表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現実世界に現れたガチャに給料全部つぎ込んだら引くほど無双に  作者: ARATA
第五章 中国・ロシア攻略編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/158

第56話  気功武術

 「最後は試合形式による試験で判断する。勝ち負けではなく内容が重要になってくるので、そのつもりで臨め!」



 Bグループの中で同じくらいの力の者が対戦を組まれ、それぞれ戦っていく武器は木刀や棍棒、木製のトンファーなどを使ってもいいようだ。


 俺が見る限り、あまり強そうな人物はいなかった。自分の対戦相手が誰になるのか考えていると、番号が呼ばれた。



 「B-186番! 前に出ろ」



 部屋の中心部に歩いていくと、向こうから1人の女性がこちらに進んでくる。どうやら彼女が対戦相手らしい。


 女性なのでやりにくいかなと思ったが周りの反応がおかしいことに気付いた。


 会場全体がザワついている。近くで見る女性は、長い黒髪を束ね精悍せいかんな顔立ちをしていた。落ちついた表情をしているが、ただならぬ雰囲気をただよわせている。



  「ワンだ! 私は素手でいい、遠慮せずかかってきていいぞ!」



 そうか、この人が王欣怡ワン・シンイー‥‥‥“朱雀”のリーダーか‥‥! 俺は鑑定を行使しステータスを見てみる。



モンク  Lv64     

 HP    646/646  

 MP    120/120  

 筋力    580      

 防御    328   

 魔防    210     

 敏捷    1382   

 器用    87   

 知力    66 

 幸運    68


【職業スキル】

 武術    Rank A

 回復術   Rank C 

 気功武術  Rank B 


【スキル】 【魔法】

 俊敏(Ⅵ) 回復魔法(Ⅲ)

       強化魔法(Ⅶ)



 かなり強いな‥‥‥職業スキルは3つあるが、俺が職業ボードを使った時のステータスの伸びを遥かに超えている。やはり個人の才能に関係するんだろうか?


 彼女は武器を持たずに構えた。それなら俺も――



 「五条だ! 俺も素手でいい」



 ワンは少し微笑み、1歩踏み込んできた。一瞬で間合いが詰まる!! 清水さんから聞いた事前の情報ではワンは“形意拳”という中国では有名な武術の達人らしいが、ステータスにかなりの差があるので攻撃を受けてもたいして効かないだろう‥‥‥そう思ってワンの突きを受けた。



 俺の腕に王の拳がめり込む!!



 ――痛っ!! 腕に想像以上の痛みが走る! なんだ? この内側をえぐるようなダメージは!?


 1歩下がったワンをよく見ると体の周りに薄いオーラのようなものが見える‥‥‥ひょっとするとこれが“気功”なのか?


 恐らくは“強化魔法”の応用によって、あの気功オーラを出しているはずだ。俺は強化魔法なんて物を固くすることくらいにしか使ってこなかったけど、気功武術が上達していけば俺にも使えるようになるんじゃないか?


 ワンは地面を蹴り、あっという間に距離を詰め、突きや蹴りを叩き込んでくる! 無駄な動きがまったくない!!




 ◇◇◇◇◇◇◇◇



 最初にこの男を見た時、自分の前で計測器を殴った男とまったく同じ動き(・・・・・・・・)で計測器を殴っていた。少しだけ強くなるように調整したようだが‥‥‥そんなことができるのは圧倒的な実力がある人間だけだろう!


 そして実際に相対して分かるのは、この男から感じる異様なまでの静かな威圧感だ。私には明らかに力を隠そうとしているように見える。


 手合わせすれば、否応なく相手の強さは分かってしまう。“気功武術”のオーラこそ満足に使えないようだが、それでも私の攻撃を的確に防いでいる。


 久々に見た“朱雀”にも中々いない強者だな!! やはりこの男は面白い!!!




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 ワンは防戦一方になる俺に、息をもつかせぬ連撃を叩き込んでくる! 俺がわずかにバランスを崩すと、その隙を見逃さず間髪容れずに強力な一撃を繰り出そうとする。その瞬間、体に纏ったオーラの量が跳ね上がった!!


 しっかりガードしないと危ないと感じたので両腕でクロスガードする。次の瞬間――



 「そこまで!! もう充分だ!」



 試験官が試合を止めた。会場はざわついたままだ。



 「やっぱりスゲーなワンさんは動きを目で追うのが精一杯だったぞ!」


 「あの日本人、防戦一方だったな。かわいそうに‥‥‥」


 「いや最後まで立ってただけでも充分じゃないか?」



 色々言われているようだが、これで合格できるだろうか? 心配になってきたな。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 「どうだったワン?」



 王に声を掛けたのは副団長の劉梓豪リュウ・ズーハオだった。



 「久々に熱くなった。あの男、まだ本気を出してないな‥‥‥」


 「だとしたら入団は決まりだな! “統率者”の討伐には、より強い戦力が必要だからな」



 結局、この日の入団試験では五条を含む3人が合格となり、翌日からの“統率者”の捜索に参加することになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 強者は強者を識るって言葉を思い出しました。
[一言] 主人公が確認してないだけでHPは0.1割も減ってないんだろうな 防御貫通攻撃で痛みだけは届くけど受けたダメージは自動回復で一瞬で治る上に見えるし反応できるから急所を打たれることもないからまぁ…
[一言] まぁ…。 ボスぶっコロせれば何でもアリ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ