第69話 マジですか?
俺は瞬間移動で地上に戻ってきた。テイムのリストボードを見るとスプリガンの名前が表記されている。俺を追いかけるように地上に出てきた不死鳥を消してリストボードに戻す。
その場に座って一息ついた。鑑定で自分のステータスを確認すると――
魔法戦士 Lv99
【職業スキル】
魔法剣 Rank B → A
獲得“魔法” 雷魔法(Ⅰ)×1 闇魔法(Ⅰ)×1
光魔法(Ⅰ)×3
魔法剣の職業スキルが“A”まで上がったか‥‥‥もう充分過ぎるほどスキルは上がってきたな‥‥‥‥‥‥ん?
「あーーーっ!!!」
唐突に思い出した。“魔核”! 統率者を倒した時、いつもあった固有スキルの“魔核”を今回とってない!!
俺は慌てて崩落したダンジョンに向かう。ダンジョンがあった場所は大きな縦穴になってしまい、下は滅茶苦茶になっている。
「ここから探し出すのか‥‥‥?」
絶望的な気分になったが溜息をついた後、捜索を開始した。
5時間後――
「あー疲れたー」
土魔法や空間探知を使い、なんとかスプリガンの“魔核”を見つけ出した。
“魔核”を手に入れる大変さは、今回が一番しんどかったかもしれないな‥‥‥さっそく鑑定すると――
<怪力無双> SSR
筋力、物理防御のステータスを
2倍に引き上げる。
アレ? なんか“剛力無双”の下位互換みたいな固有スキルだな‥‥‥苦労した割には拍子抜けする感じだ。
これを食べたらどうなるんだろう? プラスαになるのか、あるいは上位の“剛力無双”があるので効果が得られないのか‥‥‥。
とりあえず食べてみるか! 俺は“魔核”をウェットティッシュでよく拭いてから食べてみた。しばらくしてから鑑定で自分のステータスを確認してみる。
「ん? 怪力無双の表記が無いぞ」
やっぱり無効になったのか‥‥? そう思ったがよく見ると剛力無双の表記も無い! どうしてだ!? と慌てたが、別のスキルの表記があった。
<天下無双> UR
筋力、物理防御のステータスを
10倍に引き上げる。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥マジですか?」
◇◇◇◇◇◇◇◇
岐阜県・岐阜基地――
俺は日本に帰ってきた。さすがに中国、ロシアと連戦したため、かなり疲れた。ちょっと張り切り過ぎたな‥‥‥‥。
坂木さんに断って、しばらく休むことにした。
今はベッドの中で、ぐったりしている。改めて自分のステータスを確認してみると‥‥‥
魔法剣士 Lv99
HP 4835/4835
MP ∞/∞
筋力 97380
防御 41292
魔防 19360
敏捷 53265
器用 4847
知力 4140
幸運 330750
【職業スキル】
魔術 Rank SSS 称号“魔術王”
回復術 Rank SS
複合魔術 Rank B
マッピング Rank SSS 称号“岩窟王”
魔道図書 Rank D
剣術 Rank SS
武術 Rank SSS 称号“拳王”
生成術 Rank C
解体 Rank C
強奪 Rank D
弓術 Rank B
テイム Rank SSS 称号“魔を統べる者”
錬金術 Rank D
アーカイブ Rank D
気功武術 Rank A
魔法剣 Rank A
【固有スキル】
時空間操作 全状態異常耐性 神眼
無限魔力 結界防御 不老不死
重力操作 超回復 業魔の鎧
女神の加護 天下無双 神速
【スキル】 【魔法】
鑑定 (ⅩⅦ) 風魔法 (ⅩⅧ)
空間探知(ⅩⅩⅡ)土魔法 (ⅩⅧ)
筋力増強(ⅩⅩⅩ)火魔法 (ⅩⅦ)
千里眼 (ⅩⅠ) 光魔法 (ⅩⅡ)
魔力強化(Ⅷ) 召喚魔法(ⅩⅩⅩ)
寒熱耐性(ⅩⅥ) 雷魔法 (ⅩⅩ)
物理耐性(Ⅷ) 水魔法 (ⅩⅧ)
魔法耐性(Ⅹ) 闇魔法 (ⅩⅣ)
魔法適性(ⅩⅢ) 強化魔法(ⅩⅥ)
成長加速(Ⅹ) 回復魔法(ⅩⅨ)
隠密 (ⅩⅡ)
俊敏 (ⅩⅩⅩ)
精密補正(ⅩⅠ)
威圧 (Ⅶ)
演算加速(Ⅹ)
念話 (Ⅷ)
敵意感知(ⅩⅢ)
模倣 (Ⅷ)
精神防御(Ⅵ)
加護 (ⅩⅠ)
【テイム】
岩の巨人 タイタン SSS
妖精種 スプリガン AAA
魔獣種 キマイラ AAA
精霊種 不死鳥 AA
金属の巨人 ギガス A
金属の巨人(中位) B
岩の巨人 (中位) B
人型の巨人(中位) B
人型の巨人(低位) C
岩の巨人 (低位) C
人型の巨人(低位) C
人型の巨人(低位) C
とんでもないステータスだな‥‥‥俺自身が化物みたいになってないか?
そんな時、坂木さんから連絡があった。内閣府の偉い人が俺に会いに来てるらしい‥‥なんだろう?
◇◇◇◇◇◇◇◇
岐阜基地の執務室に俺と坂木さん、そして大阪から来た内閣府審議官の萩野さんがいた。俺の向かい側に座っている萩野さんは、平身低頭な感じの人だった。
「いや~五条さん。お休みのところ申し訳ありません」
ハンカチで汗を拭きながら一枚の紙をテーブルの上に置いた。
「実は先日、五条さんからお預かりした未知の薬品なのですが、現在国立研究所で色々調べておりまして‥‥‥政府といたしましては是非、買取らせていただきたいと思いまして」
薬品? ああ、あのいらなかったポーションやエリクサー、あと霊薬もあったかな‥‥‥役に立ててもらおうと思って政府に渡したんだけど‥‥‥俺が持ってても仕方ないし。
「ただ政府の方も国がこんな状態なため、五条さんにご納得いただけるほどの買取額をご用意するのが難しい状況でして‥‥‥‥」
「別にいいですよ。高値で売ろうと思ってたわけじゃないので、気にしないでください」
「そうですか! そう言っていただけると助かります。これが買取見積書になりますので、ご確認ください」
萩野さんは机の上に置かれていた紙を俺の前に差し出した。見積書には個々の金額が書かれており、最後に合計金額が記入されていた。
合計金額 ¥84,200,000,000
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥マジですか?」
これで第5章は終了です。第6章は少し長いお話になる予定です。




