、神奈川エリアがダントツぶっちぎりである。
全国のあらゆる地域から関東圏までわざわざ治療に通われる患者さんも多い。
あとは名古屋、大阪、四国、九州。ほかの地域と比べると充実している地域だ。
意外に、北海道、沖縄も施設がある。
その他の、山陰山陽地方、東北地方、日本海側、大阪以外の近畿圏というのは治療施設が乏しい。
その地域に住んでいるリンパ浮腫患者は、ほったらかし状態になっているところもあるだろう。
全国一律に同レベルのリンパ浮腫の治療が受けられるようになってほしいと思う。
世界に話を移すと。
リンパ浮腫に関しては、ドイツがトップレベルである。
ドイツはリンパ浮腫患者にとって最高の国だといわれている。
もちろんドイツではリンパ浮腫の治療は保険適応となっている。
世界中から重症のリンパ浮腫患者がドイツのリンパ浮腫専門の病院に入院しにくる。
ドイツの次は日本やアメリカではないだろうか。
日本もレベルが高く、ケアの細やかさなどはもしかしたら世界一かもしれない。
アジア圏では日本が間違いなくトップだと思う。
お隣韓国、中国などではリンパ浮腫の治療というのはほとんど普及していないように思う。
あちらの国に住まわれている患者さんは一体どうされているのだろう?
次に、最近のリンパ浮腫業界の世界的な傾向について触れたい。
現在、業界の流れはより簡素なケア(簡単な圧迫方法……包帯ではなく、マジックテープの付いた生地で脚や腕を圧をかけてくるむ)を求める方向へ、そして弾性着衣等はファッション性を目指す方向(薄くて美しい生地)に動いている。
それに反比例して、浮腫改善の効果は下がる方向にある。
やはり、手間がかかるが包帯を巻くことが一番の改善方法であり、効果の高い弾性着衣は分厚くなければならないのである。
オシャレな色やラインストーンがついたストッキングが次々と増えることはいいと思う。
しかし、その新商品を出すために従来の素晴らしい商品が廃版になる例が結構ある。
前の商品のほうが効果があったのに。
なんて声を患者さんからよく聞く。
本末転倒である。
見かけが悪いのは浮腫改善を一番に考えてつくられた商品だからである。
一番の目的は浮腫の改善であるはずだ。
ファッション性を求めるのも、もちろんいいことだけれど、そのために従来の素晴らしい商品を失くすなんてことはやめてほしいと思う。
そして最後にひとつ。
世界の患者さんと日本の患者さんの違いについて話したい。
ドイツのセラピストの先生が来日されたとき、日本の患者さんに驚かれたのだそうだ。
『どうして、日本の患者はこんなに真面目にセルフケアをするのか』
外国の患者さんはマッサージはしてもらうもの、ケアはセラピストにやってもらうもの、という意識が高いようだ。
国民性の違いだろうか。
日本の患者さんはエライのである。




