第二百三十九話 融合
《何を言ってるんだ。そんなこと無理だろ?》
探索者にはレベルというものがある。器は徐々に大きくしていかないといけないのか、レベルが足りていないのに、いきなり大きな力を使えば体が壊れる。それはアグニを使ってみてよくわかった。一撃放つだけで命がけだった。
榊は翠聖様にレベルアップしてもらったというのに、あまりに急激なレベルアップに体がついていかなかったのか、しばらく眠りっぱなしだった。玲香だってマークさんだって、いきなりのレベルアップにはかなり調整が必要だったという。
迦具夜とのレベル差は4倍ぐらいある。レベルは1上がるだけで、指数関数的にエネルギー量が増大していく感覚がある。レベル250と969では数字で表せないような差を感じるのだ。俺が迦具夜の力など使えるわけがない。
《難しいことじゃないわ。私とね。祐太ちゃんの魂を融合すればいいの》
《融合……そんなことしたら戻れないじゃないのか?》
迦具夜の動きにメトと死神は警戒している。つまりそれだけの実力が迦具夜にあると思っているのだ。この世界のレベル900台と迦具夜では意味が違う。かつて雷神は龍神と森神を相手取って戦うことができた。
でも、それは横浜にいるルビー級の探索者がほぼ全員協力したからだ。それでも最終的にはレベル1000を超えた2人に雷神側は押し負けた。しかし500年近い時を生きている大八洲国のルビー級。さらにその上澄み。
大八洲国の貴族でもトップクラスの迦具夜は雷神が言うには、12英傑級らしい。
《心配ないわ》
迦具夜は目の前の二人に怯えた様子がない。
単体ならば迦具夜の方が上なのか?
そんな女が提案してきた言葉。
魂の融合。
南雲さんはかなり危険だというようなことを口にしていた。ドワーフの親方、行慶さんもそんなことを口にしていた。魂を扱うのはリスクがあると聞く。それでも迦具夜の提案は悪魔の提案のように蠱惑的だった。
まだこのレベルの俺がこの2人をどうにかできる……。南雲さんを少しでも助けられる。今、日本中から『お前が死ねば解決する』とまで言われている南雲さんを助けられる。
《もちろん魂の融合は長時間してると多分戻らなくなるでしょうね。レベルの高い私の方があなたを取り込んでしまう。でも10分だけなら大丈夫……と思うわ》
《思うわって……しっかり分からないんだ?》
500年近くも生きてるのに。
《だって私もね。あなたの影にいる女の子やあの鬼を見て思いついたのだもの。危ないし、そんなことしなくても他の方法があるから、すっかり忘れ去られ、廃れた。魂関連はそんな技術よ。でも今すぐあなたがこの2人と戦いたいなら、それ以外方法はないでしょうね》
《あんたは戦ってくれないのか?》
《正直あまりここで私が全力を出すとね。確かに他の国の奴等が怒るわ。ここはまだ私たちにとって手をつけてはいけないはずの場所。ルルティエラ様がそう決めてるのよ。その決まり事をあまり破ると、月夜見様に迷惑がかかるの。お松でもギリギリよ。バレたら白蓮に間違いなく連れ戻されるでしょうね》
《そうなんだ……》
黒桜の奴、リスクを犯して戦ってくれてるんだ。
《しかも私は次代の神になるかもしれないと思われてる。その私が介入したら『ちょっと大八洲国はふざけてるだろ』ってことになるでしょうね》
《俺に力を貸す分にはいいと?》
《あくまであなたが戦うからね。レベル250のあなたに力を与えて、自分は手出ししない。それならOKでしょう》
《向こうが俺たちの真似をしだして収集つかなくなる可能性は?》
《ないわ。1歩間違えば自分の世界を壊しかねないと言ったのは本当よ。それは祐太ちゃん以上に12英傑と呼ばれているこの世界の彼ら彼女らが一番よくわかっているはずよ》
《それはそうだろうな》
でも言ってみれば、今この瞬間なら他から文句は来ないで大八洲国に力を貸してもらえるということか。貴族になってから500年近い迦具夜に手伝ってもらえる。
《可能なんだな?》
《ふふ、そういうこと》
結論は頭の中でほとんど出ていた。どの道ここでなんとかしなければ全員死んで終わりだ。特に目の前の英傑たちにとって俺を見逃す選択肢はありえないようだ。ならどんな方法を使っても、この状況を脱するしかない。
《迦具夜はそれでいいのか?》
《私はあなたを味わい尽くしたいからいいわよ。でも、魂は厄介なの。私でもむき出しの魂になると、かなり無防備になる。その瞬間、あなたが私を受け入れないと、あの二人に私ごと殺される隙を与えることになる。だから、祐太ちゃん、ちゃんと素直になって私を受け入れてくれる?》
《……》
この女は本当に何をするかわからない。取り返しのつかないことにならないか。この状況を脱することができても、その後面倒なことにならないのか。
《どう思う?》
翠聖様が俺に見せた映像を思い出すと、どうしても信用できなかった。この女は残酷だ。自分と自分の気に入ったもの以外の命を気にもしていない。俺は素直になるべきか悩んでクミカに聞いてみた。
《危険ではあります。ですがこの状況で祐太様が死を回避する方法はそれしかないかと》
《……だよな》
《祐太様。クミカがあなた様のおそばにいつもいます。どうか望むままに生きてください》
答えがわからない。やはり悪魔の囁きを聞かされている気がする。だが死亡回避の方法はこれしかない。美鈴とエヴィーを見る。思考を加速させているから、ゆっくり動いて見える。エヴィーはまだ母親をなんとか助けようとしている。
美鈴がエヴィーの妹、ケイスの前に守るように立っていた。俺は自分の腕の中にいるイーダという小さな女の子を見つめる。
《この女の子を助けられるか?》
《無理ね。魂が抜けてる。でも方法はあるわ》
《あるのか?》
《魂を全てあの死神が回収してるわ。あの死神は敵の魂を奪うことができるのね。だから、あの死神を殺せば、生き返るでしょう。もちろん肉体が残っていればだけど》
《死体がいるってことか。クミカ。死んでいるもの全員を回収できるか?》
《あまり大量には無理です。ですが、エヴィー様の家族ぐらいであればなんとか》
《頼む》
クミカが影を渡って俺から離れていく。美鈴たちを回収しに行ってくれた。俺ができればエヴィーの家族の亡骸だけではなく、美鈴達も影の中に入れてほしい。そう思ったことが伝わったようだ。
《10分だけなんだな?》
《そうよ。そうでなければあなたじゃなくなっちゃうもの。そんなの望んでないわ》
基本的にこういう相手は、交渉ごとで1つや2つは隠し事をしている。そのリスクを考えてみる。その嘘が何かも考えてみる。考えられるのは俺との何らかのつながりが、その後も継続することだ。俺がそう考えた瞬間。
迦具夜の心が僅かに揺れた気がした。
《……》
《早くしなくていいの? 私は祐太ちゃん以外守らないわよ。お松もあの二人以外は守れないわよ。それに、まだ他にも守りたい人は結構生きてるみたいよ》
それを聞いて確かに急がねばいけないと気づく。多分まだ米崎と玲香は死んでない。だがメトと死神が迦具夜と戦い出せば生きてられない。迦具夜はきっと俺以外守らずに戦う。いやそれ以前に俺だけを連れて大八洲国に帰りかねない。
《早く決めないと向こうが動くわ》
迦具夜はなんとか俺に早くYESと言わせたいようだった。
それが逆に警戒心を起こさせる。
それでも選択肢はやはり1つしかなかった。
《……頼む。融合してくれ》
《ふふ、了解》
迦具夜が天に向かって手を掲げた。同時に巨大な水球が現れた。何かの攻撃かと思いメトと死神が距離を置く。二人ともかなり慎重になっている。ダンジョンの神に準ずる実力者。
それは侮れないと2人とも俺なんかよりもはるかに知っているのだ。私たちの邪魔をするなと言わんばかりに、水球は俺と迦具夜の周りでどんどん大きくなっていき、先ほどメトが使用した太陽のごとき魔法のような巨大さになる。
それは巨大な湖の水が1箇所に集まったみたいだった。その中にメトも死神も入ってこようとしない。水の中は迦具夜のフィールドだ。メトと死神でもそれに触れたくないんだ。
《これでゆっくりできるわ》
そう迦具夜が口にした。メトが水に赤い炎をぶつける。そのたびに防御でもしているように水球の中に魔法陣が浮かぶ。そこからまたどんどんと水が溢れ出す。水の中、迦具夜が俺の目の前に来る。迦具夜と俺の額が合わさる。
《魂の融合はね。あなたが私を受け入れるという心が大事なの。さあ》
迦具夜から促された。何を望んでいるのかは分かる。うまくいかずに中途半端な融合になれば、意味がなくなる。俺は渋々。いや、迦具夜に対して心を開くように彼女の体に手を回した。
《祐太ちゃん。ずっと一緒にいましょう》
《あ、ああ、ずっと一緒にいよう》
そう口にして自分に迦具夜を受け入れるべきだと言い聞かせる。そうすると完全な上位者である迦具夜が非常に魅力的に映る。これほど美しい女性をどうして嫌うのか。例え何をされたのだとしても許すべき相手だ。
迦具夜の美しさにはその権利がある。
嫌悪感が消えていく。
体の中で何かが混じり合っていくのが分かる。そして迦具夜の体も俺の体も消えていく。消えて、融けて、混じり合い。そして再び形を生み出していく。胴体が形成され、胸が膨らんだのが分かった。
腕が伸びていく。可憐な足が伸びていく。俺の本来の体は男だが、新しく生み出された体は女性のもので間違いなかった。つくべきものがついていない感覚と、ついてないはずのものがついている感覚。
「女になった……」
膨らんだ胸に触れると柔らかかった。股間に触れても何もない。体の周囲に青い炎が揺らめき、纏う羽衣は同じく青い光を放っていた。
「これが六条祐太?」
「う、美しい……」
死神とメトがあっけに取られている。それでも迦具夜が俺をベースにすると言った言葉は本当だった。
《これは……》
迦具夜の力と合わさったせいか、どこか水を思わせる周囲に青い炎。手には刀を握っている。【焔将】と迦具夜の専用装備【国水】が融合して、ルビー級の専用装備となっていた。そして俺の意志で体が動いた。
《祐太ちゃん。このまま私と一つになりたくなかったら10分は守りなさい。10分間だけあなたはこの子達とでも互角以上に戦える。でも半神というのはなかなか死なないわ。間違っても殺そうなんて思っちゃだめよ。池袋に生き延びることだけ考えなさい》
《分かってる。でもこの力なら……》
体の内側から溢れ出してくる高揚感。何という力だ。腕を振る。それだけで大気の層が裂けて、宇宙の黒が顔を覗かせる。ここまで違うのか。確かにこの力があれば、12英傑の戦いにも介入できる。そう思った。
「いける。逃げなくてもこいつらを殺せる!」
《祐太様。しっかりなさってください。力に飲み込まれています。どうか冷静に。多くを求めすぎれば全てが失敗します。今は逃げ延びる。そのことだけが大事です》
南雲さんたちのためにもこの二人のうち1人だけでも殺したい。力を全開にして気配を探る。近くで大きな戦いが1つ起きてる。こちらは池袋だ。さらに意識を遠くに……南雲さんがアメリカにいるのが分かった。
多分、ロロンとゲイルと激しく戦ってる。
森神と天使と田中が一緒にいるようだった。向こうの残りの英傑もそこにいる。沖縄だった。なぜそんな場所にと思ったが那覇島が沈みそうなほどの力の衝突を感じる。他のレベル900台の戦いも起きてるようだった。
一人、千代女様だけがどこにいるかわからなかった。ただかなり離れた場所、ヨーロッパでルビー級の探索者がざわついている。そして1人大きな力が消えた。
《暗殺されてる?》
千代女様がやったのか? そうか。それでカインは早く自分の国に帰りたいのか。
《祐太様。時間はたったの10分です。そのような短時間では、自分たちのことを考えるだけで精一杯のはずです》
この力を思うままに振るいたい。
そうすれば何だってできる。
《落ち着くのです!》
落ち着く?
冷静に?
どうして……、
冷静に……、
冷静になれ。
余計なことをしてタイムリミットが来たら目も当てられない。
今は迦具夜が声すら出さないようにしてくれている。自分をかなり抑えてくれているのだ。それでも限界は10分。それ以上になれば俺の魂が迦具夜の巨大なエネルギーに呑み込まれる。
「退け」
迦具夜が俺と融合する間に防御としていた。大量の水の塊を言葉一つで全て一瞬で蒸発させた。エヴィーたちに危害が及ばないように爆発した水蒸気を全て死神とメトに向けて衝突させる。
「貴様!」
メトがそれでも平気そうだった。死神も同様でこれぐらいの攻撃では効かない。しかし驚きは隠せなかった。
「どうなってる……まさか合体したとでも言うのか?」
「本気で行く。メト、気を抜くと殺されるぞ」
「……わかっている。何があっても逃がすわけにはいかん。しかし、これは正面から戦うのであればまだ良いが、逃げに回られると……」
周囲に浮かんだ無数の炎の槍が俺めがけて飛んでくる。その1つ1つが恐ろしく熱量が収束されたエネルギーの塊なのだとわかる。1000以上あるそれは以前なら1つだけでも激突したら死んでた。
「焔将!」
全ての槍は俺をめがけてきた。それを切り裂いていく。体が言うことを聞く。光にも近づこうかというような動きができる。次々と槍を切り裂き、さらに前に進む。メトが目の前にいた。
つい先程まで押し潰されそうなほどの圧迫感を感じていた。だがそれがない。それと同時に大八洲国の恐ろしさを感じる。たかがレベル250の俺をレベル1000を超えた2人と互角に戦わせることができる。
それをしたのは神ではなく貴族。間違いなくこちらとあちらでは力に大きな隔たりがある。今この場で死神とメトを殺すわけにはいかない。それがわかる。大八洲国以外にもダンジョンの中には国があるのだ。
この力でやりすぎてあのエリアの神々が怒れば、地球なんて簡単に消し飛ばされてしまうのではと思えた。あくまでも内戦で終わらせなきゃいけない。だから俺は迦具夜の力を使って、逃げるのだ。
「狂い燃えろ!」
焔将を振り下ろす。それだけで地面が地割れを起こしたように裂けた。
「太陽のごときメトを舐めるな!」
メトが十字型の武器を出してきた。俺の一撃を受け止める。赤い炎を纏う鎧を着ていた。それはマグマのように煮えたぎり、近くにいるだけでも以前ならばチリになっていたのではないかと思えた。
「貴様。まさか、このメトと炎で争うつもりか?」
「ああ、今この一瞬は俺の方が強い」
さらに剣先がぶれる。一瞬で100度斬りつけた。その全てを受け止めようとして、しかし一撃が抜けて、メトの腕を斬り落とそうとした。しかし、その一撃を死神が受け止めた。
「メトは殺させぬ」
「すまぬ老公」
「構わぬ。やはりあちらの貴族は強い。敵はこやつだがこやつではない。2人同時に行く」
「承知。【フレア】」
「我の声に応えよ。【レヴィアタン】」
地面が盛り上がり何かが飛び出してくる。巨大な1つの目を持つ蛇にも似た魚。地面から飛び出してきた。鎖に縛られている。それがこちらを噛み殺そうとしてくる。【レヴィアタン】は聞いたことがあった。
カインの召喚獣だ。死神に捕まっているのか。この陸地の上で水を操り、襲いかかってくる。その攻撃がメトと合わさり、十字型の武器の中心から破壊の光線が放たれる。先ほどの攻撃よりも、はるかに大きいエネルギーを1点集中。
避けることはできる。
だが攻撃をそらさないと周囲が焼け野原になってしまう。焔将に力を込める。そして一瞬で糸を紡ぎ、1つの大きな布として力を受け止め、さらに焔将を振り下ろすと異界への空間を開く。エネルギーが全てそちらに逃げた。
「何という受け止め方……」
「面倒だ。そして、このままでは逃がすな。やむを得まい」
死神の骸骨のないはずの瞳が光った。
「メト。"カイン"が暴走せぬように見ておけ」
死神はそんなことを呟く。
「老公?」
「確かに面倒だ。しかし殺せぬわけではない。我は死の神。例え誰であろうと殺し尽くして見せよう」
死神の手の上に青白い塊が浮かぶ。それは何か魂の塊のようで、それを見ただけで寒気がする。明らかにまずい気配がした。
「老公! 落ち着かれよ!」
メトが焦って叫んだ。
「落ち着いている。だからこそするのだ」
巨大な魚が空中に浮かんでいる。それが激しく苦しみだした。レヴィアタンを使って何かをするつもりか。今のこの状態の俺でも殺される何か……。
「死神! 貴様何をしている!」
カインが大地が震えるほど叫んだ。レヴィアタンの巨大な体がぎゅっと半分ぐらいに圧縮されて潰れた。それでも血すら滴ることがなく、ボールのように丸く固まっていく。
「私の召喚獣をよくも! 死神よ! その意味、分かっているのだな!?」
「老公! 落ち着かれよ! 今ならまだ間に合う! このままではカインと敵対してしまう!」
「それがどうした?」
「分かっているのか? 敵対すればこちらの有利が大きく崩れるのだぞ!」
「カインよ! 貴様も召喚獣のためだけにこの戦いに参加したわけではあるまい! 良いのか! これから流れる血が全て無駄になっても!」
「死神風情が何を言ってる……」
「こやつは許せぬ! はっきりとわかる! こやつは必ずここで殺さねばならない! 我らの血が無駄にならぬために!」
更にレヴィアタンの体が凝縮され作り出された肉の塊が青白く光り出す。
《これはなんだ? クミカ、いや、黒桜わかるか?》
正体がわからずそれでもクミカも分かるわけがなく、黒桜に聞いた。
《それは……》
黒桜の焦った心が伝わってくる。
「祐太! 【呪怨】にゃ! 逃げろにゃ!」
何かを知ってるのか黒桜が叫んだ。見ているだけで意識が持っていかれそうになる。こちらの魂に直接呼びかけてくるような声が聞こえる。「一緒に死のう」そう口にしている。
「祐太様!」
パンッとクミカが俺の頬を叩いた。
「……なんだ?」
それでもまだ頭がはっきりしない。
「逃げるべきです! この戦いはまだ私たちには早い!」
クミカが目の前で泣きそうな顔で叫んでいた。
「わ、分かった! 黒桜! 離れるぞ!」
《クミカ!》
《完了しております》
すでに俺の意図が理解して、影の中に美鈴とエヴィーを入れてしまった。エヴィーの家族も影の中にちゃんと入れてある。いつか俺はこの死神を殺さなきゃいけない。そんな気がする。ただ今は逃げ延びなきゃいけなかった。





