弾性着衣 2
もちろん弾性着衣を着用できない方もいらっしゃる。
たとえば、化繊性アレルギーの方。
圧迫をかけようとするとどうしても商品は化繊の生地になってしまう。
着用してアレルギー反応が出てお肌が荒れてしまうと、炎症(蜂窩織炎)を起こす原因となりうる。そうなると本末転倒。
炎症を起こすよりは、着用しない方がまだいい。
※最近では綿含有率の多い生地の商品もあり、その商品ならアレルギー反応が出ない、という患者さんも増えている。
ご高齢、もしくは力の弱い方。
弾性着衣を身に着けるのはやはり力が必要なので、どうしてもこういう方は無理である。包帯を巻く方がまだできる、という方が多い。
着用しやすいように圧の強さをワンランク下げた商品や、ワンサイズ上げた大きめの商品をご提供することもある。(もちろん、効果は落ちると分かったうえで。着用しないよりはましという考え)
上記のような方は、マッサージ、包帯がメインのケアになる。
弾性着衣を購入するタイミングは、包帯でできるだけ改善させ状態をある程度落ち着かせてからが良い。改善しちゃって、サイズがゆるくなり効果が薄れちゃった、ということにならないためにである。できるだけいい状態まで包帯でもっていき、その周径値に適したサイズを選ぶのが理想である。しかし、患者さんが仕事を持っていて忙しく包帯なんか頻繁に巻けない生活環境ならば、とりあえずその状態に応じた弾性着衣を選び、お仕事中は着用して圧迫してもらった方がやっぱり良い。
多くの患者さんは、やはり包帯より弾性着衣の方が身軽だし、手間もかからずラクなので、弾性着衣に早く移行したいと思う方が多い。
だが稀に、包帯のオーダーメイドの圧の心地よさ、効果の高さの方が気に入って弾性着衣を使用せずに日夜、始終、包帯を巻かれている方も中にはおられる。(これが一番効果が高くて素晴らしいパターンである)
弾性着衣もオーダーメイドで作る場合もある。
やはり理想はオーダーメイドで作るのが一番だが、その分高価であるからなかなか簡単には手に出せない。
既成のストッキングではおさまらないような変形が強いむくみの方や、既成のストッキング以上の圧が望ましい方にはもちろんオーダーメイドの製品をおすすめすることがある。
ハラハラドキドキしながら、である。
日本にもオーダーメイドできる業者さんはあるが、多くは外国(主に西洋)のメーカーに注文する。
高価であるから失敗が怖い。毎回、いちかばちかの精神で挑戦する。
特に最初の一着を注文するときには一番怖い。いきなり最初の一発目でピッタリと身体に合う商品ができるというのはまず、ない。一着目を試着していただいて、その具合をみて二着目を注文し、だんだんと理想の弾性着衣をつくりあげるのがまあ本道である。
注文書のサイズ表の欄には部位のそれぞれの周径値を測ってその数値を書き、ただ出せばいいというのではない。
その患者さんの組織の硬さやむくみの状態を見て、その数値を調節するのだ。数値は計測者の経験と感覚で決定する。
海外には計測専門の職人がいるが、日本にはまずいない。
だから、マッサージや包帯をまく施術者がそれも行うしかない。
ムズカシイ。
そして、もうひとつハラハラドキドキする原因が。
外国のメーカーさんは非常におおらかである。(日本人の視点で見るからかもしれないが)
まったく同じ寸法で二着注文した商品が全然違う仕上がりで届いたりすることがある。(日本人の感覚では全く同じものが届くはずだと普通は思う)
5cmの違いでも、誤差の範囲だと言われたこともあるらしい。
うわお、である。
(たしかに、海外の方は日本人と比べると大柄でむくみのボリュームもビッグであるだろうから、海外の方にしてみれば5cmは誤差かもしれない)
『クレームがこんなに多いのは日本人くらいだぜ』なんてちょっと逆ギレの言葉が返ってきたこともあると聞いた。
しかしそれでも、まだ海外のメーカーの製品のほうが効果が高いと思う。(あちらには歴史があるぶん、差がやはり出てくる)
最近、日本のいろんな業者さんがこのリンパ浮腫業界に乗り出そうとしてアツイらしいが、大手ワ〇ールさん、トリン◯さん等が、この分野に手を出してお互いにせめぎ合い、素晴らしい製品を作ってくれないかと思う。
だって世界に誇るジャパンメイド、だもの。
日本人の細やかさならば、世界で一番のオーダー弾性着衣をつくることができるのではないかと私は思う。みんなも思っている。




