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現実世界に現れたガチャに給料全部つぎ込んだら引くほど無双に  作者: ARATA
第四章 アメリカ大陸・巨人編

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第48話  荒廃

 俺はタイタンから離れ、目的もなく空を飛んでいた。


 どうすれば奴を倒すことができるのか? あるいは倒すのを諦め、違う国に行くか悩んでいると“空間認知”に人間が複数いる気配を感じた。


 大きな自動車工場のような所に大勢の人が避難しているようだ。近くに降り立ち避難者の様子を見ようと近づいていくと‥‥‥‥。



 「避難してきたのか? めずらしいな‥‥‥」



 大きいシャッターの近くにいた男性に声を掛けられた。どうやらここには軍隊は駐在しておらず主に一般人と警察の人間がいるだけのようだ。


 

 「以前は避難してくる人間もちらほらいたが最近ではめっきり少なくなってきたからな~」


 「巨人の活動が活発になってるんですか?」


 「それもあるが、もう国民自体が希望を持てなくなってるんじゃないかな‥‥‥‥こんな世界になっても最初の頃は強いアメリカなんだから政府がなんとかしてくれると思ってたんだ‥‥‥‥‥だが何ヶ月たっても状況は変わらない、いやむしろ悪くなってる」


 「諦め始めてると?」


 「しかたがないよ‥‥‥人間もどんどん少なくなってるって聞いてるしな‥‥‥‥最近じゃミラー・パークにいた避難民が襲われてすごい被害が出たって話だし」



 背筋が凍るのを感じた‥‥‥‥。



 「ミラー・パークが!? 巨人に襲われたのか、いつのこと!!?」


 「う~ん‥‥‥通信妨害がひどいから詳しい時間までは分からないが‥‥‥この辺りの避難所とは色々な方法で連絡を取り合ってるからなー詳しく知りたかったら他の奴らに聞いてやろうかー‥‥‥ってアレ?」



 「消えた‥‥‥!??」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 俺はミラー・パークに瞬間移動してきた。辺り一面は廃墟と化している‥‥‥‥中は血と死体の山になっていた。


 タイタンに意識が向き過ぎていた‥‥‥‥俺が助けた姉弟やここに居た軍人や避難民の安全をもっと考えるべきだったんじゃないか‥‥‥? 今更ながら後悔が俺を襲った。


 口の中に苦いものが広がる‥‥‥。


 生き残りがいないか“千里眼”と“空間認知”を全方位に放った。10㎞ほど先に人間の反応がある。その場所まで瞬間移動で飛んだ。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 ミシェルは憔悴していた‥‥‥‥涙が枯れるのかと思うほど泣いた。



 「エル‥‥‥‥」



 彼女が見下ろす先には動くこともできず、地面に寝たままになっている弟のエルがいる‥‥‥顔面は蒼白で全身はボロボロになっていた。応急処置はされているが生きているのが不思議なくらいの重症だった。



 「もう長くはないだろう‥‥‥‥」



 そう言ったのは一緒に逃げ延びた軍人のジョシュアだった。巨人の襲撃から命からがら逃げ出したが、ここにいるのは軍人を含め200人弱しかいない。



 「他に逃げ出せた人間がいるかは分からないが‥‥‥‥あの巨人の集団がいる限り逃げ切るのは難しいだろう」



 襲ってきたのは1体の巨人をリーダーとしたグループだった。巨人が群れを成すのは珍しいことだが統率されている分、人間にとっては最悪だった。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 俺たちはここから最も近い避難所の公立博物館を目指していた。市民が避難している避難所はなるべく近くに作らないようにしている。もし1つの避難所が襲われても別の避難所に被害が及ばないための措置だ。


 ただしこの方法では救助などは望めないため、自分たちで別の避難所まで行くしかない。仮にたどり着いたとしても全員が保護してもらえるかは分からない‥‥‥それぞれの避難所は自分たちが生きていくだけで精一杯だからな‥‥‥‥。



 「ジョシュアさん、後どれくらいで着きますか?」



 ミシェルが不安そうに聞いてきた。弟を助けたいんだろう‥‥‥‥だが今、動くのは危険だ!


 巨人たちは夜になると活動が低下する。できるだけ日が暮れてから移動したいが‥‥‥‥



 ガラッ‥‥‥



 岩が落ちる音にふり返る。半壊したビルの上に3メートルほどの巨人がいる。巨人はけたたましい叫び声を上げた。



 「ぎぃええええええええーーーーーーーーーー!!!!!」



 「まずい! 斥候だ!!」



 見つかった‥‥‥‥!!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] たくさんの人が死んでしまったのに、戦犯のエルとジョシュアが生き残ってるのが納得いかない。笑 これが被害ゼロならまだ良かったのに。
[気になる点] いいところで切りおる
[一言] 主人公以外が弱すぎて 泣く事しか出来ない…(。´Д⊂)
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