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現実世界に現れたガチャに給料全部つぎ込んだら引くほど無双に  作者: ARATA
第二章 大厄災編

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第19話  可能性

 俺は執務室で1人、考え込んでいた。


 もしも本当に“魔素”の影響で人間の能力に変化が生じているなら、化物共と戦うヒントになるんじゃないだろうか‥‥‥今のままではいずれ我々は全滅する。


 

 「坂木1佐。長野からの避難民が140名ほど来ています」



 避難民の報告が入った。被害を免れた一般市民が関東方面から命からがら逃げてきている。特に、ここ数日増えてきているようだ。


 この基地にも難民キャンプの用意があるので、一旦休んでもらい大阪など関西圏への移動を支援していた。



 「それと‥‥‥避難民の中に気になることを言っている者がいるんですが‥‥‥」


 「気になること? なんだ」


 「長野で“魔法”を使う人間に助けられたと言う者が数名おりまして‥‥‥‥今、自衛隊の中でも魔法の話題が持ち切りですので、もしやと思いご報告をと」


 「魔法‥‥‥」



 また魔法か‥‥‥それが本当なら魔法を使いこなす者がいるということになるが‥‥‥。



 「直接、話を聞きたい! その避難民の所へ案内してくれ」



 テントがいくつか並ぶ避難所で、長野から来た数人の避難民に話を聞いた。



 「それで、その魔法を使う人間というのは一般人だったんですか? 自衛隊員ではなく?」


 「一般人だよ。自衛隊ではなかったと思うけど‥‥‥」


 「どんな人でしたか?」


 「うーん‥‥普通のにーちゃんだったよ。20代後半くらいかな‥‥‥」


 「いや~すごかったんだよ! 炎や雷を操って化物共をバンバン倒してたしさ~いやーかっこよかったね」



 どうやら本当に魔法を使う人間を見たようだ。話をまとめると長野の避難所が化物に襲われているところに一般人の男性が助けに入って数十体の化物を“魔法”で倒したらしい。


 ひょっとして長野の人的被害が少ない原因と関係があるのか? 1人でできるとは思えないな‥‥‥何人か魔法が使える仲間がいるのかもしれない。


 そう考えた俺は岐阜基地にある参謀本部に向かった。


 もし本当に“魔法”が使える人間がいるのなら大きな戦力になるだろう。長野の自衛隊に連絡を取り探してもらいたいところだが今、長野とは通信が断絶している状態だ。


 こちらから捜索班を向かわせるしかない。そのためには‥‥‥‥‥






 年季の入った執務室の扉をノックした。


 「入れ」


 「失礼します」



 机の上で書類仕事をしていた手を止めこちらに向き直った。



 「何か用か? 坂木」



 この岐阜基地合同本部統括、山本空将補に捜索の許可をもらうしかない。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  おー! 自衛隊ファイトー!  物語の展開が、楽しみで楽しみで堪りません。 更新が早くて作者さまの体調が心配な自分が居れば、同時にもっと更新して欲しいと願う自分が居ます。  むう。 悩ま…
[良い点] ガチャ期間は長すぎたけど、正にここからが物語って感じですね
[一言] すごく面白く読ませています。1日1話更新になるのが寂しい自分がいますが、とにかくそれより作者のモチベ維持が大事です。いろんななろう小説を読みあさりましたが年単位で更新されていないものなんてざ…
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