第22話 平和
お久しぶりです!
一週間ぶりの更新です!
今回はちょっと面白いシーンは少なめの話となりましたが、楽しんで貰えるように書きましたので楽しんでいって下さい!
逃げるように家に帰ってきた僕は、当初の予定通りアニメ鑑賞に浸っていた。
にしても、まさか黒咲さんに遊園地に行こうと誘われるなど、思いもしていなかったが、正直に言えば僕だって嬉しく思っている。
高校に入ってから出来た数少ない友達と遊びに行くなんて、中学の僕からしたら考えられないことである。
だからこそ、ここで二つの問題は浮き上がる。
一つ目の問題は、黒咲さんが僕がオタクであることを知らないことだ。
もしも、黒咲さんにとって、高校で出来た初めての男友達がキモオタだと知ったら黒咲さんはどう思うだろうか?
僕が黒咲さんに嫌われるくらいなら良い。
だが、もしも黒咲さんがそのショックから、男性恐怖症にでもなってしまったら、例え、それを言わなかった僕に非があったとしても、僕には何もできない。
僕自身、初めて出来た女友達が度し難い変人だったら、一生女性恐怖症になると思う。
だから、黒咲さんに僕がオタクだと告白するタイミングは大切だ。
教えないという手もあるが、黒咲さんは僕のことを友達と言ってくれた。
僕も黒咲さんことは友達だと思っている。いや、思いたい。
それに、嘘をつくのは黒咲さんに対する侮辱でもある。
だからこそ、僕はそんな黒咲さんに嘘をつくことは出来ない。
そして、問題は二つ目だ。
僕は、あくまでも友達と遊びに行くだけである。
そう、友達としてだ。
僕はそうゆう意識でいるし、黒咲さんもそうだろう。
しかし、先輩がこのことをどう思うだろうか。
まだ、一度もデートをしたことがない彼氏が、自分とは違う女と遊園地などという、デートに定番の場所に遊びに行っていることを知ったらどうなってしまうのかなど、分かりきっている。
「間違えなく殺されるな、僕」
それだけは、避けたい。僕の命の為に。
しかし、バレないようにするにはどうすれば良いのか?
「う~ん」
しばらく考えてみるが全く思いつかない。
「 まぁ、なるようになるか」
これは、もう神様に祈るしか他ないだろう。
このまま、僕が考えた所で良い案が出るはずもないだろうしな。
よし! そうと決まったら、気晴らしにギャルゲでもやるか!
そう思いギャルゲを入れてある、棚に手を伸ばしたが。
「あれ、ここに置いておいたはずだけど、どこに行った?」
そこに置いてあったはずのギャルゲが無くなっていた。
そのギャルゲは僕が初めて買ったもので、悩んだ時などにやると、気持ちを落ち着かせられるもので、大切に置いてはずなのだか、何度探しても無かった。
「あっ! この前にまとめてゲームを売った時に売ったのか?! うわぁ、なにしてんだよ! 僕は。あのゲームを売ってしまうなんて」
「うるせーよ!興奮して変な声を出すなよ! オタク!」
「出してねーよ!」
売ったゲームに後悔していると、隣の部屋の主である柚希が怒鳴ってきた。
そして、別にオタクであることは否定しないが、別に名前ではねーよ。
たくっ、兄の名前もまともに呼ばないなんて、嫌な妹に育ってしまったことだ。
昔はよく、一緒に遊んでいたりしてたのに。
まぁ、柚希のことはどうでも良いとして、やりたいギャルゲがない以上、ラノベで気を紛らわすとしよう。
明日の事は、明日の僕に任すとしよう。
次の日、僕は驚いた。
しかし、それは別に先輩に知られて殺されかけたとか、いきなり黒咲さんから、遊園地の件を白紙にしてほしいとか言われた訳でもなく、二人に僕がオタクであることを知られた訳でもない。
むしろ、いつも通りだった。
いつも通り、ラノベを読んで過ごし。授業を受け。昼休みには復活した先輩からお弁当を貰い、そのお弁当を一緒にたわいもない話をしながら食べて。楽しい時間を過ごした後は午後の授業を受けて、学校が終わると、先輩は部活のため僕は家に帰った。
昨日みたいに帰りに黒咲さんに声をかけられることもなければ、先輩が保健室に行ってたりとかもなかった。
あえて、何かあったと言うならば。黒咲さんが何か言いたそうに、僕の方をちらちらと見ていた事くらいだ。
しかし、面倒な事になると思ったため、僕の方から何か聞くことはなく、気付かないふりをした。
途中に桐谷から。
「お前、黒咲さんに何かした?」
と聞かれたが。
「何もない」
と悪びれもなく、僕は嘘をついた。
変わったことはそれくらいであり、それ以外であり、平和な1日だった。
そして、その平和な日常は、約束の日の1日前にまで続いた。
読んでくれてありがとうございます!
どうでしたでしょうか?
楽しんでいって貰えたでしょうか?
楽しんで貰えたなら嬉しいです!
そして、次から話は更に展開していくつもりですので、これからもよろしくお願いします!
また、いつも通り、感想や指摘がありましたらどしどし言って下さい、お願いします。
評価などもしてくれたらありがたいです!
では、また次回




