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【神世界転生譚】 リセットしたいとは言ったけど、こうじゃないだろ?!神になるとか聞いてない!  作者: Resetter
第二章 : アースガルズ編

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2.24話 河川の女神フルーデル

久しぶりにブクマや評価をいただけて!

大歓喜しております!

 

 せっかく爆散させたはずの巨大な水の塊は、ほわほわふよふよとしながら集まる水滴が、段々と大きくなっていって……


 既にバランスボールよりデカくなってきていた。


 でもさ、ボール状っても……


 何だか不規則な感じに動いてるってか、胎動みたいになってんだよなぁ……

 水なら水らしくあれよ。キモイよ。


 いやいや……


 マジですか。はぁ〜……。


 ――ピッ


「っぶね?!」


 油断大敵!サッと避ける!


 もう高圧水砲撃ってきやがるし!!


 復活がずいぶんとお早いようで……。


 何なんすか? もしかしてリセット能力でもお持ちなんですかね?


 パクりはやめてもらっていいですかね……。


 アタクシのガラスのアイデンティティが粉々通り越してドロドロになるわよっ?!


 ん、まぁ冗談かましてる場合じゃないな。


 んー。


 さて、どうすっかなぁ……。


 水蒸気爆発は効かなかったみたいだし……。


 つーか、効いたのかも知れんけど、めちゃくちゃ効果が低い……という可能性もあるわな。


 まぁどちらにせよ、大技の割に効果が感じられないってのは、コスパが悪過ぎる……。


 アースガルズで神力無駄遣いするのは非常に不味いらしいからなぁ……。


 アマネみたいに、地道に斬りまくる?


 確かアマネの刀術をもってして、丸1日かかったらしいんだよなぁ。


 オレなら何日かか……


「レーイ!! なんか変だよ、そいつ!!」


 うん? と、ニケの声で視点を戻すと……


 わーお。


 ボヤっと考え込んでる間に、だいぶデカくお育ちになっていたようで……


 最初よりはまだ一回りくらいは小さいが……


 既にそこらの木々よりは高く聳えていらっしゃいました。


 いやマジやめろ。オレはまだ小さいんだ。身体はな! 見上げるサイズは首にくる……


 ――ゴポポッ……ゴボッ!!


 水の化物は、独特の水音を立てながら……なんだか形状変化をしているようだった。


 考えあぐねているうちに、どんどんと膨れ上がって伸び上がり……


 グンッと一気に反ったなぁ……と、思ったら。ぬりかべみたいにそそり立っていた。


 マジかオイ! 嫌な予感しかしねぇぞ!?


「ヤバい! ニケ! 飛べー……ゴボッ!」

「えっ……?」 ――ドッバシャーン!!


 それは濁流だった。


 ゴオッという爆音がずっと耳を塞ぎ……


 おそらく押し流されているんだろうが……


 上下左右前後左右が全くわからない!


 身体の向きはどっちを向いてる?!


 方向感覚も並行感覚もどっかに行ってしまってる!


 目も開けてるはずだが……視界は機能していない! ハッキリしたものを捉えてくれない――


 ニケ――!


 何処だ……? 無事なのか……?


 ゴォゴォと鳴り止まない爆音……


 ふと……離れた場所に、ぼんやり光るものが視界の端に入るが……


 すぐさま途切れる。


 そして次の瞬間にまた光る。


 ……あれは、アイギスか?!


 てことは、オレは今……めちゃくちゃ回転してるのか!


 クソっ! ヤバい! ニケが死ぬ!


 やっぱり巻き込まれてたのか!!


 いや! 落ち着け。リセットするにしても、この規模だ。

 闇雲というわけにはいかんだろう。多分死ぬ。


 グルグル掻き回されてゴォゴォうるせぇけど! キッチリ集中して狙わないと……!


 落ち着け、集中しろ……! 滝行を思い出せ……!


 …………

 ……


 ……よし!


 内側と自身を包む神力を同調して……


 リセットだ!


 ――バシャアッ!! ……ドッ!


「い……ったくはないが……ニケ? ニケ! 何処だ?!」


 一瞬にして消え去った、津波のような濁流。当たり前だが、オレは地面に落ちた。


「え? あ、レイ。」


 ふう……。間に合ったか……。


 ニケはニケで、最初の位置まで戻っていた。


 いやぁ……かなり際どかったな……。


 まさか化物野郎を根源にまでリセットする羽目になるとは……


「いや、ニケ。無事でよかったわ。」


「え……? 無事……って……あ! 化物は? どうしたの?」


「ああ、いや……やばかったから、リセットしたん……」


 ――パチャン


 ……ん? 何の音……かなぁ……?


 ――ピチャッ


 ……いやいや、そんな事……あるわけ……なぁ?


 ――ポタッ


 ……ああ〜やだ〜見たくねぇ〜

 

「レイ……? どうしたの?」


 けど、はぁ……


「いや……ははは。」


 なんつーか、やっと仕事終わったぜー帰ろ!!

 と……思った瞬間にブラック上司に呼び止められて仕事押し付けられる気分っていうかさ!


 そんな感じなのよ!


 っと、振り向くと……


「……ウ………………ァ……オ……」


 水感よろしくスケスケの人型の何かが……立っていた。


 ああー。やっぱいるよー……。


「ねえ……レイ……あれ、何かな……? なんかあるよね?」


 うんうんそうだね! なんかあるね! なんなのかなぁ!


「レイ、どうしたの? そんな首ばっかりこくこく振って。取れちゃうよ?」


 ニケさんや。


 人には、目を背けたくなるって時があるんだよ。


 まぁ、オレはもう人ではないらしいがな!


「…………ゥ……ァ……」


 はぁー。なんか言ってますよ? あの得体の知れん物体。


「ニケ、アイギス、展開な。」


「え? ……うん。」


 カシャンと小さく音を立て、アイギスは前方にクルクル回る盾を2つ浮かせる。


 ニケはついでに勝利の剣も展開したようだ。


 小さな光の刃がニケを取り巻くように浮いている。


 よし、しゃーない。残業といきますかねぇ。


 不意の攻撃に注意しつつも、足早に近寄った。


 さて……神具にするか、リセットにするか、おそらくもう、あんまり神力の残量がない。


 決め手に欠ける……!


「……あ……ああ……あなたは……」


「えっ?!」


 喋った?! 化物って喋るの?!


「……その……神気……神……族……です……ね……」


「あ、ああ、そうだけど……いや、逆にアンタは何なのさ?」


「……ああ……わ……たし……そう……死ん……だ……のね……」


 人型の水は、どこから声を出しているのかは分からない。

 目も鼻も口もない。人の形を模したシルエットでしかないのだ。


「……ゴポポッ……わた……し……は……河川……の女神……フルー……デル……だった……もの……」


「河川の女神……フルーデル……」


 それで川に居たのか……。


「……そう……大戦……は……どう……なっ……たの……」


「どうって言われてもな……。オレはあんまり知らないからな……。」


「……うっ……ぐ……っ……」


 途切れ途切れでも話せていたフルーデルが、苦しむような声を出した。


「……ああ……あああ……ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」


 フルーデルが奇声を上げた瞬間……


 ピピピピッと四方八方に高圧水砲が撒き散らされた。


「ぐっ……」


 ギリ穴は空いてないが……! やばかった!


「キャッ……」 ――カィンッ!


 ニケ?!

 ……の方は振り向いて見たが、アイギスに上手いこと弾かれていた。


「……ああ……殺……し……なさ……い……」


「え?」


「……わた……し……を……殺し……て……」


 な、なんですと?!


 いや……おま……だったらだったでさ、ずっと化物らしくあってくれよ!!

 会話とかしてんじゃねーよ!!


 なんなんだよ……。

ありがとうございました!今回はいかがでしたか?

少しでもご興味いただけた、ちょっとは応援してやってもいいかなというお優しい皆様!☆評価☆やブクマ、是非よろしくお願いします!

コメントなどもお待ちしております!

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