第25話 本音と建前
お久しぶりです!
約10日ぶりの更新となりました!
テスト前、最後の更新となります!
しかし、皆さんに楽しんで貰えるように書きましたので、是非とも楽しんでいって下さい!
「良かった、来てくれて」
「???」
先輩の言ってる意味が分からなかった。
自分の下に来てと言ったのは先輩だ。その先輩が安心するとはどういうことだ?
「先輩、それってどういうことですか? 呼んだのは先輩じゃないですか?」
「それは…………いや、何でもないよ、気にしないでくれ」
僕の疑問に対して、先輩が何か言いかけたようだったのだが、結局、軽く苦笑しながら、そう流した。
「分かりました。このことは綺麗さっぱり忘れるとします」
言いながらも、僕の頭には、何か言いかけた時の、先輩の悲しみを帯びた顔が焼き付いて忘れられない。
「とりあえず、先輩は何で僕のことを呼んだんですか?」
「あ、あぁ、その前に一つ確認して良いかな?」
「何ですか?」
何故だろう、よく分からないが悪寒がする。
「私たちって恋人同士よね?」
「まぁ、一応」
「一応?」
「全身全霊、まごうことなき先輩の恋人です!!」
「そうだよね」
どことなく嬉しいにしている先輩だが、今、僕にはそんな美しい笑みを浮かべる先輩を鑑賞する余裕すらない。
正直、続きを聞くのが怖い。
「だからね、その、明日、デートしない」
「……………………」
何も言えなくなった。
いや、確かに、恋人同士がデートに行くのは当たり前のことだし、僕も行きたいと思う。
とても、魅力的な提案だ。魅力的な提案だが、
「す、すみません。明日はちょっと用事があって、い、行けません」
断るしか僕には選択が無かった。
ここでokをしてしまったら、今までの努力が水の泡になってしまう。それだけは、避けなくてはなら無い。
「ふ〜ん。それは、恋人とのデートより、大事な用事?」
そして予想通り、先輩はご立腹の様だ。
あからさまに表情を変えたとかではなく、先輩の纏ってる雰囲気が変わった感じ。
正直、ちょっと怖い。
しかし、同時に当たり前の反応だと思う。僕だって、デートに誘ったとして、断られたら、残念気持ちになる。例えそれが、大事な用事があると分かってもだ。
しかも、それが初デートの事となると尚更だ。
これは、生半可な理由でもない限り、先輩の怒りを鎮める事は出来なさそうだ。
「その、先日に母方の祖母が亡くなってしまい、その、葬式に行かなくてはならないんですよ!」
「…………………そう、なら仕方が無いね」
お婆ちゃんごめんなさい、勝手に死んだことにしまいました。
でも、とりあえずはお婆ちゃんのお陰で何とか凌いだ様だ。
先輩も一応は納得してくれたみたいだ。良かった、良かった。
「一つだけ、聞いて良い?」
「何ですか?」
「大事な用事って、本当に御葬式?」
全然良く無かった。思いっきり疑ってる。
ついでに言えば、先輩の瞳から光が消え失せている。
これはあれだな、ミスった瞬間僕の命は無くなるな。そう確信出来る。
「ええ、そうですよ!」
「嘘偽りは?」
「欠片もありません!それに、僕だって、先輩とデートしたいですよ!」
そう言うと、先輩は一瞬驚いた表情をすると、とても小さく一瞬だが、確実に笑みを浮かべた。
「分かった、とりあえず今は君のその言葉を信じるよ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、デートはまた今度にという事で」
「その時は、僕の方から誘わせて貰いますね」
「ふふ、その時は私が驚く様な誘い方を期待してるね」
先輩はまるでイタズラっ子の様な笑みを浮かべて、中々重いプレッシャーを、期待と言う言葉と共に僕に与えてきた。
「ハハハ、僕なりに努力はしてみます」
正直、隙が少ない先輩を驚かすなど、難題だ。
渇いた笑いしか出てこない。
「じゃあ、私は部活に行くね」
「はい、頑張って下さい」
先輩は僕に背を向けて、道場の扉に向かって行った。
「勇気を出して、誘ったのにな」
道場に入る時、先輩が何か呟く様に言ったが、聞こえなかった。
何故か、胸の辺りが痛んだ。
しかし、その原因は僕には分からなかった。
読んでいって下さい!
どうでしたでしょうか、今回の話は?
楽しんでいって貰えたでしょうか?
楽しんで貰えたなら嬉しいです!
最近、早く春休みになってくれることを切実に祈っています!
そうしたら、執筆する時間がとれる筈なのに!
まぁそれは置いておいて、今回も、感想や指摘がありましたらどしどしお願いします!
そして、これからもよろしくお願いします!




