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第21話 涙

まず、最初に一言。すみませんでした!

かなりお久しぶりの更新となってしまいました!


しかし、今回も楽しんで読んでいって貰えるように書きましたので楽しんでいって下さい!



 「ん?」


 振り返ると、そこには黒咲さんが立っていた。


 「あの、今、少し時間をいただいても大丈夫でしょうか?」


 どうせ、急いで帰った所で、やることなど、アニメ鑑賞するくらいだし、別にいいか。

 それよりも、こんな場面が前にもあった気がするんだか、まぁいいか。


 「構わないけど、何か用?」

 「ありがとうございます。実はその、あの」


 何かを言おうとしているようだが、言葉が上手く出ないようでいる。

 十秒程待つと黒咲さんは数回深呼吸をした後、これから戦場にでも行くのではないかと思えてしまうような、覚悟を決めた顔をして僕の顔を見た。


 「では、青山君!」

 「は、はい!」


 いきなり大きくなった黒咲さんの声に驚いて、声が少し裏返ってしまったが、黒咲さんは特に気にする様子はなかった。

 というか、気にしてないというより、そもそも、僕の声が聞こえてないようだ。


 「その、今度の日曜日に」

 「はい!」


 何故か僕の中で緊張が高まる。正直に言って、全校生徒の前でスピーチするよりも緊張している。

 今この、緊張の糸が途切れたら、漏らすかもしれない。


 「これ!一緒に行ってくれませんか?」

 「はい?」


 あ。漏れた。

 いや、間違えた。漏らしてない、断じて漏らしてなどいない…………本当だよ。


 「え~と、これって?」

 「私のお姉ちゃんから貰った、遊園地のチケットです」


 そう言う黒咲さんの手には二枚のチケットがあった。


 「何で僕に?友達とかと行かなくてもいいの?」

 「それは、その、このチケット、男女ペア専用だから」

 「それって所謂、カップル専用なんじゃあ」

 「そ、そうなんですけど。どうしてもここの遊園地に行きたいけど、私には、恋人とかいないから」

 「なるほど。だから、適当にカップルのふりをしてくれる人に頼んでる訳か」

 「そ、その通りです!このチケットを使えば、安い料金で入れるので」


 確かに。チケットには三割引きと書いてあり、遊園地に行きたい黒咲さんとしては、使う手はないだろう。

 しかし、そうなると別の疑問が浮かび上がる。


 「でも、何で僕なの?他の男友達は誘わなかったの?」


 こんなに可愛い黒咲さんの頼みを、クラスの男子が断るとは、想像できないのだが。


 「それは」


 黒咲さんは再び下に俯いた。


 「私、男友達がいなくって、まともに話したのも青山君ぐらいで」

 「あっ…………ごめん」

 「い、いえ。別に青山君が悪わけでも無いですか」

 「まぁ、まぁまだ高校が始まってから1ヶ月ちょいしか経って無いからね。仕方が無いよ!僕も二人しか友達だから!」


 一体僕は何を口走っているのだろうか。僕自身全く分からない。


 「その、何かありがとうございます」


 止めて!お礼なんて言わないで、僕の心がおかしくなっちゃうから!


 「あ、うん。とりあえず、そういう理由なら、僕何かだから良ければ付き合わせてもらうよ」


 僕がそう言った途端、黒咲さん顔が笑顔に満たされた。

 てか、やっぱり黒咲さんの笑顔眩しいよ。別に本当に光に当たってる訳でも無いのに目がチカチカしてくる。


 「ありがとうございます!本当にありがとうございます」


 黒咲は笑顔のまま何度も僕にお礼を言ってきた。

 にしても、黒咲さん本当に好きなんだなぁ、遊園地。


 「本当に何と言ったら良いか」

 「い、良いよ。そんなに気にしなくても」


 てか、さっきから黒咲さんが何度もお礼を言ってくるせいで、周りからの視線が凄い。

 本当、みんなこっち見ないで下さい。先輩の事もあり、視線恐怖症になりかけてる、僕の心が壊れてしまいます。


 「本当に良かった。本当に、良かった、です」


 そう言う黒咲さんの目から涙が流れる。

 えっ!何で?!


 「ちょ!黒咲さん?!だ、大丈夫」

 「大丈夫です。本当、大丈夫ですから、気にしないで下さい」


 言いながらも涙を流し続ける黒咲さん。

 そして、更に増える視線。

 本当止めて!これ以上視線を増やさないで!良いのか、ここで発狂するぞ!

 それでも、良いのかお前ら!?


 「えっと、もう良いかな?」

 「はい」


 視線を耐えること数十秒、黒咲さんはやっと落ち着きを取り戻した。


 「じゃあ、とりあえずそういうことで、また明日」


 というか、一刻も早くここから逃げないと、僕の心が本格的にヤバイ。


 「はい、すみません時間を取らせてしまいまして、また明日」


 最後に黒咲さんはもう一度笑顔を見せたが、僕はその笑顔を見る間もなく、逃げるように帰った。





読んでいってくれてありがとうございます!

どうでしたでしょうか今回の話は楽しんでいって貰えたでしょうか?

楽しんで貰えたなら嬉しいです!

そして、これからも面白い話を書けるように努力していきます!

ですから、これからもよろしくお願いします。


また、感想や指摘がありましたらどしどしお願いします!評価もお願いします!では!

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