第23話 二人
こんにちは!
何か一週間かけずに更新するなんて、久しぶりな気がします!
そして、今回はいつもより、約二倍増量してあります!
是非とも楽しんで読んでいって下さい!
約束の日の一日前。つまり土曜日の朝、僕は普段通りに目覚めた。
中学の頃だったら、休みの日である土曜日は十時くらいまで寝ていたんだが、高校に入ってからはそんな生活が出来なくなっていた。
うちは学校は何気に進学校であり、その為、土曜日でも午前中は授業がある。
部活がある連中からしたら、どうせ学校に来るのだから丁度良いかもしれないが、部活に入ってない人たちからしたらいい迷惑だ。
そして、部活に入る気がない僕からしてもいい迷惑だと思っている。
たった午前授業のためだけに学校に行くなど面倒でしかない。平日の午前授業なら大歓迎だ。
いや、やっぱりそれだと、白川先輩からお弁当が貰えなくなってしまうので、平日の午前授業は歓迎しない。
まぁ、とりあえずそんな理由ため、いつもの僕なら現実逃避のため二度寝でもしていたが、今日に限っては二度寝をする気にはなれなかった。
何故なら、明日、黒咲さんと出かけるというにも関わらず。どこに集合するかとか、何時に集合するかなど、何も決めていない。
というより、約束をした日以降、まだ一度も話していない。
正確に言うなら、黒咲さんは何度か話かけようとしていたが、先輩に知られると困る僕としては、人の目が多い中で話すのは危ないと思ったから気づかない振りを続けた。
もちろん、僕も話掛けられるタイミングを探していたのだが、周りに人がいなくなるタイミングなどは、中々なかった。
昼間は論外だし、放課後も部活などで人が多い。朝も朝練のため人それなりにいる。
しかし、この土曜日の朝に限ってはそのタイミングができる。
土曜日はどの部活も朝練はなく、僕のように行くのが面倒だと思っている人が大半のため、いつもよりも、みんなの登校が遅いのだが、黒咲さんは委員長ということで、例え土曜日でも、登校が早い。
だからこそ、この土曜日の朝だけは、人の目を気にすることなく話せるチャンスだ。
ゆえに、僕も早くに行かなくてはいけないため、いつも通り二度寝するなどということができない。が、土曜日の早起きなど、あまりしないので、とても眠い。急いで顔を洗わなければ、強烈な睡魔に負けて、寝てしまいそうだ。
しかし、ここで負けてしまえば、もう話すチャンスなどない。
そう自分に言い聞かせ、重い体を動かした。
顔を洗い、朝飯を食べると、いつもより速い足取りで、学校に向かった。
学校に着いた僕は一直線に教室へと向かう。
やはり、土曜日の朝とあって、校内にはほとんど人がいない。
しかし、僕は信じてる。黒咲さんなら、いると。あの真面目な黒咲さんなら、まだ人がほとんど来ていない、この時間でもきっと来ていると。
だから、教室に着き、扉を開けて、黒咲さんの顔を見たときに、僕は心の底から安心した。
「ど、どうしたんですか? こんなに早く登校してくるなんて」
僕が心のから安心していると、驚いた顔で僕の方に歩いてきた。
「明日、どこで集合するかとか、何時に行くかとか決めて無かったからね。一度話とかないといけないと思ったんだけど、まともに話せる時間がこの時間帯しか無くてね」
「あ、その、ありがとうございます! 私の為に、いつもなら、時間ギリギリに登校してくる青山君がこんなに早く登校してくるなんて……大変じゃ無かったんですか?」
「ま、まぁ大変ではあったけど、他にも話タイミングがあったにも関わらず見過ごしてきた僕のせいだからね、自業自得だよ」
流石に、白川先輩に知られると殺されるかとしれないから、怖くてタイミングを見送って来たなんて、正直に黒咲さんに話すことは出来ない。
「い、いえ。私も誘った時に言っておけば良かったし。そもそも、そう言うのは私の方から相談しなくてはいけないとことでしたので、私の責任でもあります」
「いや、でも、黒咲さんは僕に話をかけるタイミングを伺ってくれてたじゃないですか」
「っ! き、気付いていたんですか?!」
あれ? これはひょっとして、僕はミスをしたんじゃないか?
そう思った時には既に時遅しだった。
「それは、その、聞こうとしてたんだはなく、いや、聞こうとしてたんですけど。ただ話をしたかった、いや、そうでもなくて! 私何を口走って、 え~と、え~と」
「ちょ! ちょっと落ち着いて! 落ち着いて黒咲さん!」
「青山君!私、私!」
「分かった!分かったから落ち着いて!」
「分かっちゃったんです?!その、気付いちゃったんです?! そんな! 私はどうすれば!」
「ごめん!黒咲さん!気付いてない!やっぱり全然分かったないから!何も分かってないから!」
「あっ、なら良いんです」
「切り替えり速いね!」
黒咲さんはあっさりパニック状態から戻った。
結局、黒咲さんが何を気にしていたのかも分からなかったが。何故だか、分からないな方が良い気がしたので、考えないようにしよう。
「まぁ、落ち着いたことだし、集合時間と場所について話そうか」
「はい。それなんですが、八時半に市山駅に集合で良いですか?」
「あっ!もう、決めていたんだね」
「はい。でも、それを誘う時に伝えるつもりでしたが、忘れてしまいすみませんでした!」
「いや、それについてはもう大丈夫だから、謝らなくて良いよ」
「ありがとうございます。私のせいで」
「本当大丈夫だから。話進めようか?」
「そうですね。それで、青山君はこの時間でも大丈夫ですか?」
完全に冷静さを取り戻した黒咲さんが、真っ直ぐ僕の目を見て聞いてきた。
「うん、僕は大丈夫だよ!」
「分かりました!ではそれで、明日はお願いします!」
「分かったよ」
正直、7時半とか言われたら、いつもの生活的にキツいため。折角決めてくれた、時間をちょっと遅くしてもらおうと思ったが、そうなら無くて良かった。
「…………………」
「…………………」
話し合いが終わると、完全会話が止まってしまった。
教室には、未だに僕と黒咲さんしかいないから、中々気まずい。
そのせいでお互いに顔を見つめるだけの状態になってしまった。
しかし、それも数秒したら、黒咲さんの方が気まずさに耐えかねたのか、頬を赤く染めて下を向いてしまった。
何か言うんだ僕!この気まずい空間をうち壊すんだ。男らしいところを見せろ!
「あの黒さ………」
「あっ!そういえば、 先生に呼ばれてるんでした! ちょっと職員室に行ってきますね!」
僕が言葉を言おうとした直後、気まずいがMAXになった黒咲さんが明らかに嘘であろう用事を言って、教室を飛び出てった。
「あっ!」
声を掛けようとしたときには既に黒咲さんの姿は無かった。
「情けないないなぁ。僕」
女子に気を使わせてしまうなんて、本当、情けない。
どうでしたでしょうか?
今回の話は楽しんで貰えたでしょうか?
楽しんで貰えたなら嬉しいです!
今回は増量しましたが、これからも、時々増量して書いていきたいと思います!
そして、徐々に増やして行けるように努力します!
是非ともこれからも、よろしくお願いします!
また、感想や指摘がありましたらどしどしお願いします!評価もしてくれたら嬉しいです!
では!また次回を楽しみ!




