第百話 伊万里の母
ダンジョンから出てくるたびに、自分の今までを整理しているような気がしてくる。その中でも伊万里の母親である小母さんの所を訪ねるかどうかはかなり考えた。毎月20万円の仕送り。それが小母さんに対して親父がやっていたことだ。
親父がどうしてそこまでしたのかは知らないが、離婚してからそれも途絶えてしまった。それを俺が代わりにしている。なぜなのか問われると、自分でもよく分からない。なんというか、どうしても小母さんを見捨てる気になれなかった。
このままお金を振り込むだけしておいて、会わないのなら、俺にとって20万円程度の出費は痛くもかゆくもない。それでも向こうにとっては欲しくてたまらないお金らしい。
「そんなことを考えながら、結局来てしまったな」
俺はとある老朽化の進んだアパートの三階にある一室の前で、電話を鳴らした。すぐに小母さんは電話に出た。俺が今住んでいる場所とは比べるべくもない。サビの浮いた手すり。壁が所々はげて、さすがに建て替えなくていいのかと思った。
『祐くん。ああ、電話してくれるなんて嬉しいわ』
その声は媚びるような声だった。昔はこんな声ですら心地いいと思っていたのだ。人に優しくされることに飢えていたんだ。
「小母さん。今からそっちに行こうかと思うんだけどいいかな?」
『今日?』
「うん。というか、今扉の前に居る。無理ならこのまま帰るけど」
『え? あ、大丈夫、大丈夫よ、ちょっと待ってね』
古いアパートの扉の前。家族を捨ててここに住んでいる小母さん。親父が用意したあのマンションよりもはるかにボロい場所。親父や俺たちの何が嫌でこんな場所に移ったんだろう。そう思えるぐらいうらぶれた場所だ。
中で何かを片付ける音とバタバタする声が聞こえる。男もいるのだろうか? 自分でもこんな所へ来るのは馬鹿だとわかっていた。でも池本を殺してから、一つ一つ自分のことを整理している気がした。
親父とも区切りがついた。あとはこの人だという思いが、どこかで俺の中にはあったのだ。なんのために払っているのかもよく分からない20万というお金。それがどうなっているのかも確かめておきたかった。
「ど、どうぞ」
「へえ、お前が千草からよく聞いてた“ゆう君”かよ。なかなか格好良い男じゃねーか。親に捨てられたガキだっていうから、もっと汚いガキかと思ってたぜ」
上から下まで無遠慮に見てくる嫌な視線。小母さんの横にコタツに足を突っ込んだ頭の悪そうな男がいた。スキンヘッドで歯が欠けている。背中に入れ墨をしているのがちらちらと見えた。隠す気はないようで、むしろ見えるようにしている。
小母さんはこの男が親父よりも良かったらしい。小母さん自身は相変わらず綺麗な人だった。伊万里とよく似た少し垂れ目の可愛い人。伊万里と同じで、身長はあまり高くない。
それでいて豊満な胸の持ち主で、50歳も近いだろうと思うが、美魔女という言葉がよく似合う女性だ。
「お前は誰だ?」
俺は男の方に目を向け言う。どう見てもやくざ者にしか見えなかったが、だからといってかけらも怖いとは思えなかった。この場でたとえこの男が拳銃を持ち出したとしても、どうとでもできる自信があった。
「はは! 粋がったガキだな! まあ悪くないな。千草。こいつがいつもお金を振り込む優しい男。お前のガキかよ」
「ちょっともう出ててよ。これお金」
と言って小母さんは1万円を男に渡していた。
「千草~どうして俺が外に出なきゃいけないんだよ。いいじゃねぇか。こんな面のいい男なかなかいないぜ。俺とも話しさせろよ。おいガキ。そこらに適当に座れよ。酒飲めるか?」
部屋の中はお世辞にも綺麗とは言えなかった。強引に端に寄せているだけの衣類。カップラーメンや酒の空瓶。ゴキブリがいるのが見えた。今自分が住んでいる場所とは雲泥の差だった。小母さんの家事能力の低さは相変わらずのようだ。
この男が片付けなどするわけないから、この部屋も納得だ。その逆に伊万里は結構な綺麗好きで、部屋は常に清潔に保たれていた。今の部屋になってからはインテリアにも凝りだして、少しの間しかいないのに掃除を趣味みたいにしていた。
「いいえ、未成年なんで」
飲めたけど、酔っ払ってこいつにムカついて殴り殺してもまずい。さすがに一般人を外で殺したら色々面倒だ。にしても小母さんは相変わらず男の趣味が悪い。伊万里は小母さんが出て行った当初、小学生の頃だ。
小母さんに対する未練がまだあったのか、何度か会いに行っていた。それでもそのたびにひどく落ち込んで、帰ってきたのを思い出した。なるほど、この男を見たら落ち込むに決まっているな。
「そんな細かいこと気にすんなよ。酒なんて飲めるって思った時から飲めばいいんだ。ほら」
適当なプラスチックのコップになみなみと日本酒がそそがれた。自分より下の人間を見つけて威張ることでしか自分を示せない。それ以外は自慢がないような男。子供に酒を勧めることが何か格好良いことだと思っているのだろうか。
「いらないです」
俺はプラスチックのコップを受け取ろうともしなかったし、この汚い部屋で腰を降ろそうとも思わなかった。
「固い奴だな。そんなことじゃ女にモテねぇぞ」
「そんなことはどうでもいいから、あんたは外に出てくれ」
「出てろだ? おいおい、お前本当に俺のこと舐めてる? ああ!?」
男が凄んでくる。その仕草が池本を思い出させて、俺をイライラさせる。頭のてっぺんから股まで美火丸で叩き斬ってやりたい気分だ。
「いらないと言えばいらない。それだけだ」
立ったまま見下すように言った。
「プッ、このガキなんか威張ってるぞ」
「お前にガキ呼ばわりされる謂れはない。お前は目障りだと言ってるんだ」
「面白いガキだな。俺にそんなこと言ってくる奴は初めてだぜ」
そう言って男はタバコを取り出して吸い始めた。ぷはーとこちらに煙を吹きかけてくる。面倒になってきて、窓から下に落としてやろうかと思った。しかし、ここは三階で、そんなことをしたら下手をすれば死んでしまう。
「ねえ、ちょっとの間だけ出ててよ。この子の機嫌損ねたくないの」
小母さんは俺のお金がよほど当てになるのだろう。俺の味方のようだった。
「たかが15のガキだろうが。何か偉いとでもいうのかよ」
「あなたと違って真面目に頑張ってるの」
「何言ってるんだお前? 俺は探索者だぞ」
「はあ、 一度だけダンジョンに入って、それ以来入ってないでしょう? いつになったら大金持ちになれるのよ。夢ばっかり語ってないで普通に働きなさいよ」
「ちっ、うるせえ!」
男は急に大声を出した。突かれたくないところを突かれたようだ。以前ならばこういう声に怯えてすぐに縮こまっていた。いつ殴られるかと心配ばかりしていた。でも、悪いが修羅場は結構超えてるんだぞ。とは内心で思いながら、それを顔に出すことはなかった。
「なあ坊主。なんでそんな金持ってんの? 15歳で毎月20万とか無理だろ?」
「それはあんたに答える必要があるのか?」
探索者ということは誰にも言うなと小母さんには言っていた。支援する見返りにそれだけは守るようにと念を押していた。それが守られない場合は仕送りはなくなるとも言ってある。探索者で金持ちだと、たかってくる輩がいるからだ。
小母さんもその辺はさすがに弁えたのか、家族を捨ててまで付いて行ったこの男にもそれは教えてなかったみたいだ。
「そりゃ俺に教える必要があるぜ」
「どうしてだ?」
「あの金な。俺がほとーんど使ってるんだよ。なあ俺にもっと金くれよ。お前が働いている場所より、もっといい仕事紹介してやるからよ。どうせお前、モデルかなんかしてるんじゃねえの?」
「いい仕事?」
「へへ、なあゆう君よ。男娼やれよ。男娼。お前ぐらい面が良ければ、いい客を俺が紹介してやるからよー」
小母さんはこの男の何を好きになっているんだろう? こちらが15歳だとわかっていながら、そんな仕事を勧めてくる。その顔はかなり本気のように見えた。
「なんで俺がそんなことをするんだ?」
「モデルより儲かるって。悪い話じゃねーだろ? 欲求不満の女の相手をしてるだけで、お金がいくらでも入ってくるんだぜ? おまけにしたい放題だ。お前、その歳だとしたいだろ? 伊万里も誘ってやれよ。昔はガキすぎて無理だったが、今ならいい女になってるんじゃねーのか?」
「おい」
俺は手を出した。男の首を握りしめた。俺が何者かは言わない。だが、力を見ればなんとなく察するだろ。そのまま体を持ち上げた。
「グッガッガッ」
「お前は勘違いが多い男だな。そんなことじゃ今の時代、早死にするぞ」
「グエッグ。ガッ、ジヌッ!」
首が苦しくて何も言えないみたいだった。このまま絞め殺してしまったほうが世のため人のためだ。さらに力を込めた。
「ゆう君! ゆう君! ダメ! 死んでしまう!」
「小母さん……。この男、伊万里に何かした?」
「してない。大丈夫よ。あの子がここにきてたのは小学生の頃よ。大きくなってからは来るなって言ったし、あの子もそれは分かってて来てないの」
「そうか……」
仕方がないので解放した。
「げほ、げほ、よくもやってくれたな、このクソガキ!」
一丁前に怒っているらしい。殴りかかってきたので、よけることもしなかった。アリストの効果で全ての攻撃は手前で止まるのだ。ちなみに俺は美火丸も完全装備してきた。正直言って過剰なのだが、どこで何があるかわからないのが世の中だ。油断は禁物である。
「はあ? な、なんで当たらないんだ? これなら!」
探索者というものが本当にわかっていない男だった。拳が届いてないのにどんどん殴ってくる。男の手から血が出てきても、俺が平気な顔をしていると、さすがに男は一歩下がった。アリストを破るダメージ100はこの男の攻撃力ではどれだけ頑張っても出せない。
「畜生! このバケモン!」
男は部屋の右の方にあったタンスを開けた。そして引き出しからドスを取り出してきた。
「ちょっとあなた、何してるのよ!?」
小母さんがさすがに金切り声を上げた。これから刃傷沙汰でも起きると思ったんだろう。だが、そんなものは起きない。起きるわけもない。
「小母さんいいから」
「おいクソガキ! 大人を舐めすぎなんだよ。綺麗な顔しやがって人生で苦労も何もしてないんだろ? その顔に傷をつけて苦労ってものを教えてやるよ!」
「ゆう君、この人、今日はちょっとおかしいのよ。一晩頭を冷やせば元に戻るから、明日。明日また来てちょうだい」
「なぜ俺がそんなことをしなきゃいけない? おいアホ、さっさと刺してこい。お前のせいで出直すなんて面倒で仕方がない」
「な、なんなんだよお前!?」
刃物をちらつかせて凄んだら、みんなビビってくれたのだろう。でも俺はそんなことがまったくなくて戸惑っているようだ。刺青男はまだこちらの正体が分からないみたいだ。破れかぶれに向かってくる。
ドスが俺の顔にそのまま吸い込まれた。しかし刺さらなかった。アリストによって、またその手前で防がれた。人を刺した経験はそれほどないのか、しっかりとドスを握ってないから下に落ちて自分の足を切っていた。
「いて! 痛え!」
「気がすんだか?」
「嘘だろ? 俺は確かに刺したぞ」
「そんなものは刺さらない。お前のへっぴり腰じゃ一生かかっても無理だ。俺の顔に傷をつけたかったら、もっと腰に力を入れて全力で斬りかかってこい。一発で殺す気合いが大事だ。まあそんなことしてきたら本気でやり返すけどな」
「お前、ひょっとして探索者か!?」
鈍いな。きっと今までは威張り散らしてたらどうにかなったんだろうな。そのせいで危機管理能力が欠如している。
「俺はお前のようなアホが嫌いだ。どうして俺が命をかけて得た金を、お前みたいなアホのために出さなきゃいけない? 小母さんに二度と関わるな」
「ゆう君。何言ってるの? 私その人がいなかったらダメなのよ?」
「知らん。こんなアホが居ないと生きていけないならもう人間をやめておけ」
小母さんの方をはっきりと睨んだ。そうすると息を呑んで黙った。
「おっさん。お前はこの家から出て行け。いいな?」
「へ、へへ、 なんだよ、坊ちゃん。好きだって千草が言ってるんだ。邪魔するなよ」
こちらに勝てないことはわかったのか、今度は中途半端な笑いを浮かべてこっちを見てくる。こちらが若いと見て適当にやり過ごすことにしたのか?
「ついて来い」
俺は男の胸ぐらをつかんだ。
「な、何するんだ?」
無理やり引きずった。服が破れて刺青が表に出てくる。龍の刺青をしていた。だからどうしたと思う。刺青で人が殺せるわけじゃない。刺青が刀を振り回すわけでもない。俺はそのまま人気のない高架橋の下の空き地まできた。
そして美火丸をマジックバッグから取り出した。
「おいおい、ちょっと待って落ち着け、落ち着けって。わかった。お前の言う通りにするって。千草にもう近づかなかったらいいんだろう?」
「そうだ」
俺が美火丸を軽く振ると、空き地にあった。冷蔵庫が真っ二つになった。そして燃え上がった。
「だが、嘘は許さないぞ?」
「嘘じゃない。嘘じゃないってば。で、でもな。いいのかよお前」
「何が?」
「探索者の知り合いぐらい俺だっているんだぜ?」
「おっさん。やくざの下っ端だろ?」
「あ、ああ、そうだ。俺は確かに下っ端だ。だが、最近のヤクザは探索者バックに付けているもんなんだよ。お前、知らないか? レッドの兄貴だ。レッドといえば、この辺のチンピラは全員ぶるって逃げて行くぜ。俺はそいつと知り合いなんだ。いいのか? レッドの兄貴は中レベルだぜ」
レッド。流星王レッド。トップランキングの1000位だ。雷神傘下で素行が悪いことでも有名な探索者だ。たしかホームが浅草寺である。本当だろうか? いや、こんな世の中である。探索者の知り合いの一人や二人は本当にいるかもしれない。
だが、その探索者がこの男のために動くかどうかが問題なのだ。
「だからどうした? お前みたいな下っ端を庇うためにレッドが事を構える? どうしてだ? お前はそいつの弟か何かか? 言っておくが、嘘をついたらそいつに殺されるぞ。俺も浅草寺には知り合いがいる。その人に確かめてもいいんだぞ」
「……」
「レッドとどういう知り合いなのか教えろ」
「昔の仲間……で、小学校の頃は遊んでた」
「今は?」
「今は……何年も口も聞いてない」
この男もやくざ者をやってきているのだ。探索者に対して、バカな嘘をつけば、どんな目に遭うのかは知っているんだろう。もしくは俺がレッドの知り合いだと考えたのかもしれない。
「お前、俺のことを坊っちゃんだと言ったな? 俺がなんの修羅場もくぐってないと思ってるのか? そんなくだらない脅しで、逃げ帰るとでも思っているのか?」
「いや、その、悪かった。殺さないでください」
男の体がいつの間にか震えていた。小母さんも何か落ち着かないのか、そわそわしていた。
「じゃあ出て行け」
「はい」
「本当に分かってるな?」
「あ、ああ、も、もう睨まないでくれ。怖いんだ」
いつの間にか相手の心が折れていた。探索者を前にすると、一般人はとにかく恐怖を感じるという。あまりにレベル差がある相手から殺意を向けられると、目の前に猛獣が座っているような気分になるらしい。
「二度と俺の視界に入るな。お前なんぞに金を使われていたと思うだけでもイライラしてくる」
「わかりました。すみません、本当にすみません」
男は脅威から逃げ出すように走りだした。
「小母さん」
「は、はい!」
どうやら殺意が小母さんの方にも向いていたようで、とてもいい返事だった。
「真面目に仕事して、もうちょっと真面目な男探しなよ。その間のお金は出してあげるからさ」
完全に殺意は収めた。小母さんはしばらく怖いものを見るような目をしていたが、やがて正常な状態に戻って答えを返してきた。
「真面目な男……」
「そうだ。あんな男、何人連れてきたところで俺が認めない。今回と同じように追い出すだけだ。わかった?」
「自信がないわ。気づいたらあんな男がいつも好きになってるの。自分でもダメだって思うけど……」
自分でもダメなことをしている自覚が少しはあるようだった。それなのに、どうしてあんなのが好きになるのだろう。
「何度連れて来ても良いけど、俺が見にくるたびに叩き出す。それだけだ」
「ゆう君変わったのね。こんなことができるようになっちゃうなんて。まるでお父さんみたい」
そう言われてイラッとした。
「親父とは違うつもりでいる」
「そうね。ごめんなさい。はあ、私もちゃんと生きていかなきゃいけないのね」
「小母さん。一度でいいから、伊万里のためにも真面目にやってくれよ。俺は小母さんのためにやったんじゃない。伊万里のためにやってるだけだ」
「あの子、元気にしてる?」
「してるよ」
伊万里は、母親に探索者をやることは言ってなかったはずである。
「あの子、せっかく合格した高校に全然興味がないみたい。どうせあなたについて行くんでしょうね」
だが、それ位の事は分かるようだった。
「おばさん。もし良ければダンジョンでレベル上げしない?」
俺は不意に頭に閃いて口にしていた。小母さんのこの男の趣味の悪さは自分への自信のなさからくるものではないだろうか。それならば一度レベルを上げてみたらいいのではと思ったのだ。
「私が?」
「ああ、レベル3までなら。付き合ってあげるよ。そうしたらおばさんも生きて行く道が見つかるかもしれないだろ」
「ダンジョン……私が……。さっきのヤクザ崩れの男なんだけどね。五年前はこの辺で本当に幅を利かしてたの。夜のお店からみかじめ料も簡単にもらえて、それを中抜きしたお金で、私たちは悠々自適に暮らせた」
「小母さん。本当に碌でもないね」
「でも、ダンジョンが現れて急に変わった。『俺はヤクザだから頭を下げろ』ってある探索者を相手に言っちゃってね」
「へえ」
「組ごと叩き潰されたわ。あの人拳銃まで持ち出したのに当たらないの」
「だろうね」
「私もちょっとレベルを上げたら何か変わるのかしら?」
小母さんはどうしてなのか、わからない。でも本当にやってみるとうなずいた。そしてその日そのまま小母さんはダンジョンに入り、レベル3にまで上がった。伊万里程のレベル上げはできなかったが、回復系のジョブが出て、10万円の回復ポーション程度の回復が使えるようになった。
それで小母さんの目は少し輝いていた。
「ありがとうゆう君。私、もう一度頑張ってみる」
「良かったよ。伊万里も喜ぶ」
「伊万里は最近私に全然連絡くれないの。今はどこで何をしているのかもわからない。でも、もう一度あの子と話し合えるぐらいには私も真面目に生きなきゃね」
自信なさそうに言いながらも、小母さんは前を向こうとしてくれているんだと思った。
ちなみに米崎との予定が合わなくて、そっちは少し先延ばしになってます。





