第15話 さよならオレのガチャ
俺は空き地のガチャの前で座り込んでいた。もう何時間にもなる。午前0:00になれば本当に、このガチャが消えるのか確かめるためだ。
そもそも終了するとはどういうことか? 金を入れても商品が出なくなるのか? それとも突然消えるのか? あるいは誰かが回収しにくるのか?
色々な想像が頭をめぐる。
願わくは消えないでほしい。このまま給料をガチャにつぎ込む生活が続いてほしい。
そんなことを考えながら俺はガチャを眺めていた。ガチャから引いた“アメ”は借金した分も含め、全て食べた。
自分の手を見つめて“鑑定”を発動し、自分のステータスを見た。
無職 Lv1
HP 44/44
MP ∞/∞
筋力 21 → 147
防御 15 → 90
魔防 24 → 32
俊敏 17.6 → 22
器用 16.9 → 23.4
知力 23.4 → 30.6
幸運 25.2 → 3990
【固有スキル】
時空間操作 全状態異常耐性
無限魔力 結界防御
重力操作 超回復
女神の加護 剛力無双
神眼
【スキル】 【魔法】
鑑定 (Ⅷ) 風魔法 (Ⅷ)
空間探知(ⅩⅣ) 土魔法 (ⅩⅠ)
筋力増強(ⅩⅠ) 火魔法 (ⅩⅠ)
千里眼 (Ⅶ) 光魔法 (Ⅶ)
魔力強化(Ⅶ) 召喚魔法(Ⅹ)
寒熱耐性(Ⅷ) 雷魔法 (ⅩⅡ)
物理耐性(Ⅷ) 水魔法 (Ⅹ)
魔法耐性(Ⅹ) 闇魔法 (Ⅸ)
魔法適性(ⅩⅠ) 強化魔法(Ⅷ)
成長加速(Ⅹ) 回復魔法(Ⅷ)
隠密 (ⅩⅡ)
俊敏 (Ⅹ)
精密補正(Ⅷ)
威圧 (Ⅶ)
演算加速(Ⅷ)
念話 (Ⅵ)
敵意感知(ⅩⅡ)
模倣 (Ⅵ)
精神防御(Ⅵ)
加護 (Ⅸ)
改めて見ると、とんでもないステータスになっている。
普通の【スキル】の補正は基礎ステータスにかかるのに対してSSRの【固有スキル】の補正は補正されたスキルに倍数がかかるようだ。
たとえば“力”は筋力増強で14→29.4になり“剛力無双”でさらに5倍、147になる。もはやデタラメ、チートと呼べるんじゃないか‥‥‥‥
試しに近くにあった石を強く握りしめた! ヒビが入って割ることができた。その石を上に投げ頭の上に落としたが、まったく痛くなかった。
そして集まった職業ボードは、これだけになった。
職業ボード・勇者 SSR × 3
職業ボード・魔王 SSR × 3
職業ボード・大賢者 SSR × 2
職業ボード・錬金術師 SSR × 4
職業ボード・戦士 R × 8
職業ボード・魔法使い R × 10
職業ボード・僧侶 R × 7
職業ボード・武道家 R × 10
職業ボード・狩人 R × 5
職業ボード・魔法戦士 SR × 4
職業ボード・モンク SR × 6
職業ボード・賢者 SR × 6
職業ボード・魔物使い R × 10
職業ボード・聖戦士 SR × 6
職業ボード・弓使い R × 9
職業ボード・盗賊 R × 8
職業ボード・鍛冶職人 R × 9
職業ボード・暗殺者 SR × 4
職業ボード・大魔導士 SR × 5
職業ボード・探索者 R × 9
この職業ボードの多さが、後々俺の運命を変えていくことになる。
そして午前0時、目の前には何も無かった。目を離したわけじゃない。ただ突然、最初から何も無かったかのようにガチャは消えていた‥‥‥‥‥。
俺は呆然としていた‥‥‥‥こうして10ヶ月に渡る給料を全部つぎ込んだガチャ生活は終わりを告げた。
そして翌日、人類の誰も経験したことの無い大災害が起きることになる。
これで第一章「ガチャ出現編」は終了になります。引き続き第二章も見て頂けるとうれしいです。




