第百三十話 Sideエヴィー プラチナ
《リーン絶対に傷つけないようにしなさい! A判定なんて取ったら、祐太達に顔向けできないわよ!》
《分かってる!》
「追いかけるんじゃないにゃ! 黒桜のネコ権を尊重するべきにゃ!」
「ふっ。もちろん尊重する! 悪いようにはしないからとりあえず捕まりなさい!」
ニューヨークの街を黒桜が縦横無尽に駆け巡り、ラーイが追いすがる。ネコの巨体がタイムズスクエアの土手っ腹に大穴を空け、通り過ぎた後が怪獣映画さながらの瓦礫と化す。そのまま美術館の中に逃げ込んで、どんな名画も彫刻も腹の足しにもならんと壊しまくる巨大ネコ。
《ラーイ。こいつ、いっそ清々しいほどの破壊ぶりね》
《ああ、だが、これならば追いつける!》
スピードもパワーも向こうが上のようだ。それでも建物を壊しながらでは当然、全速力は出せない。黒桜とラーイの距離が縮む。
「面倒にゃ! 【烈風】!」
黒桜が魔法を唱えたのがわかった。一瞬、攻撃されると思って、リーンが盾に変形して防御に全振りする。空気抵抗が高まりブレーキがかかってしまうが、やむを得ない。
何しろ白蓮様の飼いネコである。どんな魔法を使ってくるかわかったものじゃない。しかし、黒桜はこちらを攻撃したわけではない。強烈な風が巻き起こるとともに黒桜の5mもある巨体が一気に浮き上がる。そして空へと飛んだ。
「【烈風脚】!」
そしてあろうことか、そのまま空を駆け出した。風を足に纏わせて、まるでジェットエンジンのような推進力にして、走ったのだ。
《リーン絶対逃がしてはダメ! あんな逃げ方されたら追いつけなくなる!》
《大丈夫! 掴んでる!》
私は焦ったが指示するよりも早くリーンが動いていた。伸びたブルーバーが、黒桜の足をしっかり捕らえていたのだ。
「重いにゃっ!?」
リーンと私とラーイ。さらにリーンはブルーバーをビルにも伸ばした。黒桜の体が浮かび上がることなく落ちる。リーンの方は、自分の体に伸縮性を持たせることで、黒桜に継続的に荷重を与え衝撃を吸収している。
《リーン賢い!》
《ふふ、もっと褒めていい》
「な、なんてことするにゃ! 落ちたにゃよ!?」
《余裕。大したことないネコ。名前負けしてる》
「な、なんにゃこいつ!? 腕が伸びるにゃ! ろくろ首みたいでキモいにゃ!」
黒桜はリーンの体が伸びたことにぎょっとする。
「リーンはキモくない」
リーンはキモいと言われてむっとして、投網のごとく広がり、黒桜を捕らえようと伸びた。
「キモい! 【異界反応】!」
ブルーバーの投網が完全に黒桜を捕らえたように見えた。しかし、あろうことかリーンのブルーバーがそのまま黒桜の体を通り抜けてしまった。今の魔法の効果なの? 【異界反応】?
「通り抜けた?」
水の中を通り抜けたとかそんなんじゃない。文字通り幽霊みたいに通り抜けた。黒桜から大量の魔力が消費された動きを感じる。私は魔力に関しては敏感だ。その感覚からいうと、結果の単純さから想像できないほど魔力が動いた。
「あなた今何をしたの?」
「ひ・み・つ・にゃ~」
黒桜が舌を出して逃げようとする。しかし、リーンがその姿に余計にムッときたのか、ブルーバーで脚を引っ掛ける。黒桜がバランスを崩して転けた。
「何するのにゃ!」
「私キモくないから!」
「ふん、お化けみたいで気持ち悪いにゃ! 黒桜のプリティーさとは大違いにゃ!」
「にゃー、にゃー、変な喋り方! キモい!」
「にゃんにゃと!」
「ちょっと黒桜! 前を見なさい!」
黒桜はこける体勢からなんとか立ち直ってそのまま走るが、リーンと喧嘩をして前を見ていない。その先にオーガがいた。
「オーガよ!」
「ふん、そんな見え透いた嘘は聞こえないにゃ」
オーガはまずい。統合階層において奴らは最強だ。大鬼の眷属でもあるらしい奴らは、本当にガチの戦闘民族だ。
《まずい! 主! 怪我をさせるわけにはいかんぞ!》
《ええ、仕方ないわ!》
ラーイが急いで黒桜とオーガの間に入り込んだ。ラーイの体とリーンがとっさにバネを作って、オーガとの間の緩衝材になる。それでも5mある黒桜の体重は凄まじい。
「ネコ?」
なのにオーガは微動だにしなかった。
「痛いにゃー」
私はまず黒桜が傷を少しでもつけてしまっていないかと心配した。
「怪我してない? 大丈夫?」
「大丈夫にゃけど……お前優しいにゃね。黒桜ちょっと胸キュンにゃ」
オーガがこちらを見ている。肌は青色で、腰布一枚。額に角が一本。大鬼と違い、身長は常識的だった。1m90cmを少し超えるぐらい。男らしいがっしりとした筋肉。そのオーガは無言で拳を構えていた。
「ちょっ、待って!【水隔壁】!」
間に入ったラーイに素手で殴りかかってくる。私は高圧の水の壁を作る。オーガの拳が【水隔壁】をあっさり貫く。この拳に当たったらラーイが死ぬ。リーンがビルを掴んで私たちの体を移動させ、オーガの拳を躱す。
拳が勢い余って地面を殴った。地震のような揺れが起きて、地面にクレーターができる。
こいつらはどの個体でもこれぐらいのことを簡単にしてくる。オーガの蹴りが私に飛んでくる。ラーイが庇ってくれて、ラーイの横腹が蹴り飛ばされる。蹴り飛ばされた勢いのままラーイが壁に叩きつけられた。
「うわー。あれは死ぬにゃ。黒桜は悪くないからとっとと逃げるにゃ」
「ネコ風情、さっさと行け。邪魔だ」
オーガは黒桜にはなんの興味もないようだ。
「はいはいにゃー」
《主、私はいいから黒桜を追いかけてくれ!》
《そんなことできるわけないでしょ。飲んで》
マジックバッグからポーションを取り出してラーイに飲ませる。ラーイが身代わりになってあげたのに、黒桜は感謝を覚えるわけでもなく素早く逃げた。
「ちょっとぐらい感謝してもいいでしょう!」
「そもそもお前達が追いかけにゃかったら、オーガにぶつかって無いにゃ!」
「そうだけど!」
せっかく見つけられたのに逃げられる。こんなすばしっこいやつ今度はいつ見つけられるか。いやそれどころじゃない。オーガがこちらを鋭い目で見下ろしていた。
「人間の娘。じっとしていろ。いたぶる趣味はない。楽に殺してやる。もがけば痛いことを続けなければいけなくなる。それは嫌だろう」
「それもそうね」
オーガが拳を構えた。私の手札のどれをとっても、オーガへの攻撃としてはかなり中途半端。オーガはステゴロで強いのだ。拳を振り上げて振り下ろす。私の頭へと向かってくる。そう思ったけど、リーンがブルーバーを伸ばした。
まっすぐにオーガの目と股間に向かって、針のように伸びて向かっていく。オーガが顔を背けて、金的に対しては薙ぎ払った。リーンが更に目を狙ったブルーバーを変形させて、耳の中を狙う。だが寸前で掴まれた。
「お前、奇妙な攻撃をするな。もう少しレベルを上げるべきだが、遠慮のないところが嫌いじゃない」
《主、黒桜は諦める。もうすぐラーイが回復する。そしたらオーガから逃げる》
《わかった。ラーイ、もう乗っていい?》
《いや、主》
《なに?》
《ここで黒桜を逃がすべきではない》
《今は無理よ。ほとんどスピードが一緒だったのに、これだけ遅れたら逃げちゃったでしょ。次の機会に》
《ダメだ!!》
私に向かってハッキリとした意思を送って来た。
《オーガ! 貴様に用はない! どけ!》
そしてオーガに向かって【意思疎通】を強く送った。
「俺にどけてほしければどけてみせろ。言われたからと大人しく横に避けると思うか?」
「ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォッ!!!」
ラーイがオーガに向かって咆哮を上げる。いつも一番聞き分けがいいのに、今日は意地でもここから動かないという顔をしていた。
「へえ、なんだライオン。何かあるのか?」
オーガの動きがそれを見て止まった。ニヤリと笑っている。美鈴から聞いていたが、こいつらは諦めた人間が嫌いで、諦めない人間を好きになってしまう。オーガがこちらを期待するように見ている。
《リーン! 私と合体してくれ!》
そしてラーイが【意思疎通】で叫んだ。
《ラーイ。でも種族進化するためには私と合体しない方が良いって言ってた》
リーンは戸惑う。ラーイは白蓮様から種族進化のきっかけをもらった。だから、今回のクエストでなんとしてでも種族進化を達成する必要がある。だからリーンの力を借りることは不正解だと私達は考えていた。
《構わん! 姉よ! 私のことなど考えるな! 主のことこそ一番だ!》
《ラーイ、でも……》
《早く! また黒桜に逃げられる! この状況ではオーガに殺されるだけだぞ!》
「いいわリーン。ラーイのわがままだけど聞いてあげましょう」
リーンは戸惑うが、リーンのブルーバーがラーイの体全体を覆う。ラーイがエナメル質な青に覆われて、リーンは私をラーイの体から離れないようにだけ固定してくれていた。ラーイが前を見た。オーガがこちらを面白そうに見ていた。
「できれば戦いたくないのだけど……見逃してくれるわけないわね?」
私が言う。この状況でもレベル130の個体もいると言われるオーガに勝てるわけがない。隙を見て、なんとか逃げるしかなかった。
「ふんっ、ボスから言われている。『レベル80以下ならば可能性がある人間を見逃せ』と。『そのほうがあとあと楽しくなる』とな。さっさと行け。あの阿呆ネコ。そこの角でこちらの様子を見ているぞ。まだ間に合うだろう」
「いいの?」
「あのネコはちょろちょろして邪魔だ。さっさと家に帰してやれ」
「そうなの……ありがとう……その、私はできればあなたたちみたいなモンスターとは仲良くしたいわ」
オーガが私の言葉に答えることはなかった。
《主、向こうはまだこちらの様子に気づいていないみたいだ。一気に追い詰めるぞ》
ラーイがグッと力をためる。ラーイが足を伸ばした瞬間、地面がはじけた。一瞬、自分がどこにいるのか分らなかった。景色が流れていくというよりも弾丸のようにせまってくる。ここまでの速さはラーイに乗っていても経験がない。
《ラーイ。あなた、すごいわ》
四足獣であるラーイがリーンに最適化されて走る。そのスピードにもはや地上で追いつけるものなど何もないと思えた。隠れているという黒桜の場所までいく。動くのが遅れた黒桜が目の前にいた。捕まると思った黒桜が、慌てて駆け出した。
「ば、馬鹿にゃ。なんにゃお前ら? 急にスピード出し過ぎにゃ」
黒桜が路地を抜け、ワシントン通りを全力疾走していく。目の前に見えたマンハッタン橋に飛び乗った。そして急激に方向転換をして、
「【烈風】!」
そのまま空へと逃げようとしている。
「【烈風脚】!」
《逃がすか! リーン!》
《OK! 姉に任せる!》
リーンのブルーバーがマンハッタン橋を掴んだ。そしてバネのように伸びながらラーイの体に急ブレーキをかける。ラーイはそれに合わせて弧を描くように方向を変えた。私はラーイに掴まっているだけで精一杯だった。
すかさずラーイが跳ぶ。黒桜の頭まで届いて踏んだ。
「ぶにゃ!? 踏むなんて酷いにゃ!」
黒桜は上空へ飛ぶのもバランス感覚が大事なのだろう。再び地面に落下してしまう。そうしながらだった。
「え? ラーイあなた?」
ラーイの体が白く輝きだしていた。ブルーバーに覆われた体から白い光がもれだしていた。この輝きを私は見たことがある。ひょっとしてラーイが種族進化をしようとしている? でもどうして?
「【幻惑霧】」
このままでは捕まると慌てた黒桜が、また魔法を唱えた。周囲に霧が立ち込めていく。
「なんの魔法?」
私が警戒していると黒桜の姿が十体に分かれた。
「幻影魔法か何か? リーン、ラーイ本物がわかる?」
残念ながら私の目には黒桜の姿がすべて本物に見えた。やはりこういう気配を読むのは苦手だ。
「ごめん無理」
リーンが言う。こちらの感覚がかなり狂わされているようだ。うちで気配察知が得意なのはクーモである。でも、あの子は今囮になってくれている。呼び戻したらほかのモンスターが一気にこっちに来てしまう。
「あばにゃー」
かなり黒桜は余裕そうだ。これでもう絶対逃げられると思ったのだろう。幻覚のすべてから黒桜の同じ声が聞こえてきた。それなのに黒桜は十体それぞれの方向へ逃げようとしている。でも私は黒桜以上の自信が胸に湧き起こってきた。
ラーイの光がどんどんと強くなってきているのだ。リーンと合体していて光が押さえられているから、黒桜は気づいていない。でも、間違いない。どうやらラーイは自分の心の殻を破ったようだ。それは劇的なものでなくて良かったのだ。
もっと速く走ろうとする。たぶんそれが重要だったんだ。たとえ種族進化ができなくなっても、リーンと合体してでももっと速く走ろうとする意志が大事だった。
「いいえ、お前はわかってない。もう逃げられないのよ」
「なんでにゃ?」
私が自信たっぷりに言った事に黒桜は動揺を覚えている。別にハッタリをかましたわけじゃない。実際に黒桜はもう逃げられない。ラーイの白い光がどんどんと強くなっていた。リーンのブルーバーで体が覆われていてもわかるほどだ。
「光ってる? どうしてライオンは光ってるにゃ?」
「見せてやりましょうラーイ」
《ああ、すまない。待たせた。心配もかけてしまった》
その時、私の頭の中に何度聞いたかわからない機械的な女の人の声が聞こえた。
【ラーイは種族進化条件をクリア。ホワイトライオンからプラチナライオンに種族進化】
リーンはもう必要ないからとラーイから離れる。輝くような白の光だった。それが辺り一帯を照らすように弾けた。そしてラーイは今までメスだったのに、オスのようなたてがみが生えてゆく。
真っ白な体の殻が破れたように体の大きさが黒桜以上の巨体へと変化していく。そして尻尾が白銀の蛇になっていた。さらに背中から白銀の翼が生えた。なんとなく分かる。この蛇と翼はラーイの専用装備だ。
「種族進化? ちょ、ちょっと待つにゃ!? 種族進化は反則にゃ! というか、でかいライオン怖いにゃ!」
十体いる黒桜がすべて口を開いていた。象のような巨体を持つライオンに睨まれて黒桜が怯んだ。それはまだ黒桜よりも一回り巨大な白銀のライオンだった。
「反則上等よ! 行けえっ!」
「こ、黒桜のどれが本物かまで分からないにゃ!」
「それは困ったな」
ラーイは【意思疎通】ではなく喋った。しかし、それはライオンの口からではなかった。喋ったのは白銀の蛇だった。
「な、なんだか嫌な予感がするにゃ」
「そうか? 俺はとてもいい予感がするぞ」
ラーイの白銀の蛇が動いた。その姿がぶれて気づいた時には黒桜の幻影がすべて一瞬で叩き潰されていた。
「やっぱり反則! 喋る蛇も怖いにゃ! 捕まるの嫌にゃ!」
ラーイが駆け出す。私はラーイのあまりの速度についていけなかった。リーンがそんな私の様子に気づいて再び私と合体した。私が前を見るとラーイはとっくにワシントン橋を越えて走り出していた。黒桜が車を弾き飛ばしながらハイウエイを突っ走る。
「逃げられると思うか?」
ラーイは余裕で横を並走していた。
「話し合えば分かるにゃ! 黒桜は自由のために走っているだけにゃ! だから、その超怖い顔で追いかけてくるのやめろにゃ!」
象のように巨大なライオンなどド迫力もいいところだった。ハイウェイを走るたびにアスファルトが沈む。黒桜は完全にビビりながら逃げていた。何よりもスピードが桁違いにあがっていた。黒桜がラーイから逃げることはもはや不可能だ。
「やばい! 捕まる! いやにゃ!」
《姉よ! 捕獲は任せるぞ!》
《主、ラーイから離れないようにしっかり掴まってて》
「了解。頑張るわ」
リーンが私から離れる。ブルーバーで精一杯広がったリーン。私はラーイに掴まっているだけで精一杯だった。リーンが黒桜に迫る。
「【異界反応】!」
また何か魔法を唱えた。しかし魔力が動きかけて途中で止まったのがわかった。魔法に失敗したの? かなり難しい魔法を唱えようとしていたのは分かる。なんの魔法か分からないが発動してないことだけは分かった。
「まずいにゃ! ほかの魔法だとケガさせるにゃよね?」
どうやらこのネコ、私たちを傷つけないように気をつけてくれていたみたいだ。私たちもこのネコを傷つけないように気をつけていたが、それは向こうも同じだったようだ。意外と優しいやつなのか?
「ごめんなさい。それでも捕まえるわ!」
リーンがそのまま黒桜の体を包んで身動きを取れなくした。
「う、動けにゃい」
「よし!」
白銀のライオンへと種族進化を果たしたラーイ。主の私から見ても正直、怖いと思えるほどのド迫力だった。まだまだカインのバハムートとかには及ばないけど、それに追いついてきている。
「それにしてもラーイ。あなたオスになったの?」
《いや、たてがみが生えてオスの見た目になったが、メスのままだ》
「そうなんだ。よかった。急に男の子になったのかと思ってびっくりしたわ」
《それはないよ》
そうやって【意思疎通】で伝えてきた。尻尾の白銀の蛇ならちゃんとしゃべれるようだが、それは使わないようである。いまいちその能力は私も把握し切れていないが、蛇が喋れることには意味があるようだった。
私はともかくずっと囮をしてくれていたクーモを呼び戻した。クーモは姿を消しては、あちこちで建物を壊したりして自分の方にモンスターがくるように、かなり頑張ってくれていた。
【視界共有】で死にかけたりしていないかだけは確認していたので、そのことだけは把握していた。クーモを手元まで召喚する。クーモの赤い体が現れた。
「ありがとうクーモ」
クーモの胴体から血が流れている。ポーションを飲ませてあげる。頭を撫で、キスをしてあげる。クーモはなんだか照れているようだった。この子がほかのモンスターを引き寄せてくれていなかったら、黒桜捕獲どころじゃない。
リーンがいてくれないと本気のラーイに乗っていることすらできなくなったし、本当に召喚士は召喚獣がいないと何もできないのだなと改めて思った。
そこから私たちは、ほかのモンスターに襲われる前にと、クーモが全員を透明化させる。大声を出そうとする黒桜をクーモがどうやったのか知らないけど気絶させて、白蓮様のもとへと向かった。





