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【神世界転生譚】 リセットしたいとは言ったけど、こうじゃないだろ?!神になるとか聞いてない!  作者: Resetter
第三章

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破壊力高めはやめてよね!

 

 ――ビュアアアアア!!




 うおおおおぉ!



 ――チュドーン!!




「ぐっ……?!」



 妖精の住処の荘厳な桜の木の前にいたはずが、ものすごい力で吸い上げられ……


 何かに衝突して、止まったようだ……


 辺りには衝撃か何かで巻き上がったのか、真っ白の煙のようなものがたちこめてしまった。


 とりあえず何にも見えない。


 しかしだ。なんだったの、あの急移動。


 マッハでてたろ、マッハ。めちゃくちゃ速かったぞ。


 いくらオレがこれしきでは死なないっても扱いが雑すぎねーか?!


 今生の母がヒドイ! 落としたり引っ張ったり、やりたい放題してくる!


 星間移動がそれでよく生還できるなオレは! 生身だぞ!


 どーなってんだ! 人外か! そうだわ! 人外どころか神族だったわ!


 丈夫な身体に生んでくれてありがとうって言わなきゃダメかぁ?!


 これが神族流愛情表現ですってかぁ?! カルチャーギャップが過ぎるんだよ!!


 気分的にはめっちゃ微妙だぞ!! くっそー!! 再開の暁にはあの豊満な胸に……


「ああああああああぁぁぁ!! ぼぉーすぅー!!」


「えっ?!」


「ご主人様あぁー!!」


 ――ガッ!! ドッ……


 着地? の衝撃かなんだかで、白い煙みたいなものに覆われて、視界が定まってなかったところを……


 またなにか強い衝撃で、地面? に押し倒された。


 ペロペロペロペロペロペロペロペロペロ……


 うわっ?! ねちゃっとする!


 え……ちょっと待て! この感じ!


「ルビィか?!」


「そうだよぉー! ボスぅー! なんでおいてくのぉー!」


「す、すまん……置いてったわけじゃ……って、アマネ?!」


「……ぐずっ……はい。……ああ……ご主人様……。」


「え……いや……」


 ルビィは、まぁルビィだよな。うん。わかるよ。


 ペロペロペロペロペロペロペロペロペロ……


 何せテイルヘイムの南大陸で離れ離れになって、もう2ヶ月以上経ってるしな。


 ペロペロペロペロペロペロペロペロペロ……


 待たせすぎ愛犬ペロペロモード発動は、止まらんだろうさ。


 あぁ、そこだけはオレの言うことも聞かない。もはやチュー〇を前にした猫……それがルビィだ。


 いや、ルビィは犬……じゃない、神狼なんだがな。

 前世の愛犬だ。


 ペロペロペロペロペロペロペロペロペロ……


 だが、オレにしがみついて顔面舐め散らかしてるルビィの横に、今は何と……アマネまでしがみついてる。


 あの"合法ロリクールビューティ鬼侍娘"アマネが、だ。


 どどど、どうしたんだろ……? クールどこいった……?


 ま、まさか……この2ヶ月ちょっとで、何かあったのか……?


 一体……何が……


 ん……? あれ?



 ちょっと待て。


 フウカとウィトは……どうした?




 ま……まさか……!


「な、なあ、ア……アマネ。」


「……ぐずっ……はい。」


 うお、あのアマネが、泣いてるよ! これは……


「あ、あのさ……フ……フウカと、ウィトは……どうしたんだ?」


「……ぐずっ……お二方は……」


 お……おふたかたは……?


「……うぅぅぅ……っ……ぐずっ……」


 え……ちょ……ウソだろ?


「……お二方はぁ……うぅっ……」


 ああー、き……聞きたくない!




「……神狐の……郷で……修行を……」



 





 ……は?




 ちょちょちょちょちょちょちょっ……



 なんっっっっだそれ!!!!!!




 めちゃくちゃビビってたじゃねーか!

 もー。そんなにびっくりさせんなよぉー。もー。


 てか……アマネってば、いつからこんな情緒豊かになったんだろ??


「レイリィさん。」


「……ん?」


「大変だったようですね。」


 いつの間にか白い煙が晴れているようだが……


 オレの視界は……ルビィとアマネで塞がってんのよね。


 アマネさん、あの……ちょっと角が……刺さり気味かなぁって……


 ペロペロペロペロペロペロペロペロペロ……


 あと、ルビィさんや。いつまで舐め散らかしてんのよ……。


 ふやけてきたぞ? オレ……。


 ん? そう言えば、呼ばれたっけオレ。


 あれ? あの声って……


「って!? 母神様?!」


「はい。あなたのソールフレイヤですよ。」


 うわ……これ絶対にっこーっとしてるわ。絶対。女神笑顔(スマイル)炸裂してるわ。


 相変わらずだなぁー。この女神。オレ的には久しぶり感覚だが……


 全く……なーにが"あなたの"だわ。ファミ〇かよ。コンビ組んだ覚えねーっての……。


 むしろオレがアンタのオモチャだろーよ……。


「ルビィさん、アマネさん、喜ばしいのは分かりますが、少しいいかしら。」


「ペロ……んむ?」


「……は、はい。申し訳ございません。」


 とりあえず2人から解放されたオレはやっとこ立ち上がると。


 あーここ、最初の神殿かぁー。

 白い柱だらけのパルテノン的なやつ。こんなだったなー。部屋がやたら広くてさぁー。


「レイリィさん。ルーキスナウロスという神族に転移させられたのですよね。そしておそらく、アースガルズに。」


 む……居場所、予想はしてたのか……。


 まぁ、神スマホ圏外&電池切れの理由が"アースガルズ内外の神力遮断"だもんな。


 普通に考えたら分かるか。


「そうっすね。ルーキスナウロスの正体、分かったんすか?」


「いえ……。思い当たりはしませんので、おそらくですが……大戦の生き残りが名を変えるなどして、身を隠しながら暗躍しているのではないかと。」


「なるほど……。あー、そうだ、アマネ。あの後どうなったの?」


「あの後、奴はすぐに逃げるように去りました。思ったより消耗した……と。しばらくは回復に努めるような発言もしておりました。その期間がどの程度かはわかりかねますが……。」


「はーん。まぁ……じゃあ、一応オレの苦労は無駄ではなかっ……あ!」


「どうしました?」


「いや、アースガルズでめちゃくちゃ世話になった人間、ニケって言うんすけど、出口ではぐれちゃって……」


「ああ、もしかして……レイリィさん、神具でも創って渡したりしましたか?」


 おおん……? なぜバレた……?


 まさか……この女神……


 ネイドス内の大体の場所の神力探れたりするのか……?


 だからテイルヘイムでのオレの行動筒抜けだった……?


 まさか……


「そ、そうっすね、剣と鎧と靴……かな……」


「なるほど……。レイリィさんらしき神力のわりに、ずいぶん弱々しいものも別の場所に感じましたので、どちらなのかと少し迷いましたが、通信機が繋がりましたから。そちらで呼びました。」


 その"呼び方"ってのが普通じゃないんだっての……


 まぁいいや。

 アルヴヘイムからの帰還方法も分かってなかったし、助かったということで。


 それよりも……


「神具……やっぱりオレの神力なんすか?」


「そうですよ。あなたの力を込めるものですからね。」


 はー。知らずにやってたけどなー。


 この女神教えてくれんかったし! 名付けの話なんかフウカとグエンさんに教えてもらったんだしさ!


 あっ! なーんかシレッと"教えたでしょー"みたいな笑顔してるんじゃないっての……


「では、そのニケさんは無事なようなので、もう一度探しておきますね。」


「え! マジっすか! ありがとうございます!」


「いいんですよ。今回はあなたにも苦労をかけましたからね。アースガルズでしたら、大変だったでしょう?」


「まぁ、アズリア神族との相互不可侵の協定がとか……まぁ色々ありましたね。」


「無事でよかったです。それで……これからどうしますか?」


「あ! じゃあとりあえず、神狐の郷に無事だって伝えに行きますよ。」


「ああ、そうですね。テイルヘイムの問題は当面は大丈夫とのことなので、こちらでゆっくり暮らしてもらってもいいのですが……」


 と、言いながら微妙に寂しそうな顔をする母神様。


「あ! そうそう。隣の神殿に寄ってから行ってくださいね。そう言えば、伝言を頼まれていたんでした。」


 気を取り直したふうで、そこはかとなくてへぺろ感を出す女神。


 はぁ……。破壊力高いのはやめてよね!

お読みいただけまして、ありがとうございました!

今回のお話はいかがでしたか?


並行連載作品がある都合上、不定期連載となっている現状です。ぜひページ左上にございますブックマーク機能をご活用ください!


また、連載のモチベーション維持向上に直結いたしますので、すぐ下にあります☆☆☆☆☆や、リアクションもお願いいたします!


ご意見ご要望もお待ちしておりますので、お気軽にご感想コメントをいただけますと幸いです!

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