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第二百九十二話 Side美鈴 知らせ

Side美鈴

「祐太いるかな」

「いるわけないでしょ」

「いるかもしれないじゃない」

「美鈴。現実的になるべきよ。祐太は今ルビー級最上位のクエストに参加してるのよ。呑気にホームに帰っている暇なんてないわよ」


 現実的な友人は簡単にそんなこと言ってくれる。それでも私の体は祐太を求めてる。もうそろそろ思いっきり抱きしめられたい。一日中祐太に好きにされたい。そして自分が誰のものなのか教えてほしい。


 何というかエヴィーと二人はいいのだけど、やっぱり女同士と男は違うんだ。そもそも祐太とはもっとたくさん落ち合えるはずだったのに、実際シルバーエリアに入ってみると、正直自分たちも全然帰る暇がない。ようやく帰ってくるのも相当準備が必要だった。


「はあ、早く会いたい」

「やめてよ。私だって我慢してるのよ。そんなこと言われたら本当に会いたくなるわ」

「だってさー。シルバーエリアのブラックさは異常だと思う。まさか四ヶ月半もホームに帰らないなんて予想外。もっと帰るつもりだったのにさ」


 そんなことを喋りながらエヴィーと歩いている。私達はシルバーエリアで悪魔貴族という存在を討伐し、地方領主に領主の地位を平和的(恐喝ともいう)に譲ってもらい、私とエヴィーの最初に与えられた地域を治められたところだ。


 それでもまだ地域であり、シルバーエリアの本来の目的である国の支配などまだまだ。レベルは20上がり、シルバーガチャコインも30枚手に入れけど、先は長い。ガチャ結果はエヴィーがストーン級装備を七個揃え、ブロンズ装備も一つ出た。


 でも私はさっぱりで、虹装備は出てない。まあ私の虹装備は二つ目になると、それだけで勝利確実なぐらいすごいものらしくて、そんなの簡単に出るはずもない。だから自分だけだと我慢できる。


 でもシルバーガチャになるとエヴィーのガチャ運でもストーン級装備が結構出てくるようになる。その横でひたすら外ればかりが出る私。なかなか辛い。


「これって他のみんなと比べて、どのぐらいなんだろう」

「四ヶ月半だと、上がる人はもっと上がってそうよね」

「だよね。特に祐太とか聞くのが怖い」


 改めて祐太と一緒に行動した時は異常だった。レベルは瞬く間に上がるし、変化が大きい。じゃあ自分たちだけになったら全くダメかと言うとそうではないと思いたい。少なくとも私たちのいる世界ではまだ早い方だったんだ。


「怖いけど祐太の今のレベルは知っておきたいわね」

「まあね。そうすると不思議と気合が入りそうな気がするし」


 私とエヴィーは桃源郷の温泉街を歩いていた。湯の華の匂いがしてくると帰ってきたのだという感じがする。まだ六条屋敷がホームになってそんなに経ってないのに、手に入れるのに苦労したせいか自分たちの家だって感じがするのだ。


「祐太ならレベル300を超えてそうよね」

「もうゴールド級とか言ったらどうする?」

「さすがにそれはないわ。シルバーエリアに入らないとそもそもキークエストがないもの。【国を全て支配する】。シルバーエリアでゴールドになるための絶対条件。それをしないでゴールド級になれた人はいないって話よ」

「まあそうだよねー」

「そもそもブロンズエリアでシルバー級がレベルアップするなんて、ありえないことだって聞いたわ」

「まあその辺はどうにかしちゃうのが祐太なんだよ」


 私が口にするとエヴィーもそんな気がするのか反論はしてこなかった。ともかく祐太と離れるこの期間。私たちはこの調子で行くと最低でもシルバーエリアが終わるのにあと二年。さらにゴールドでは五年はかかりそうだ。


 ゴールド級探索者になる。簡単に口にはできるけど、探索者の超上澄みである。そもそも探索者のほとんどはブロンズ級にならないし、さらにそこからシルバー級になるのも一握り、ゴールド級など殿上人だ。


「ルビー級なんかになったらどうなるんだろう」

「もうそのレベルになると国の支配者でも珍しくないわね」

「私達が国の支配者とかなんか笑えるね」


 でもそれが現実になるのが探索者なのだ。そんなことを話してたら、湯けむりがたちのぼる中に六条屋敷が見えてくる。祐太はいないだろうとは思ってる。でも自然と二人とも早足になった。


「ただいまー」

「ただいまー」


 六条屋敷に到着して私たちは玄関から声をかけた。祐太と離れてシルバーエリアで四ヶ月半。白蓮様と会うことができる日が近づいて、私たちは伊万里ちゃんと合流するために帰ってきたんだ。


 祐太もだけど伊万里ちゃんも帰ってきてるだろうか。何気に伊万里ちゃんもかなりハイペースで強くなりそうだ。できれば、それが常識の範囲で収まってほしい。そんな浅ましいことも考えた。私たちは玄関から入っていく。


「「おかえりなさいませ。美鈴様、エヴィー様」」


 そう言って玄関で出迎えてくれる女性が2人いた。首輪をしていてからくり族だとわかる。米崎作のからくり族だろうか。いや、いくらあの男でもシルバーエリアを一人で攻略しながら、からくり族まで造ってる暇はないと思うんだが。


 考えながら中に目を向ける。奇妙なほど人の気配を感じて、10人ぐらい人がいた。


「あれ?」


 ほとんど知らない人だ。それに強い。私もレベルが上がってきて、相手の強さが見ればある程度は分かった。見えるエネルギーがかなり大きい。ゴールド級にルビー級。それ以上の、どれぐらい強いのかもよくわからない女の人が三人。


 そして12英傑の田中がいる……。


「月城様だ」


 よく見ると化け物級に強い三人のうちの一人は月城様だった。


「ひょっとしてエヴィー」

「嘘でしょ。祐太いるの?」


 月城様は祐太と一緒に動いてたはずだ。なんだかみんな楽しそうで、はしゃぐような声が聞こえてきた。



「月城様。本当にこれをすぐに貸し出してもらえるのですか?」


 田中さんが期待を込めたように口にした。玄関エントランスの真ん中に人ほどの直径がある大きな球体がある。宙に浮かんでいて真ん中に桜の木が見えた。


「ええ、約束は守ると言ったはずよ。私は彼との繋がりをより強く求めてる。だから、私が生きている限り、貸し出そうと思ってるわ」


 何だかますます月城様は祐太が好きになってるようだ。まあここまでは予想通り。それにしても月城様と同じぐらい雰囲気のある二人がいる。何と言うか、心配のしすぎか。奇妙なほどその二人を見ると胸騒ぎを感じる。


「ではすぐに移動を!」

「そうだな!」

「慌てるな。まだ半年の刻限が来てないんだぞ」

「しかし対象は日本の国民全てだぞ。引っ越しをする場所も含めて、住居の建設もしなければいけないのだ。【千年郷】は簡単に建物を増やせるらしいが、全国民の移動にはそれこそどれぐらい時間がかかるか」

「森神様はあと一月半こらえてくださるという。あの方の期待を裏切るわけにはいかない」

「そうだな。日本の国民を一人も死なせないことこそきっとあの方の望みだろう。そう考えれば、今から取りかかってちょうどいいぐらいではないか」

「迦具夜、もう今から貸し出してはどうかしら? 祐太君もきっとそう望むはずよ」


 なんだろう。今の『祐太君』という言葉。なんだかすごく親しみがこもってる気がした。


「鬼の方。その方がいい?」


 月城様は祐太の名前が出ると、それでも良さそうだった。



「何の話かな?」

「わからないわ。どうもあのオブジェ、普通のオブジェじゃないみたいだけど」

「でもなんで田中がいるの? 日本って戦争中じゃなかったっけ?」



「田中さんどうしますか? 龍神と天使が目覚められないなら、指揮官はあんただ」

「もちろん貸してもらいたい。でも、本当にいいんですね?」

「ええ、二言はないわ。それに【千年郷】は戦いの役に立つものではないし」

「では時間が惜しい。避難誘導に今回の作戦に参加できてないシルバー級の子たちを動員しよう。彼らも何かしたくてうずうずしてたしね」

「分かりました! すぐに声をかけてきます!」


 一人の男の人が走り出した。私たちの横を通り過ぎて外に出ていく。


「しかし、さすが六条だな。噂には聞いていたが一番遠いユグドラシルからまさか一番で見つけてくるとは! しかももうゴールド級だぞ! 何という子供だ!」

「六条に負けてられるか!」

「そうだ。月城様の状態がそれだけ好転してるなら、慌てる必要もないが、我等も一刻も早く一つは見つけなければルビー級の恥だぞ」

「分かってる。だがこれで最低ラインは超えられる」



「やっぱり祐太いる!?」


 六条の名前が出て私は思わず大きな声を出してしまった。玄関エントランスにその声は響いて、話していた人たちの目線が私に向いた。ものすごく強い人たちの集まりが私を見てる。


《え、エヴィー。ちょっと怖いんだけど》

《もう、あなたは本当にドジなんだから。そういうとこ直してよね》

《すまぬ》


 私に呆れながらもエヴィーも嬉しそうだった。会えると思ってなかった祐太がどうもいるみたいじゃないか。本当にいるよね? 何か手に入れてきたみたいだし、いるんだよね。というかゴールド級。


《予想簡単に超えられたね》

《本当、普通以上には頑張ってるんだけど、そんなんじゃあとても追いつかないわ》

「すみません。あの、六条祐太のパーティーメンバーなんですが、祐太がいるんですか?」


 エヴィーは【意思疎通】で私と喋りながらも、口を開いた。祐太や米崎の真似をして、思考を分割したのだ。私はどうもまだこれがうまくいかなかった。


「あ、いや、すまない。俺たちもまだその辺の事情は知らないんだ。田中さん知ってます?」

「いや、僕もまだ聞いてないな」


《まだ帰ってきたばかりってことよね》

《じゃあ絶対祐太もいるよね》


 帰ってきたばかりで別行動になるわけもない。私たちは期待しながら月城様を見た。この世のものとは思えない美しさ。はっきりエヴィーを超越した美しさ。そんなものがあるのだと思えた。怖いほど綺麗な人だ。


「美鈴さんとエヴィーさんも」

「は、はい」

「何かしら?」

「特にあなたたち二人に話さなければいけないことがあるわ。一番知らせなきゃいけないあなたたちが、私たちとあまり変わらない時期に帰ってきてくれてよかった。田中さんあなたも」

「僕も?」

「悪いのだけど一緒に話を聞いてもらえる? 美鈴さんたちにとって私とだけ話すのは負担でしょう」

「言われなくても彼のことは聞きたかったですし、一緒に聞くのはもちろん構いませんよ。ですがいいんですか? パーティー内の問題なら、僕は一応部外者ってことになるけど」

「祐太ちゃんについては少し込み入った話なの。美鈴さん達だと後で誤解を招きかねないわ。だから聞いてくれた方が助かるの」


 そう聞いて田中さんは頷いた。


《なんだか期待してたのと違うものが来そうだわ》

《だよね。何かあったの?》


「安心して。全員に聞かせられないだけだし、伝えたことをどう広めるかは後で鬼の方と相談してくれたらいいわ。それと先にこれだけは言っておく。六条祐太は死んだりはしてないし、とても元気よ」


 それを聞いてほっとした。ともかく月城様の話を聞くために会議用の部屋へと移動した。


 部屋に入ると私たちはそれぞれの席に着いた。


 知らない女の人が二人、まだいるままだ。女五人に男一人。田中さんは居心地の悪そうな顔になる。会議室の黒いテーブルに飲み物が置かれ、給仕はからくり族がしてくれた。このからくり族はどうやら月城様の所有物らしい。


 私とエヴィーと田中さんが並んで座り、その向かいに月城様、そして、


「大八洲国最高位貴族弁財天よ」

「結構知られてると思いますけど千代女です。忍神と呼ばれてると言った方が分かりやすいですかね」


 自己紹介をしてくれた弁財天様、千代女様。この二人は、どうやら今回の桃源郷の神の座の争いに参加しており祐太と共に行動してたらしい。千代女様は私でも知ってる有名人で、忍の神様と言われてる人だ。


 大昔から日本を裏側で守り続けている陰の実力者。という嘘か誠か噂がある。もう一人の弁財天様は日本だと七福神として有名な神様だけど、大八洲国では代々弁財天家という貴族があり、その名前は受け継がれていくものらしい。


 つまりここにいる人たちは全員神様級の人たちばかりということだ。祐太はどうやったらこんな人たちと知り合いになるんだろう。探索者を始めていきなり龍神様と知り合いになったり、本当に人の縁が濃い男である。


「美鈴さん、まず落ち着いて私の話を聞いてくれる?」

「……」

「美鈴」

「は、はい!」


 月城様の視線が私に向いていた。


「祐太ちゃんから、ゆくゆく正妻になるのはあなただと聞いているのだけど間違いないわね?」

「え? は、はい! 正妻でひゅっ」


 舌を噛んだ。思いっきり舌を噛んだ。探索者でも痛い。


《しっかりしなさいよ》

《分かってるけどさ。いきなりそんなことこんなレベルの綺麗な人に言われたらさ》

《きっと祐太は、またあなたが怒らないようにこの人たちにも言っておいてくれたのよ。恥をかかせないで》

《お、おお……》


 何だろうこの王族と一般人みたいな立ち位置なのに、一般人の方が優遇されてる居心地の悪さ。逃げたい。でもそんなわけにいかない。


「落ち着いて。取って食べようなんてつもりもないし、彼の順番にこだわる気もないわ。それよりも、私は祐太ちゃんとの約束を守らなきゃいけない。どうあっても桃源郷の神の座の争いに勝ち残り、神になる必要がある。できればすぐにでも行動したいの。だから質問は私がしゃべり終わった後。それで三人ともいい?」


 なんというか妙に月城様は丸くなった気がした。こんな感じの人だっただろうか。ともかく三人ともこくりと頷くと、月城様が話し始めた。そしてその綺麗な口から語られた内容は衝撃だった。私は何度か口を挟みたくなる衝動を我慢した。


 伊万里ちゃんが裏切ったという情報。おそらく祐太は【呪怨】から逃れるために10年後に時間移動したという情報。そして現在の日本の状況。祐太が何をしていたか。そして祐太の現在の強さ。それらを聞いた。


「——八英傑側のカインを退け、八英傑から離脱させた。は、はは……私はまだ祐太を甘く見てたのね」

「そ、そうだね。激甘だね」


 最初にエヴィーも喋りたくなるのをかなり我慢してたのか、口を開いた。私はもう何をどう言っていいのか。何をどうしたら四ヶ月半でそんなことになるのか。こっちなんてシルバーエリアで自分達の地域を支配できたところだ。


 それだって結構命がけで、エヴィーと二人で祐太に遅れを取らないようにと必死だった。でもそんなのぶっちぎって遥か彼方だ。これで私が一番で本当にいいの? 私、レベル231なんだけど……。


「全く立場がないな。僕たちが動けずにいる間にあのカインを……。月城様の助力があったとはいえ末恐ろしい子だ」

「ええ、呆れるほどにね」


 田中さんの言葉を聞くと月城様も肩をすくめた。はっきりと分かる。例え帰ってくるのが10年後でものんびりしてたら間違いなく10年後にあっという間に追い抜かれて、追い越されて、置いていかれる。


 そしてせめてルビー級になっておかないと祐太の正妻だなんて恥ずかしくて口にできない。


「祐太について行こうと思ったら、やっぱりこのペースではだめか。12英傑ですら超えるぐらいにならなきゃいけないのね」

「あの、それで、伊万里ちゃんのことなんだけど裏切ったってどういう意味なんでしょう?」


 私は聞いた。あの伊万里ちゃんが祐太を裏切る? そんなことがこの世の中で起こり得るのだろうか? 普通に生きてたらあるかもしれない。例えば祐太が浮気して、伊万里ちゃんの堪忍袋の緒が切れる。


 でもダンジョンの中である。優秀なものは男でも女でもハーレムを築く。それが当たり前になりつつある世の中。宗教的倫理観から来る常識もかなり変化して、伊万里ちゃんもそれで納得していた。


 それ以外の理由で祐太を嫌いになるとも思えない。それに裏切った情報が入ったのは祐太と別行動になって二ヶ月も経ってなかったらしい。そんな期間で一体何が起きるというんだ。


「正直それについては私たちも情報がないわ。祐太ちゃんがルルティエラ様から直接聞いたこと。それ以上の情報は彼も持ってなかった。ただ、祐太ちゃんが行くはずのシルバーエリアの外、ゴールドエリアで急に【勇者】が現れたという情報があったことだけは聞いてる」

「勇者……」

「知っての通り、あなた達のいるシルバーとゴールドエリアがある世界はかなり数が多い。無数にあると言っていいわ。その中で偶然にもこの時期に祐太ちゃんがいるはずだったエリアで勇者が立つ」

「まさか勇者は伊万里ちゃん?」

「ちょっと待って美鈴。それも大事な話だけどそもそも伊万里と行くはずだったドワーフ島よ。そんなことになってるなら伊万里はここに帰ってこないんじゃないの?」


 エヴィーが口にした。私たちは伊万里ちゃんのために帰ってきた。正直、本当なら帰ってきたくなかったのだ。何しろ支配した地域を放置することになるんだ。まだ完全に支配体制も整っていない。


 そんな状況で帰ってくるのは今までの苦労が水の泡になる覚悟をしなきゃならなかった。それでも帰れたのはエヴィーの同郷のアメリカ人の探索者がいて、その人に支配した領地を頼むことができたからだ。


「ああ、どうしよう。海を二人で超えることになるよね」

「かなり無茶だと思うわ」

「でも、白蓮様に会えば、伊万里ちゃんの今の状況がわかるかもしれないし」


 悩んでいたら千代女様が月城様達を見てから頷きあって口を開いた。


「お二人とも、そのドワーフ島へは私が付き合ってあげましょう。12柱が一堂に会する島。私も興味があります。それに祐太さんのためにも東堂伊万里のことは……」


 千代女様はそれ以上言わなかった。ちょっとピリピリして見えて怖かったのだけど、でもレベル900を超えてる人。そして同じ日本人であり、田中さんとも知り合いのようだ。海はとても危険であり、私たちも頼りにできるならしたい。


 エヴィーの様子を見ると顔色が悪い。伊万里ちゃんが心配なのか。ともかく行動方針が決まりかけて、そこに扉を叩く音が聞こえた。


「誰も入ってくるなって言ったのに」


 弁財天様が、ちょっと不機嫌だった。どうしてか月城様以外は不機嫌に見えた。二人とも何かかなり嫌なことでもあったようだ。弁財天様が立ち上がり、何度もドアを叩いてくるから開けた。


「あなた……誰?」

「えっと、あなたこそ誰ですか? 私は六条祐太のパーティーメンバーで"東堂伊万里"ですけど、外の人から美鈴とエヴィーがここにいるって聞いたんだけど、間違えましたか?」


 そして現れたのは裏切ったという伊万里ちゃん本人だった。

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― 新着の感想 ―
美鈴達シルバーにあと2年かかる… 穂積達よりペース遅いのでは…w
裏切りってのも、ルルティエラからの一方的な情報だしなぁー。 これが機械神からだったらわかんなかったけど。 エヴィーたちはズバリ聞くのかどうか。
元首席補佐官殿は接触できたっぽいか、エヴィーと彼女のどちらの引きの強さなのやら。
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