第43話 魔を統べる者
“重力操作”で動けなくなった人型巨人の上に巨大な岩の塊を落とし、絶命する瞬間――
「テイム!!」
巨人がいる場所に魔法陣が出現する。成功すれば手の上に現れた光るボードの“リスト”にテイムした魔物が表示される。
「失敗か‥‥‥‥」
テイムの成功率は職業スキルのランクに依存するみたいだ‥‥‥まだCランクなので、なかなか成功しないがすでに2体の巨人はテイムに成功し、リストに表示されている。
少し小さいが、人型と岩型の巨人だ。
最初“テイム”というのは魔物を仲間にして一緒に旅をするのかと思っていたが、どうやら違うようだ。
完全に倒した魔物を“テイム”でリストに追加し、召喚魔法で呼び出すというものだ。今まで召喚魔法は召喚されて出てくる魔物がランダムで正直、使い勝手が悪かった。
だが“テイム”は任意の魔物を自由に召喚できるので、とても使いやすい。召喚魔法(Ⅰ)のレベルが上がっていけば召喚時間も延びていくだろうから、ますます使える能力になるだろう。
何より、この“魔物使い”の職業ボードは10枚ある。SSSランクになる可能性があるので、うまくすれば最強の巨人タイタンもテイムできるかもしれない‥‥‥‥
そんなことを考えながら巨人を狩りまくってレベルをカンストさせていった。
アメリカに来てから夜は廃墟などにテントを張って野宿している。巨人は夜にあまり活動してないようなので特に気にせず寝られるのでありがたい。
もっとも瞬間移動を使えば日本の家に簡単に帰ることもできるので、寝泊りに関してはまったく問題ない。瞬間移動は便利すぎる‥‥‥‥
「ふう‥‥‥けっこう時間がかかったけど、だいぶテイムの成功率が上がってきたな‥‥‥」
俺は5日かけて、職業ボードを4枚カンストさせていった。
魔物使い Lv99
【職業スキル】
テイム Rank C → S
獲得“魔法” 召喚魔法(Ⅰ)× 9
“テイム”した巨人は全部で7体、どうやらリストに表示できるのは無制限ではなく限りがあるようで職業ランク“S”でリスト表記できるのは7体が限界のようだ。
また、一度に召喚ができるのも限りがあるようで、今現在は3体が限界だ。たぶんランクが低い魔物ならもっと多くだせるかもしれないが、その辺は調べてみないと分からない。
召喚魔法のレベルが上がったおかげか、20メートル級の大きい巨人もテイムできた。この調子でガンガンレベルをあげていくことにした。
そして一週間後――‥‥‥‥
10枚の職業ボードが全てカンストした‥‥‥‥その職業スキルは――
魔物使い Lv99
【職業スキル】
テイム Rank S → SSS 称号“魔を統べる者”
獲得“魔法” 召喚魔法(Ⅰ)× 9
ついに“魔物使い”の職業を極めることができた。称号は“魔を統べる者”か‥‥‥ランクが“SSS”になったことで、リストに入れることができる魔物は最大12体、召喚できる魔物は強力なものなら5~6体一度に召喚できる。
それにランクが最大値になったことに加えて“女神の加護”で運の値を大幅に上げていることで、テイムの成功率は、ほぼ100%になった。
召喚魔法のレベルも(ⅩⅩⅩ)トリプルエックスになったが、職業ボードの数から考えて獲得した召喚魔法の数はもっと多いと思っていたのに意外に少ない‥‥‥魔法やスキルのレベルの限界値がトリプルエックスなのかもしれないな‥‥‥覚えておかないと。
召喚時間も30分以上は継続できる。俺が持つ魔法の中では最も強い、この召喚が俺の主戦力になるのは間違いないだろう‥‥‥‥。
これで強力な巨人を“テイム”してタイタンにぶつけることができる。戦い方は決まった! 後は準備をするだけだ!!




