第二百七十二話 ミズガルズ②
「皆さんこっちこっち」
千代女様が呼んでいるのにその姿は見えない。それでもどこに集まれと言っているかはわかった。時計塔の足元。俺ではカインがいるということもまだわからなかった。それでも『カイン』と聞いた瞬間【異界化】で気配を消した。
【異界】は機械神がこのダンジョンという世界を実現させるために利用している異層空間であり、世界のどこにでも存在する。宇宙の始まりから存在し、形を持たず、全てが最小の粒として存在し、常には折りたたまれて隠れている。
言葉にすると意味不明になるが、異界という存在がそういうものだと弁財天に何度も教えてもらった。この【異界】への扉を開き、そのエネルギーを利用することでダンジョンは物理法則に従わない現象を起こすことができるという。
この異界のエネルギーを利用することは、俺はできない。できるのは全ての空間の隣に存在している異界に渡り、隠れる。そのまま異界を通じて、千代女様の示す場所に到達する。異界の中で自分の姿を保つ。
これだけで莫大なエネルギーを消費し、弁財天にあれだけ教えてもらっても長続きしなかった。
「祐太ちゃん。ゴールド級だと【異界化】を長時間唱えるのは無理でしょう。あとは私が受け持つので【異界化】を解いてくれていいですよ」
その言葉を聞いてすぐに解いた。光と物質という概念が本来は存在せず、異界は色がなくて透明だが、すぐに世界が色鮮やかなものに戻る。
「【異界化】はたとえ私からでも隠れられる。でも続きませんね。まあ私でもその魔法は長続きしないんですよ。だから【超自然】にしましょうね」
千代女様が俺に触れた。その瞬間、自分の気配が限りなく消失したのを感じた。自然とその場所に溶け込むように気配が消える。
「これって?」
【自然化】と似たスキルに感じられた。
「【自然化】のレベルマックスで進化するサファイア級スキル【超自然】です。【自然化】の上位互換は【異界化】じゃないんですよ。そもそも【自然化】はスキルだけど【異界化】は魔法です」
「そういえばそうだ」
「ふふん。【超自然】は自分の気配がそこにあることに誰からも違和感を抱かれなくなる。例えば目の前に私が居て見えても、私だと分からず"一般人"に見えるわけです。これが誰もいない空間だったりするとただの木や草、家の一部に見えたりするんですよ」
「見えてるけど見えてないってこと?」
「はい。【自然化】はレベルマックスにするのがかなり難しいんです。レベル1000を超えても【自然化】がレベルマックスになっているのはごく限られた人のみです」
「へえ」
「【超自然】のいいところは周囲にその気配を自然に溶け込ませる。ただそれだけのことだから消費がほとんどありません。でもその場所その場所によって、自分の気配を合わせる必要があり、ただ単に気配を消しているだけではないからこそ極めるのは難しくなるのです」
言葉だけ聞いていても止まってるならまだしも移動して【超自然】を成立させるには、相当な熟練の技が必要になるとわかる。千代女様は俺だけに気配を少しだけ表に出した。それでようやく千代女様が見えた。
その千代女様が先ほどまでミズガルズの一般人にしか見えてなかった。時計塔の下にいたことが最初から見えていたのに見えない。いるのにいない。
「これって蒼羅様の中では教えてくれてなかったよね。俺は使えない?」
もし使えれば俺より上のレベルの人間にでもこっそり近づけるかもしれない。それぐらい俺は千代女様というものを認識できてなかった。
「そうですね。祐太ちゃんだと難しいかもしれません。そもそも隠れることが得意でもない探索者が【自然化】を唱えてるだけでも十分なんですよ。お姉ちゃんとしては祐太ちゃんは、これを極めるより戦うスキルを極めた方が強くなれると思ってます。こういうのは長く生きるようになってから覚えるものですから」
「そっか残念だな」
「何事も得手不得手はありますよ。で、祐太ちゃん、どうしますか?」
「何を?」
「かなり近くまでカインが来てますよ」
「近いのか……」
カインの気配はつかめてなかったが、とにかく隠れて良かった。
「ここにカインがいるのは偶然じゃないでしょう。今の戦争中に理由もなくブロンズエリアで呑気にしているサファイア級はいません。多分カインはカインで、何らかの方法で祐太ちゃんや迦具夜さんがいる場所をある程度特定してるんでしょう」
「カインは迦具夜と俺が目的かな?」
一々甘えるように口にする。千代女様はそうされるのが嬉しそうだった。相変わらずゆがんだ性癖である。『お姉ちゃん大好き』などと言おうものならそれだけで絶頂するのだ。
「はい。そうなりますね」
「どうにかできる?」
「祐太ちゃんもシルバーガチャで優秀な手札を手に入れましたしね。レベル900の女が3人もいれば何とかなると思いますよ」
「それはユグドラシルの神様、アフロディーテが関わらないことが条件だよね?」
「もちろん。残念なことにどうもその女、カインのそばにいるっぽいですね」
「どこにいるの?」
「100mも離れてません」
俺にはまだそれでもカインのこともアフロディーテのことも感じられなかった。
「見える?」
「もうすぐです」
「このまま喋ってて大丈夫?」
「そこはお任せください」
「アフロディーテもいるんだよね?」
真性の神は千代女様にとっても化け物のはず。
「はい。でも、居てもこの件には関わらないと思いますよ。真性の神は自分が司る権能以外への興味が薄いですし、今回は大八洲国の神様を決める儀式みたいなものです。正直、カインですら直接は関係ありません。まあ彼は生まれたばかりだから、それでも関わろうとするでしょうが、愛美神の興味はかなり薄いと思います」
真性の神はどうも俺たちとは考え方が違うらしい。
「祐太ちゃんはどうしたい?」
迦具夜も俺に聞いてきた。
「迦具夜もお姉ちゃんも俺が考えていいの?」
「もちろん」
「お姉ちゃんもそれでいいですよ」
「右に同じ」
これほどのメンバーなのに3人とも俺の意見を中心に行動してくれるつもりのようだ。なぜかといえば俺がダンジョンから異常なほどの執着を受けているからなのだろう。俺は迦具夜を見た。
「私に遠慮はいらないわ。あなたが考えて行動は決めて」
「なら考えなくても、このまま隠れてニザヴェッリルに向かおう」
そう口にした。
「カインには召喚獣がまだ11体居る。どんな能力の召喚獣が揃っているのか分からないし、やっぱり愛美神の存在も気になる。直接は手を出さなくても、愛するカインのために何らかの手助けをするかもしれない」
「了解です。じゃあお姉ちゃんは祐太ちゃんの言葉に従いこのままみんなを隠します。お二人もリラックスしていつも通りでいいですから、私からあまり離れないように気をつけて動いてくださいね」
千代女様は口にすると、俺と手をつないで自分自身も普通に歩き出した。その姿はこれほど近くにいるのに不思議と普通の街にいる女に見えた。これが気配を自然の一部にする極意……。周囲に溶け込み、誰からも認識されなくなる。
ふと気づくと別の女と手をつないでいることに気づく。千代女様がいなくなったことに周囲を見渡した。繋いでいた手を離しそうになりぎゅっと握られる。
「私ですよ」
「……お姉ちゃん?」
「そうですよ。祐太ちゃんは私が誰に見えても、とにかく手をつなぐことだけ忘れないようにしていればいいですからね」
「わ、分かった」
千代女様のはずなのに別の女の人だと思ってしまう。普段人間の脳は100%の映像を脳に届けておらず、ほとんどは脳で勝手に処理された映像が見えているのだという。ある一定の特徴をつかんで映像は脳で勝手に処理されてる。
それを普通に生きてると人間は自分が100%見えていると誤認しているのだ。千代女様の【超自然】はその脳の処理を完全に理解して、誤認を促してまでくる。
「すごいわね。私でもあなたがいるってわからなくなりそうだわ」
「ごめん。ちょっとつかませてね。私でもどこにいるかわからなくなりそう」
迦具夜や弁財天でも千代女様の存在を掴むのが難しいらしい。くノ一のタイトな服の端をぎゅっと2人でつかんだ。
「まあ私は気配を消すことだけに脳の処理能力のほとんどを使い尽くしてます。暗殺にはこれが本当に便利なんですよ」
「怖い人ね。神ですら殺せそう」
「依頼されて二人ぐらい殺したことありますよ。これだけはかなり自信があるんです。たとえそれが真性の神であっても誰であっても相手は私たちがこの街で一般人が普通に喋ってる。それ以上の認識はできません」
米崎も自分の気配を消すのが得意だが、そのかなり上位互換だ。俺も【自然化】は唱えられるようになっているけど、千代女様とは3歳児のおもちゃとプロフェッショナルが使う道具ぐらい性能が違う。
長い年月の中で磨き上げてきた究極の隠密スキル。上のレベルのスキルや魔法になればなるほどただ持ってるだけでは意味がない。そのスキルを極める。青蛙の時に学んだことを再び教えられた。それにしても気配を"読む能力"も俺は千代女様のかなり下らしい。
「お姉ちゃん、カインどこ?」
俺にはまだカインの気配が読めなかった。向こうも気配を消しているということか。
「千代女さん。多分、あれよね?」
迦具夜が俺ではなく千代女様に言った。
「はい。祐太ちゃん、私が肩に手を乗せますからその指の先を見てください。カインとアフロディーテが仲良く歩いてきますよ」
そう言われて慌てて動きそうになりなんとか踏ん張る。いくら自然の中に気配が溶け込んでいるとはいえ、そんな露骨な行動をするのはまずいと思えた。肩に誰かの手が乗ってその指の先を見る。
これが千代女様のものだとそれでも思えない。
なぜか肩に女の人の手が乗ってる。それが不自然だと思えない。催眠までかけられているのか? そんな風に思いながらも指の先を見た。もう5mも離れてなかった。カインは俺が以前見た時はバハムートと融合していた。
しかしネットやテレビでも見たことがある姿はそうじゃない。今の姿が見たことのある姿。欧州を恐怖に陥れた男。筋肉質なのがよくわかる体。彫りが深く冷たく整った顔。頭に少しだけドラゴンの名残のような羽。
綺麗な金色の髪が腰まで伸び、手足は人間のもので、尻尾がある。カインの転生は龍ではない、西洋のドラゴンと言われていた。だからドラゴンであるバハムートとよく融合する。その姿は一度見えるとしっかりと見えるようになった。
見たらわかるのならば、俺が唱える【自然化】よりレベルは高いが、千代女様の領域ではないようだ。隣にいる女性の姿も見えた。あれが愛美神アフロディーテか……。アフロディーテは気配を消すことを手伝っていないのか?
それとも愛と美はいずれも存在を主張するもの。真性の神でも、自分の権能から外れている能力は弱いのか。もう普通に聞いてても声が聞こえるほど目の前にいた。それなのにカインもアフロディーテもこっちを見ていない。
「カイン。今宵はわらわの閨で泊まっていくであろう?」
そう言ってカインにくっついている女。赤色の瞳をした奇妙な女だった。ネイルも赤で髪も赤い。アフロディーテなのだろうか。高貴な雰囲気は漂っている。だが真性の神というにはどこか人間味が強すぎる。
「翠聖様みたいな神々しい感じが……」
「真性神でも必ずしも神々しいとは限らないわ。みんなその時々で気に入っている姿をしているだけよ。今はああいう姿でいたい気分なのでしょう」
俺の戸惑いに気づいて迦具夜が教えてくれた。
「それにしても神様っぽくないよな」
そういう意味ではまだエルフさんの方が神の雰囲気があった気がする。
「カインに合わせてるのでしょう。あまり本来の自分の能力を体に表しすぎると、愛と美なんて一瞬で男を使い物にならないほど夢中にさせてしまうもの」
「なるほど、それは言えてるか」
俺も迦具夜と最初に接触した時、骨抜きにされた。今はそんなことはない。迦具夜も俺の心まで操らないように加減してくれてるのだろう。アフロディーテの赤の瞳が何かを感じたように俺たちをちらっと見た。だが目が合わない。
正確な位置まではわからないようだ。楽しそうに赤い唇をペロリと舐める。2人は俺たちの真横で止まる。止めたのはアフロディーテだ。
「どうした?」
「ふふ」
どうやら彼女は自分の目とは違う。別の認識器官を持っているようだ。
「すまない今はそんな気分ではない」
「釣れないことを言う。もう何ヶ月もご無沙汰だぞ。いい加減拗ねてしまう」
そばにいる。声を聞いていると美しい声なのに寿命が縮む感覚がした。
「大丈夫。絶対にわかってないはずです」
「この女がアフロディーテ?」
千代女様の言葉を聞いて、迦具夜に聞いた。目の前にいる女。手を伸ばせば届く。ここまで近づくことはできてもそれでも俺が分からないのか。
「ええ、私も確証があるわけではないけどアフロディーテでしょうね」
「何をしてるんだ?」
「男と女が二人で仲良くしてるんだからデートじゃない?」
「こんな場所でこんなタイミングで……」
翠聖様のような神々しさではない。どこか禍々しさも感じる。悪神と戦いすぎて、悪いものでも混じったのか? 思わず体に触れたくなるが手を出せばさすがに気づくらしい。
「い、行こう」
俺たちは街を通り過ぎて石畳の街道をしばらく歩いた。人目を避け、街道を外れて森があり、その中に入り込んだ。姿が見つかったわけではなかったが俺にはアフロディーテが怖く思える。
「今になって足が震える。なんだこれは?」
知らぬ間に逃げるようにここまで来てしまった。
「安心して祐太ちゃん。あれは本当に手出ししてきたりしないわ」
「そうか……ならよかった」
情けないが、その言葉に安堵し、震えを止めていく。
「迦具夜。この街の人たちの心を読んだ情報をもう少しくれるか?」
「いいわ。まず五番目の世界・ニザヴェッリルに降りる方法も分かったわよ。どうやら海の下に根が伸びてる場所があるらしいわ。ユグドラシルのフィールドに守られていて海水は入り込まなくなってるの。降りた先には、妖精や黒妖精、巨人、炎をまとった種族、冷気をまとった種族。そんなのがいるって噂されてるわね。悪神は大八洲国と同じで12柱いて、妖神モルガン、小人神レガ、虚言神ロキ、狼神フェンリル、氷神ヘルなんかが有名なのだそうよ」
「迦具夜自身はそいつらのこと全然知らないの?」
「お隣の盤国なら全部知ってるし、足を運んだこともある。会ったこともあるわ。けど、ユグドラシルは幾神かの名をかろうじて知ってるぐらいね。何せ遠いから交流もほとんどないし、もちろん来る前に少しは調べたけど、大八洲国にも大した記録はなかった。まあ私自身の情報は0と言っていいぐらいね」
「そもそも普通に話すことはできるのか?」
俺は悪神もその支配種族も大八洲国ですら出会ったことがない。どういうものか想像がつかなかった。
「この国のことは知らないけど大八洲だと悪神は出会えば終わりね。まず間違いなく殺しに来る。友好的な会話なんてできるとは思わないことよ。悪神の支配種族も私たちとは敵対的ね」
「こっちの人間の心の中に何か情報はないのか?」
「丁度、百年前に降りて戻ってきた人の話は残ってるみたい。その時は真性の神ゼウスの聖地奪還を掲げた軍隊だったそうよ」
「聖地奪還って何?」
「ユグドラシル全体のことを【聖地】とする考え方ね。ルルティエラ様から与えられたユグドラシルという大木。それら全てを聖地とする。この辺は大八洲国でも同じよ。神はそう考えるものなの」
「へえ」
「聖戦にはゼウスの他にもユグドラシルの太陽神アポロンも参加してたし、半神三柱も連れていた大遠征だったようよ。そしてそれでも勝てなかった。世界が生まれた時から神の願いは世界からの悪神の排除のはず。それでも追い出せないなら、悪神もかなり利口で強いのがいるのでしょう」
「戦うのは論外っぽいわね」
弁財天も迦具夜の話を聞いてそう思ったようだ。
「普通に降りた人はいないのか?」
俺たちは三種の神器の一つが欲しいだけで、戦争をしに行くわけではないのだ。
「降りたという伝承はあるけど戻ってきたという伝承はないそうよ」
「それはまた……」
「結構大変そうね」
迦具夜の言葉に俺と弁財天が続いた。とにかく森でじっとしていても仕方がない。下に降りないことにはどんな存在が生きているのかもわからない。行くしかなかった。
「弁財天。狐魅を借りてもいいか?」
「もちろん。狐魅」
「了解です」
すっと地面から10mほどの体長がある狐魅が現れる。白と赤が入り混じった弁財天によく似合う美しいモンスター。背中を差し出してくれたので俺はその背に乗った。
「迦具夜、狐魅に目的地を伝えてくれ」
俺が言うと【意思疎通】で狐魅に迦具夜から位置情報が伝えられた。
「祐太ちゃん。私もご一緒していいかしら?」
迦具夜がそんなことを言ってきた。
「迦具夜が乗るの?」
意外そうに弁財天が言う。自分が乗ろうとしていたような顔をしている。
「ダメ?」
「それは……もちろんいいけど」
弁財天が迦具夜の顔を見て、ため息をつくと頷いた。迦具夜はそのまま俺の前に乗った。
「ふふ、あいのりね。狐魅、よろしく」
「はーい」
「寂しいのか?」
魂のつながりから迦具夜のそんな思いが伝わってくる。覚悟は決まってるし、死ぬ時にジタバタもしない。でもエルフさんというレベル1000を超えた存在が死んだ。死の影が【呪怨】で着実に迫る。そのことを改めて実感したようだ。
俺はぎゅっと迦具夜の体を後ろからしっかりと抱きしめてあげた。
「元気を出せ。お前が弱気だと調子が出ない」
「ごめんなさいね。なんだかこういうのは初めてでしばらくそうしててくれる?」
「いいよ。迦具夜が寂しくなくなるまでこうしておく」
迦具夜がいなくなれば再びクミカと会える。でも、だからって迦具夜がいなくなっていいとはどうしても思えない。狐魅が樹上を高速で駆け出した。ユグドラシルという木によって形成されている景色。
樹皮の上には緑豊かな野が広がり、モンスターの姿も見えた。それに挑んでいる探索者の姿も見えた。いろんなものが生きている。みんな生きていたいのだ。だからこそ自分が消えてしまうことが根源的に怖くなる。
「祐太ちゃん。ねえ」
「うん?」
「……いえ」
迦具夜が何も言わない。
「何でもない」
一瞬希望に満ちた提案をしようとした。でもやめた。それは伝わる。何か言葉を返そうとしたが、今はどれもこれも中途半端な内容にしかならない。それよりは結果で示すべきだろう。なんとかこの女を守ってやりたい。
自分の方が弱いことを思い出すと自嘲した。
そして頭に唐突な女の声が聞こえた。
《カインがニザヴェッリルにいるわよ。気をつけてね。それとロキがあなたに会いたいそうよ》
そんな声だった。





