第二百二十八話 六条屋敷
「祐太、場所間違えてないの?」
「ここであってるよ」
【壱岐洲・桃源郷雲仙温泉六条屋敷】
ついこの間まで俺たちがホームにしていた温泉街。それは雲仙温泉という名前だ。その温泉街に与えられた屋敷には、早速、六条屋敷という名前が探索者用のスマホ地図に表示されていた。どうやら登記簿登録までしてくれているようだ。
そこに到着したのはいいのだが、地図通りの場所に来てその前で立ち往生した。何しろ、
「ここってこの間まで泊まっていたところだよね?」
「うん。そうだと思うけど……」
「おいおい、場所間違えたか?」
「いや、ここだと思うんだけど」
そこは以前まで宿泊していた宿だった。純和風のかなり大きな温泉宿。棟が幾つもあり、部屋数も200室ぐらいはあるのではという大規模な宿だ。貴族が御用達の宿では、貴族が一人だけで宿泊するわけじゃない。
従者のものが数多く宿泊するために、大規模に造られているのだ。その場所がどういうわけか、
【壱岐洲・桃源郷雲仙温泉六条屋敷】
とスマホに表示されている。場所を局長が【意思疎通】で送ってきたとき、同じような場所だなと思ったのは覚えている。
入っていいのだろうか?
いや"宿"はチェックアウトしていないはずだから、とりあえず六条屋敷がどこなのか、聞くだけでも聞いてみよう。そう思った。
「とりあえず入ろっか」
俺は口にして中に入った。全員がそれに続いて入ってくる。それぞれの顔には戸惑いが浮かんでいる。1泊いくらかかるんだろうという高級宿。長い敷石を踏んで、整えられた庭を眺めながら玄関へと到着する。
そうすると2人がいた。
「「おかえりなさいませご主人様」」
切江とシャルティーだ。玄関の前で礼をしている。日本家屋だが、切江は執事服を着て、シャルティーはメイド服を着ていた。帰りに2人がいなかったことを思い出した。どこに行ったのかとは思っていたが、局長がいたので後回しにした。
「2人とも宿に帰っていたのか?」
「はい。そうですわご主人様。本来、からくり族は二層以上に入ってはいけないそうで、角剛様と金剛様はおめでたい席なので咎めるかどうか迷っておられたそうですわ。ご主人様がおられなくなって、すぐに『翠聖様の指示である。門から出て先にここへ向かえ』と言われたのです」
「はあ……じゃあやっぱりここでいいんだ?」
改めて玄関に入り、中を見る。見上げると綺麗に描かれたか絵が格天井を彩る。それは間違いなく、この間まで泊まっていた貴族御用達の宿だ。どうやら隠神刑部様はこの宿をそのまま俺達への褒美としておろしてくれたらしい。
「宿泊していた人たちはどうなったの?」
宿泊しているのは俺たち以外は貴族だけだったはず。退去させるのは大変だったのではないだろうか?
「たぬきの神様は、もともとご主人様にここをあげようと計画していたようですよ。五郎左衆が順調に処理されていくのを耳に入れ、早い段階で、成功した場合のお礼を計画されていたそうです。何しろ自分の命はもう間もなく尽きるということで、それなのにお礼ができないのは申し訳ないと、計画を早められたそうです」
「そうだったんだ」
「何よりもここにずっと泊まっておられるので、気に入ったのだろうと思われたそうですよ。そこで、私たち以外の宿泊予約を順々に断るように指示されたそうです」
「もし俺たちがクエストに失敗してたら?」
「分かりませんが、その時は再び営業を再開したのではないでしょうか?」
「なるほど……」
他にいた従業員の人たちが見当たらずにシャルティーに尋ねた。
「再び召使いとして雇い入れることは可能だそうです。ただ、レベル200のからくり族が2人いるなら十分回せるのだと、前任者からの引き継ぎでアドバイスは受けました。そもそもからくり族の首輪を絶対安全なものとして信用しきるのも良くないそうですわ。ですから、とりあえずは私と切江で維持管理をさせていただこうと思うのですが……、ご主人様それでよろしいでしょうか?」
「無理なくできそうなのか?」
「戦いもありますから無理はしますわ。ですが、探索者の体力です。ご心配には及びませんわ。ね、切江?」
「ああ、ご主人様。心配しないでくれ。ご主人様なら自分で造った本来のメイド用のからくり族もじきにできてくるだろう。それまでぐらいの維持管理はいくらでもできるさ」
「そっか。では任せる」
俺はあっさり任せることにした。シャルティーが今さら裏切るとは思えないし、切江もかなり潔の良い人間のようだった。無駄に足掻くとは思えない。
「「了解いたしました」」
2人が揃って頭を下げた。俺に従うことに抵抗もあるだろうに、この2人は極楽粉の影響が抜けていくほどに、今までしてきたことに対する罪の償い。その側面も入れて、俺に従っていくことを受け入れたようだ。
「ねえ、祐太。ここが全部祐太の物ってこと?」
「みんなのだよ。名前は六条屋敷でもパーティー全体で使えばいいと思う」
美鈴に聞かれてそう答えた。
「はあ、何気にこのご褒美が一番高いんじゃない? こんな宿を建てようと思ったら10億貨は必要そうね」
さらに美鈴が感心している。
「いや。それどころではない。貴族の御用達だった宿だぞ。100億貨出しても建てられるかどうかわからん。あらゆる設備に最新の技術が盛り込まれているはずだ。和室にこだわらなくても洋室への変更も可能。間取りも自在に変更可能。転移門もいくつか設置できる場所があったと思う」
摩莉佳さんが一番反応した。局長の従者として何度か来たことがあるようだ。
「シャルティー。ここのシステムについては聞いた?」
「はい。もちろんですわ。前任者からの引き継ぎは完了しています。頭の中に全てのシステムは叩き込ませていただきました」
「やっぱりすごい?」
「すごいです。八洲の建築技術は地球とは比べ物になりません。どんな構造物であろうと実現可能。脳内のイメージをアウトプットして、AIで最適化した後、再現することもできます。さらに再現された空間はいくらでもカスタマイズできるので、ご要望があればお申し付けください」
「私は洋室がいいんだけどできるって事?」
エヴィーが口にした。八洲に来てから一度としてベッドを使用していない。高級宿の布団なので寝心地は悪くないだろうが、正直ベッドの方がいいというのは本音だろう。シャルティーは俺の顔を見た。
《ご主人様。からくり族の首輪について調べたのですが、優先権を決めていただけるでしょうか? それと誰の言うことを聞いて良いのか。それも決める必要があるようです。でなければ急に体が動かなくなるなどということもあるらしいです》
《ご主人様。俺の方もその取り決めをしてもらえると助かる》
2人が思考を高速化して送ってくる。そういえば角剛と金剛も勝手に2人に命令しようとはしなかった。ここに来るように命令したのも翠聖様が指示したからのようだ。多分、神様である翠聖様の命令はご主人様より優先されるのか……。
《そんなのまであるんだな……》
頭の中でなるべく早く結論を出す。迷ったところで仕方がないのですぐに口にした。
「2人とも。最優先で言うことを聞くのは俺だ。その次に美鈴、伊万里、エヴィーの順番で優先する。他のパーティー仲間は同列とする。他にも通常の社会活動に支障が出ない範囲で人の言うことを聞けばいい。わからない場合はその都度聞いてくれ」
「「畏まりました」」
2人が頷く。
「エヴィー様。少しお待ちいただけますか?」
「勝手にはできないわけね。OK。祐太を優先させて」
「ご主人様。内装の変更はどうされますか? 外観の変更も可能だと教えてもらいました。ただ景観を損ねるので、外からは同じようにしか見えないそうですわ」
「建物自体も簡単に造り変えられるのか……。それなら俺も洋風の方が便利だな。他のみんなにも聞いてあげて。というか間取りも決めなきゃいけないよな」
そういう話になった。結局全員で中に入ると、どこまでの屋敷を与えられたのかも分かっておらず、全て確かめてからということになった。
「かなり広そうだね」
「これを丸ごと造り替えるのにどれぐらいかかるの?」
「イメージさえ明確であれば指定すれば、すぐらしいです。いくつかの見本もありますので、またそれも後でお見せしますね」
「なんかすげーな」
「八洲でもここまでの設備があるのはあまりないよ。多分。屋敷にある全てが最新設備になってるだろうし。ねえ、シャルティー。正確な広さってわかってるの?」
「1万206坪となります。二層に別れているので実質二万坪となります」
「広すぎてイメージがつかないね」
「伊万里。大体、野球場で4000坪だから5つ分よ」
「やっぱシルバーはすげーな」
「初っ端から、こんなシルバー。六条とか一部のトップクラスだけだよ」
「俺らもその一味だろう?」
「まあそうなんだよね」
「家族も呼べたらいいのに」
「八洲に外の人間が入る最低条件がレベル200よ。家族全員ブロンズにレベルアップは誰か死ぬわよ」
歩き回って広さを確かめる。その結果死ぬほど広いということがわかった。そしてやはり宿として造られているので、そのまま住むのに問題はない。今ある部屋を洋室にしたいものはする。とりあえずそうしようということになった。
「祐太。どうする?」
「ううん。それ以前にここってしょっちゅう帰ってくるのかな……」
池袋にある高級マンションも、結局購入したのはいいが、ちょっと利用しただけでそのまま放置状態だ。ましてや、これからシルバーエリアに行くのだ。ここもそうなるのではと思うとあまり気合を入れる気が起きなかった。
「それはそうだね……。土岐に摩莉佳さんどう思う?」
この国の出身者なら何か知ってるかとみんな注目した。そうすると口を開いたのは土岐だった。
「地球出身者だとどうなるのかわからないけどね。少なくとも八洲じゃシルバーもゴールドもルビーも、結構ブロンズエリアを利用するよ。僕も詳しくは知らないけど、実際よく見かけるよね。摩莉佳」
「そうだな。サファイア以上であるはずの神ですらブロンズエリアに居を構えている。そう考えると、真剣に住居を造ってもいいと思うぞ」
とのことだった。となるとちゃんと考えた方がいい。ただ俺はこういうのは最近ほとんど伊万里に任せている。伊万里は何と言うか俺の服選びとか、住まいのカスタマイズとか、そういうのが好きなのだ。
「じゃあ部屋割りを決めて、その部屋は自分で自由にカスタマイズしていいってことにしようか?」
「私賛成」
「私もそれでOKよ」
「私は祐太と一緒がいい」
「伊万里」
「むう。クミカは一緒でしょう」
「俺もそれで問題ないぜ」
「私もだ」
「ただいまー」
「む。おかえりお姉ちゃん」
「……美鈴。いたのね」
「いるもん!」
「米崎はひょっとして知ってたか?」
「何が?」
それぞれに頷いて、そして、途中で米崎たちが帰ってきた。その時だった。頭の中に音声が流れてきた。いつもの女の人の声である。
【まもなく午前0時となります。まもなく半神である隠神刑部様が身罷られます。人と貴族と半神を合わせ1523年の短い生涯ですが、全員黙祷を捧げ、今現在の日常業務を全て停止することを推奨します】
そんな言葉だった。全員が黙った。そして、ただ静かになる。隠神刑部という存在がどこにいるかは自然と把握できた。誰も何もしゃべらず沈黙が場を支配する。そして遠くの方で確かに大きな何かが消えたのを感じた。
神が死んだ。
織田家に近藤家に月城家。他にも三家ほどが今回の神の争奪戦へと参加すると言われている。その中心地が桃源郷であり、この地でもこれから何が起こるかわからない。地球も八洲もどちらも時を同じくして戦争が起きるのだ。
俺たちはそれに口を出せるような実力ではない。それでも、さすがに五層への報復攻撃はもうないと思う。五郎左衆が全て死んでいるのにそんなことをすれば、いらぬ反感を買うだろうし、それは織田家としても何の利益もない。
昔比叡山を焼き討ちしたのは、それをすることによって利益があったからだ。しかしやった結果だけではないが、織田は苛烈すぎて部下に裏切り者が出やすくなった。そしてまたもや神仏が関わること。ましてやこの神は実在したのだ。
仇討とは言え、主犯がいない場所を破壊しに行くとは思えなかった。
だから、狸の神様。どうか安らかに……。
そう心の中で思う。返事などあるはずもなくただ祈る。
「うん」
俺が黙ってる限りみんな黙ってる。だから少しだけ声を出した。
「神様って死ぬとどうなるのかな?」
それで黙るのをやめた美鈴が不思議そうに聞いてきた。
「俺に聞かれても……」
そしてこういう時は土岐と摩莉佳さんに聞くべきだ。今度は摩莉佳さんの方が口を開いた。
「八洲では自然の一部になると言われているな。土や樹木、火や水、風や光、あちこちに神が宿る。だから歴史が長く、力ある神が多い国ほどより上位に君臨する。真性の神が六柱、半神が六柱居る八洲はこのダンジョンにおいてもかなり上位となる」
「国によってランクがあるんですか?」
「あるぞ。八洲の従属国は多い。まあ知ったところで意味はないので詳しくは省くが、従属国が多ければ多いほどランクは上になるな」
「へえ、ダンジョン内の国ってどれぐらい存在してるんですか?」
「わからん。きっと神ですら知らないのではないか。そもそも普通の国なら、100年持てばいい方か。それぐらいで滅びてしまう。大八洲国で3700年。正式な記録がある限りではそうだ。あるいはもっと昔からあるとも言われてるぞ」
「へえ」
一口にダンジョンの中の国と言ってもいろいろあるようだ。そう考えるとシルバーやゴールドは、シルバー以上が100人受け入れるだけである。おまけにそれらの人間は殺し合って、100人が生きているということはないようだ。
「だとするとブロンズにある国の方が、シルバーやゴールドにある国よりも力があるって事なんですか?」
「そもそもシルバーやゴールドにある国は大八洲国がより強大になるための養分だからな」
「養分」
かなり露骨な言い方だ。思わず顔に出てしまった。
「事実だぞ。それが嫌ならこちらを支配し返すしかない」
結局のところこれほど科学の進んでいる大八洲国ですら、エネルギー戦争を続けているわけか。だから余計に大八洲国は『強かろう、良かろう』の気風が強くなるのか。人はエネルギーがなくなれば死ぬしかない。
逆にエネルギーがあれば、あらゆることに手が届く。かつてのアメリカはそれをよく理解していた。それなのにエネルギーの宝庫であるダンジョンに出遅れた。そして出遅れたが故に、今、日本を裏切ろうとしている。
「まあそんな話よりよ。部屋割り決めようぜ」
ジャックがあっさり話題を変えてしまった。
「俺としては六条が100室ぐらい貰って。後は俺、1部屋貰えると嬉しいってところだ」
「ジャック、バカ言うなよ。どんな住宅だよ。俺も1部屋もあれば十分だ」
100室などあったところで使い切れずに遊ばせるだけなのが目に見えていた。王様になるわけじゃあるまいし、そんな場所はいらない。何よりもシャルティーや切江の維持管理の負担が増えるだけである。
「はーい。僕は住居はいらないからさ、1000坪ぐらい研究棟が欲しいな」
米崎が言ってきた。
「いいけど悪巧みするなよ」
「しないよ。するならもっと隠れてするさ」
「隠れてもするなよ。この家でするなら、どんなことしてるか報告ちゃんとしろよ」
「もちろん」
「あと、メイド用のからくり族って造れる?」
「やってみよう。じゃあ一番奥でいいからもらうね。使い方は多分なんとなく分かると思うから自分でやってみるよ」
「あ、困ります。壊したら直すの大変なんですよ」
「シャルティー。ここはもういいから米崎を監視しておいてくれ」
さっさと米崎が自分の場所を決めてしまうと、みんながたむろしている中から抜けて行き、シャルティーが慌てて後を追った。玲香もついて行くかと思ったけど残っていた。まあそりゃ寝泊まりする場所は米崎と一緒ってわけにはいかない。
「私は祐太の隣がいい」
「私もそうしたい」
「右に同じ」
「左に同じってことで」
「ご主人様。俺とシャルティーもあまりご主人様から離れるのは、御用をさせてもらう関係上困ると思いますよ」
「あ、うん。どうしようか?」
美鈴、伊万里、エヴィー、玲香、切江の順番に発言した。そして下手に発言して、この収まっている状況を引っ掻き回す結果になりたくない俺。そこから俺を置いて、女性陣が勝手に話を始めた。
「祐太は真ん中で、正面は私でいい?」
「OK。伊万里はどうするの?」
「じゃあ私は右ね」
「そうすると私は左ってことになるかしら」
「じゃあ私は4番目だしエヴィーの横でいいわ」
「そうなると俺とシャルティーは美鈴様の横の部屋にしておきましょうか? 部屋のカスタマイズはどうされますか?」
「私自分でしたい。祐太の部屋も伊万里がしてあげるね!」
「あ、はい。お願いします」
「美鈴とエヴィーも祐太の部屋は私が造るでいいよね?」
「まあ祐太の好みが一番わかってるのは伊万里ちゃんだし、それでいいんじゃないかな」
「私も文句ないわよ。あと私も自分でしたいわ。玲香は?」
「私も自分で造ろうかしら。やり方教えてもらえる?」
「簡単ですよ。俺もすぐに覚えましたし、きっと奥様方なら簡単に覚えられると思います」
「私はマークと一緒に住むから、六条達とは少し離してくれるとありがたい」
「一対一羨ましい」
「そうなる方法があるぞ」
「どうするの?」
「六条をあきらめるのだ。あれを好きである限り1対1など夢の夢。顔が良くて、これからどんどん強くなることも間違いない。そして女好きだ」
女性陣の話は尽きない。それに摩莉佳さんも参加する。何だか話の内容がとにかく怖いので俺はゆっくりと離れていった。そして脱出に成功した。美少女、美女に囲まれて、真ん中でいるのは何だか怖かった。そして、
「マークさん。摩莉佳さんと2人合わせて2部屋分使ってくれていいですよ」
俺はマークさんに言った。男は男同士。ジャックと土岐もいた。米崎は男だけど、特別枠なのでどちらに分けるのかよくわからない。きっと米崎という生物なのだろう。
「いいのか?」
マークさんは摩莉佳さんが自分から『一緒に住む』と言ってくれたことが嬉しくて仕方がないのか顔がデレデレしてる。
「もちろん。土岐も自分の家があるだろうけど、ここにも俺たちと同じように持ってくれていいぞ」
「おお、太っ腹だね。言ってくれるのを待ってたよ。じゃあ遠慮なくもらうね。職場だと思ってるからさ。嫁を連れてきたりはしないから安心してよ」
「いや、連れてきていいぞ。泊まる時があれば夜が寂しいだろう」
「いいの?」
「いいよ。この1ヶ月ほとんど帰ってないだろ。そもそも大丈夫か? 既婚者だとお嫁さんが怒ったりするんじゃないの?」
その辺のことはよく分からないから聞いた。
「今日はさすがに帰るよ。ガチャを回してからだけどね」
そういえばまだガチャがあった。
次のエリアでどれほどの物資が必要になるか分かったものではない。俺にとっても重要なガチャだ。それから女性陣の話が収まらず、3時間経ってもまだ話をやめないのでストップをかけ、俺たちはガチャを回しに行くことにした。





