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第5話 本性

 僕は下駄箱であった一連のことを 思い出しながら教室まで足を運んでいた。

 あの悪魔のような笑みを浮かべた白川先輩はなんだったのか、そして、女神の笑みをする白川先輩と悪魔の笑みをする白川先先輩、どっちが白川先輩の本性なのか、ずっと考えているが答えが出ない。

 教室ついて中に入ると、すぐに桐谷に絡まれた。


「よお!朝からラブラブでしたなぁ」


 どうやら朝の白川先輩とのやり取りを見られていたようだ。


「朝から白川先輩と何を話していたんだ?なぁ、教えてくれよ」


 このままメアドを交換していたなど言ったら、中々面倒なことになると思ったので、無視し、自分の席で愛読書であるラノベを読むことにした。桐谷も何も聞き出せそうにないと思ったのか、諦めて自分の席で顔を伏せて寝ていた。


「あの、青山くん!」


 しばらくラノベを読んでいると、誰かから声をかけられた。このクラスの人間で僕に声をかける人間が桐谷以外にいたか? と思いながら顔を上げると知ってる顔があった。


「昨日は本当にありがとうございました」


 黒咲さんだった。


「いやいや、本当に気にしないでよ、黒咲さん。最初にぶつかってノートを落としてしまったのは僕の方なんだし、ノート運びを手伝うくらい当たり前のことだよ」

「そうですか、じゃ、じゃ今度!」

 キーン、コン、カーンコン

「はーい!席に座って~」


黒咲さんが何かいいかけた瞬間、予鈴が鳴り先生が入ってきた。


「黒咲さん今なんていいかけたの?」

「いえ!その、…なんでもないです!」


 そう言うと黒咲さんは急いで自分の席に戻った。本当になんて言おうとしたんだろ?


 昼休みになるといつも通り僕は購買にパンを買いに行こうとして教室を出ると


「青山くん!」


 なんと白川先輩がいた。てか、四階に教室があるはずの白川先輩が2階のこの教室の前に既にいるってどうゆうこと!?さすがに速すぎない?!これはもはや1種のホラーだ。


「青山くん、一緒にお昼食べない?」


 目の前のホラーな事態について考えてると白川先輩がお昼を誘ってきた。まぁ確かに恋人同士なんだし、一緒にお昼を食べるのは当たり前かぁ、ラノベ(参考書)にもそういうシーン多いしな。


「ええ、良いですよ。でも僕、お弁当持ってきてないんで、先に購買行ってきます!何処かで待っていて下さい。」


 そう言って僕は購買へ行こうとすると


「青山くん、その!」


 先輩に呼び止められた僕は、先輩の方を見ると、あの白川先輩が頬を赤く染めながら、上目遣いで僕の方を見ていた。なにこれ、めっちゃヤバイ、今にもこの女神に対する崇拝の言葉を叫びそうになったが、ギリギリのところで理性が勝った。


「これ、食べてくれませんか?!」


 そう言い先輩は包みに包まれた長方形の形の箱を僕に渡してきた。

 ま、まさかこれは


「あの、これってもしかして」

「うん、お弁当だよ。青山くんに食べて欲しくて、今日、朝早く起きて作ったの」


 やはり弁当、しかも手作り弁当、だと!

手作り弁当なんて物を現実で見ることになるなんて、あんなのラノベや漫画だけのフィクションの物だけだと思っていた、その上、あの白川先輩が作った手作り弁当なんて!

 僕は今、第三者にここはフィクションの世界だよ、と言われてもなんら疑問を持たない。

 

 「あっありがとうございます!白川先輩!」

 「どういたしまして、喜んでくれて良かったわ。とりあえず座れる場所に行きましょう」

 「はい!」


 僕と先輩は屋上でお弁当を食べることにした。


 「いただきます!」

 「はい、召し上がれ」


 お弁当の開けて見るとそこには素晴らしい光景があった。肉と野菜のバランスが適度にとれており、野菜はさまざまな色の野菜を使うことによって見映えを良くしており、サイドを置かれたリンゴはウサギ型に切られている。1種の芸術作品と呼べる品物であった。こんなお弁当を食える俺はなんて幸せなんだ!

 そして見た目も素晴らしかったが、味はそれ以上に素晴らしい!てか、これを作った白川先輩マジすげぇ!さすが、唯一僕が3次元で愛することが出来た人、全てが完璧過ぎるぜ!


 「青山くん、美味しい?」

 「はい!最高です!」


 即答だった。


 「また食べたい?」

 「はい!食べたいです!」

 「ずっと食べたい?」

 「ずっと食べたいくらい美味しいです!」


 そう言うと先輩は少し僕を近付き顔を伏せた。その時背中に悪寒が走った。


 「じゃあ、青山くんの為に毎日作ってあげる。毎日毎日毎日毎日、青山くんの為に、青山くんに対する私の愛を込めて込めて込めて込めて全てを込めて作ってあげる。」

 「せ、先輩?」


 僕はあの下駄箱の時と同じ寒気を感じた。まるで銃を突きつけられてるかのような恐怖を感じた。顔は見えなくて分からないが、おそらく、下駄箱の時のような悪魔の笑みをしているに違いない。僕はそう確信した。


 「だから青山くんも他の女からお弁当を貰ったり、奢ってもらったり、デートしたり、浮気したりしては駄目だよ。私が一生、青山くんを愛し続けてあげる。だから、青山くんを私を愛し続けてね!もしも青山くんが他の女から愛を貰ったりしたら、私のこの愛をどうやってぶつけたら良いのか分からなくなっちゃうからね」


 その悪魔のように静かで暗い声の言葉を聞き、僕は下駄箱の一連のことを思い出して分かった。分かったてしまった。完全無欠の女神のようなこの先輩の本当のことを。

 白川先輩は完全に心が病んでる、それでいて以上なほどの愛を持ってる、つまり白川先輩の本性は


     ヤンデレだ!

最近、更新する頻度が落ちてきたな~と思いながらもなんとか更新することが出来ました。

今回でやっとヤンデレという本性を書くことができ、これからやっとタイトル通りの話を書いていけると思います!これからも是非ともよろしくお願いします!また、感想や指摘があったら是非、お願いします!では次の話を楽しみにしててください!

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