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【神世界転生譚】 リセットしたいとは言ったけど、こうじゃないだろ?!神になるとか聞いてない!  作者: Resetter
第二章 : アースガルズ編

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2.1話 転生したのに、転移もした件

ここから第二章です!

https://47211.mitemin.net/i969468/

ニケイメージ画像です。

 

 ――ドォーン!!!


「かかれーぃ!!!」

「「「わぁーーー!!!」」」

「「「突っ込めぇー!!!」」」

「「「ぎゃああああ!!!」」」

「「「うおおおおぉ!!!」」」


 ――ギャリーン!!!ゴンッ!!!グシャッ!!!


 戦場。

 天は飛び交う怒号と悲鳴。刃と矢玉。血の雨が降り、肉の雹が降る。


 地は形を留めない死体と、撒き散らされた臓物で埋め尽くされている。


 目の前に広がる凄惨な光景は、現実感が薄く、時間感覚も希薄だ。


 ……

 …………

 いや、マジか。どうしてこうなった。


 オレは……そう。

 ルーキスナウロスにリセットを仕掛けようとして、逆に転移させられたんだ。


 で、気が付いたら、澱んだ海が、目の前にあった。


 ちょっと呆然としたね。山に居たしね、さっきまでさ。


 気を取り直した所で、持ち物を漁ってみたら、神スマホがあった。


 無くなってなかったのか!ラッキー!

 ってなもんで、ソールフレイヤに通話しようと思ったんだが、繋がらなかった。


 圏外だったわけだ。全然ラッキーじゃなかった。


 リセットで戻れないかと試したけど、転移は無理だったし。くそう。


 実現するには神力が圧倒的に足りない。

 相変わらず燃費が悪い神能だわ。


 しかし、転生してからというもの、中々に幸運に恵まれてたと思ってたけど、結局オレはこうなんだろうかね。


 そういえば、皆無事なんだろうか?

 ルーキスナウロスのチート野郎、普通の攻撃効かなかったからなぁ……。

 あの後無事逃げてくれてたら良いんだが……。


 そんな事を考えながらも、自分がどこにいるのかすら分からないから、仕方無く何だか音がする方を目掛けて歩いてきたら、この有様だ。


 いや、そりゃ音が凄いのは納得したけど……。


 高台から見下ろす形で、平野を眺めていると、荒野と呼ぶに相応しいその場所は、どんどんと赤黒く染まっていく。


 なんなんこれ?地獄なん?


 目を奪われるんじゃなくて、目を疑いまくってるけど。

 瞼取れるんじゃないかってくらい擦ってみても、目に映る光景は悪化の一途を辿ってるんだが……。


 もはや目を覆いたい。


 いや、まぁさ?オレ不運には慣れてるよ?確かにさ。

 でも、さすがにこんな所は体験した事ないからね?


 さっきからずっとエンドレスで人っぽいのが人じゃなさっぽくなり続けてんだが……。


 どうしたもんか……。


 途方に暮れ、どうにも現実感の無いその光景を眺めていると、ふと気になる人物がいた。


 矢玉の風雨が吹き荒れる中、剣でガンガン斬り合っているのだが、明らかに一方が小さいのだ。


 それを見ていると、なんだかハラハラする。


 気付いたら、オレは走り出していた。


 戦場に飛び込むと、遠目で見るよりも酷い有様だった。

 まぁ、当然なんだが……。


 地面は血溜まりで泥濘のようになっている場所……

 肉片や臓物から漂う強烈な異臭……

 飛び散った甲冑やら武器やらの破片……

 そこそこの形を残した死体の山……


 そんな地獄の光景の中を、攻撃を無視出来るように身体強化をしながら、血みどろの戦いを繰り広げる兵士達の森を赤い水溜りをバシャバシャ跳ね上げながら、縫うように抜けていく。


「な、なんだこいつ!」

「速いぞ!」


 ――ガギンッ!


「き、斬れねぇ!」


 オレに攻撃の意思は無いが、戦場に有っては当然(まと)になる。


 が、どうやらこいつらは人間の様だ。

 普通の武器では神族には効かないというグエンさんの言葉は、本当だった。


 オレも、中々のチート野郎なんだなぁと、ちょっと暢気に考えつつ、目的の人物まではあと少しだ。


 アマネやルビィ程には速く走れないけど、実はオレも結構速いみたいだな。


 ――ギィン!ガィン!キンッ!ゴッ!


「くっ……!」


「けっけけ!ガキが戦場なんぞに来るからよ!

 おらおらおら!」


 立派な甲冑に身を包んだ大柄な男が、小柄な人物を弄ぶようにして斬り結んでいる。


 ――ギィン!ガィン!ザシュッ!


 数十に渡る剣撃を何とか耐え忍んでいた小柄な人物も、ついに限界を迎えたのか、敢え無くその身体に刃を受けた。


「ぐっ……あぁぁぁ!!」

「けへへ!くたばりなァ!!」


 ――ビュッ……ギィン!


 止めといわんばかりの大上段からの一撃に、オレはギリギリ身体を滑り込ませた。

 背に負う雪月花にその剣を弾かれ、大男は勢い余ってよろけた。


「な、なんだ……てめぇ!!」


「はぁ……、あっぶな!」


 すんでのところで、少年を斬り裂こうとした剣を止める事が出来た。


 と、いっても、少年は既に頼りない甲冑の隙間をザックリと斬られてしまっている。このままではマズイ。


 オレは、そのまま少年を担ぎ上げると、脱兎の如く回れ右をした。もちろん、身体強化はMAXだ。


「な、なんだァ?アイツ……どうなってやがる」


 ――


 自分の身体を盾にしながら、元いた高台まで全速で戻った。

 兵士だかなんだか知らないが、目の前の敵に夢中になってる奴が多かったから、少年をあれ以上傷付けずに戻ってこれた。


 少年を地面に横たえて、リセットを……30分前くらいでいいかな。


 神力を通して……ん?あら。


 多少思ってたのと違ったが、一先ず傷は癒した。


「あー、君……名前は?」


「え……あ……ニ……ニケ……だよ。あれ?アタシ……」


 そう、少年だと思って助けたけど、少女だった。


 いやまぁ、些細な事だけど。


 てか、あんな戦場に少年がいるのでも驚きなのに、少女がいるだなんて思わないだろ!


「ニケか。色々聞きたい事があってさ、聞いてもいいかな?」


「え?あ……き、きみは?だれだい?」


 ニケは、何が起こったのか分からないといった感じで、キョロキョロしている。まぁ、そうだよな。


「オレは、レイリィ。レイリィ・セトリィアス・ミデニスティース。長いから、好きに呼んでよ。」


「レ……レイ……ああ、うん。」


「で、質問していいかな?」


「あ、うん。」


 それからニケには申し訳なかったけど、しばらく質問攻めにしてしまった。

ありがとうございました!

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