第49話 巨人VS巨人
怪我人もいる中、必死で逃げた‥‥‥‥だが集まり出した巨人に1人また1人と仲間が捕まり殺されていく、ライフルで応戦しても巨人にはほとんど効かない!! そして俺の視界にあの巨人が映った。
一際デカイ鉄の巨人だ!! 鈍い銀の体が輝き、巨躯を自慢するかのように緩慢に歩き咆哮する。
「うぉおおおおおーーーーーーーーー!!!!」
「どうする!? ジョシュア!!」
「一番デカイのが回り込んできてるぞ!!」
悩んでる場合じゃない!! 1人でも多くの人間を生かさないと!
「何人かのグループに分かれてバラバラに逃げよう!! 生存の確率が少しでも高くなるかもしれない!!!」
俺の指示を受けて数名の軍人は10~30人を連れてバラバラに避難しようとした! しかし気付けば何十体もの小型の巨人に周りを包囲されている。
ゆっくりと金属の大型巨人が近づいてくる。
絶望が辺りを覆っていた‥‥‥そして俺もまた‥‥‥‥
迫り来る小型の巨人達から逃げることも銃を向ける力も、もう無かった‥‥‥仲間がうつむきかけたその瞬間
刹那の光と轟音――
3体の小型の巨人が爆発に巻き込まれ吹き飛んでいく‥‥‥‥何が起きたのか分からなかったが俺の前に1人の男が突然現れた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
ジョシュアや助けた姉弟を見つけることはできたが、弟はヒドイ状態だ。
「大丈夫か? 今、助けるからちょっと待ってろ!」
「ゴジョーさん‥‥‥!?」
俺は巨人の方を振り返り召喚の魔法陣を展開した。まずコイツらを排除するのが先だな‥‥‥
「来い! 巨人ども!!!」
五体の巨人を召喚し、突撃させた。向こうは巨人一体を中心にした数十体ほどの集団だったが俺の召喚した三体の20メートル級の巨人が取り巻きの巨人を蹴散らしながら一番大きい巨人に迫った!
召喚した残り二体の10メートル級の巨人も小型の巨人に殴り掛かっていく。
俺が弓矢で援護し、相手の数を減らしていった! 思い描いていた対タイタン戦略がここに来て功を奏している‥‥‥皮肉な話だ。
もっとも大きな巨人、30メートル以上はあるだろうか‥‥‥‥今まで見た中では最も大きい金属の巨人だった。この一際デカイ巨人を鑑定すると――
巨人ギガス
戦士 Lv1923
HP 24238
MP 402
筋力 37234
防御 20963
魔防 22057
敏捷 182
器用 42
知力 43
幸運 61
【スキル】
自己再生(Ⅴ)
筋力増強(Ⅲ)
物理耐性(Ⅱ)
魔法耐性(Ⅳ)
威圧 (Ⅰ)
名前付きの巨人なのか!? タイタン以外では初めてだな‥‥‥だがタイタンを見た後だと小物にしか見えない。
「行け!! 押さえつけろ!!!」
三体の巨人が30メートル級の巨人に殴り掛かっていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
その光景に俺は唖然としていた。目の前の男‥‥‥2日前に姉弟と共に避難してきた。だが俺に追い出され去っていった男だ‥‥‥。
その男が戻ってきて俺たちを助けてくれている‥‥‥‥なぜだ‥‥‥?
何よりも突然現れた巨人が同じ巨人と戦っている。男自体も弓で巨人を攻撃しているが巨人に当たる度に爆発し、燃え上がっている‥‥‥‥理解できない現実に言葉を失っていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
3体の巨人が30メートルの巨人に掴みかかる! だが、殴り飛ばされなかなか押さえきれない。体長は1.5倍ほど違うが力は何倍も違うみたいだ。
俺は魔力を込めた弓を引き絞り相手に狙いを定める‥‥‥‥金属の巨人の弱点は分かっている。
「轟雷!!」
矢が相手に当たった瞬間、ものすごい稲妻が走る。30メートルの巨人はもんどりうって倒れた。
矢に込める魔法は通常撃ちだすものより威力こそ落ちるが、矢のダメージがプラスされることと連射できることを考えれば、かなり強力な攻撃手段だ!
金属の巨人は“火”と“雷”が弱点だ。俺はこの2つの魔法を合わせた複合魔法で追い打ちをかける。
「くらえ! 雷炎!!」
3連射で放たれた矢は巨人に当たり、眩い光に包まれた後、巨人は炎にまかれ絶叫した。
「ギャアアアアアーーーーーー!!!」
3体の巨人に“強化魔法”を掛けて硬度を上げた。このことで巨人の攻撃力や防御力が上がり徐々に大型の巨人を追い詰めていく‥‥‥。そして――
「テイム!!」
動かなくなった大型の巨人は光の粒子になって消えていき、テイマーのリストに追加された。
テイム成功だ!




