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第86話 消えるバトルフィールド!? 参加者残り8名!! 

※大切なお知らせ

現在、あらすじと、冒頭1話~6話の書き直しを検討しています。ご了承下さい。

第86話 参加者残り8名! 狭まるバトルフィールド


 俺とチャペルは一時休戦し、共闘戦線を貼ることになった。


『我が神、主サンマルティーノよ、我らと、我が友に力を!『侵されざる白銀の盾(セイクリッドシルバー)』』


 チャペルのセイクリッドシルバーの背中におぶさる俺とマテリアル。


 そしてチャペルごと俺たちをバリヤーで覆ってもらう。


「マテリアル! 『バスターコフィンキャリアー』、射撃モードリンクアップ!」


『我が神よ、我が友の弾丸に力を!『侵されざる白銀の盾(セイクリッドシルバー)』』


「一斉掃射、ファイヤーッ!!」


 キャリアの弾丸をチャペルのバリヤーで包んで発射する。


 このバリヤー、ちょっと触れただけで電気風呂の強烈な奴に入ったみたいにしびれる。

 

 ビリビリ属性が付加された弾丸。

 

 当たった人間はスタンガンを喰らったようにしびれて動けなくなる。


 その動けないところをチャペルのメイスで止めを刺す。


 ビリビリ弾は、凄まじい威力を発揮した。


 このフォーメーション、俺の発案なんだが、ためらい無く実行するチャペルも相当えげつない奴だよな。


 本当に聖職者なんだろうか疑わしい。


 とにかく。


 近くの敵はチャペルのメイスの打撃で!


 中距離の敵はビリビリスタンガンの銃撃で!


 防御は完璧。


 このチートくさい攻略法のおかげで俺たちはかなりのライバルを減らすことができた。


 絶対防御魔法。


 味方になるとこれほど頼もしいとは。


『へーイ! 一同注目!』


 ジャッジの声がした。上空のディスプレイから拡声器みたいに加工された声が聞こえる。


『リッスンプリーズ! ここでザ・ビッグバトルに参加のファイターにお知らせだ! 現在ビッグバトルの参加者は残り8名となった!』


「残り8名か!」

 と、俺。


『大分減りましたね! いよいよ大詰めですか』

 と、チャペル。


『この広いフィールドに8名は広すぎるよな? あんまり広すぎてファイター同士が互いの姿を探しあってる。会敵できない。時間の無駄だ。……そこでフィールドを狭めることにした!」


「なんだと?!」


『現在フィールド外周からフィールドの床を消し飛ばしているところだ。5分後! 参加エリアが約半分になる。全員、魔法ディスプレイ下のフィールド中央へ走れ! フィールド外に出た奴は容赦なく失格だからな? アンダスタン?』


「うそだろ!」


 現在位置はフィールドの外に近いので、ぎりぎり外周部が見えた。


 なんか転送魔法の応用だろうか? 床の石タイルが次々消えていっているのが確認できた。


 あれに巻き込まれたら飛ばされるってことか? ファンタジー異世界だねしかし。


 とにかく、ここまで苦労してそんなことで失格にはなりたくない。


『急ぎましょう! 大ディスプレイの下、フィールド中央目指して移動します!』


「たのむ!」


 セイクリッドシルバーが野生のゴリラのような機敏さで走り出した!


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 5分後。


『ファイター諸君! 現在残り7名だ。まだまだ広いよな! フィールドを4分の1にする。中央へ走れ』


 セイクリッドシルバーは走り続ける。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 さらに5分後。


『ファイター諸君! 現在残り6名だ。フィールドを8分の1にする……と思わせて、いつものリングのサイズまで一気に縮小する! 招待状を送っている参加者はバトルアリーナで勝利履歴のある奴だけだ。当然サイズは熟知してるよな? 中央へ走れ!』


 進行が雑だなあいつ。


『尚観客の皆様! フィールドが消えた箇所は観戦スペースとなります。そのまま御移動ください!』


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 さらに5分後。


『OK、ファイター諸君! フィールドは規定サイズまで縮小できた。現在残り4名、いや、今3名となった』


 遠くで生身のファイターが一人倒れたのが見えた。


 気絶したのだろうか、そのままフッと掻き消える。転送の腕輪が働いたのだ。


 俺とチャペルがここにいる。


 ということは見知らぬ敵があと一人、このフィールドに残っているのか。


 そいつが次々と参加者を撃破してきたのか? あるいは同士撃ちの結果なのか。


 ん、……ちょっと待て?


 フィールドはいつものリングのサイズだ。隅々まで見渡せる。


 どういう事だ?


 もう一人居るはずの対戦相手の姿が見えない。


 もう一度隅々まで見渡す。


 フィールド外周が無くなり、最前列の観客の表情が見えた。外側の観客席から順々に場所を詰めてきたのだろう。


「おいジャッジ! 聞こえているか!? フィールドには俺たち2人しか居ないぞ?! 数え間違えじゃないのか?」


『いや、3名で合っている。間違いはない』


 どういう事だ?


 ……いや。


 俺は一人姿を消せる奴を知っている。


 耳のやたら長いエルフの顔を思い浮かべていた。


 あいつか……。


 その時だ。


 ビシュッ!!


 突如空気がしなる音がした。


『はぐあッ!』

 チャペルがうめき声を漏らす。


「チャペルッ!」


 見ればバリヤーが突き破られ、なにか長いものが、チャペルに突き刺さっていた。


 これは鞭?


 突然現れた鞭が、セイクリッドシルバーの破損した部分、露出したチャペルの生身の部分を的確に狙って打ち込まれたのだ。


 全身をぶるぶる奮わせるセイクリッドシルバー。


 うわぁ。痛そう……。


 あそこラヴァーズの爺さんに切られた怪我の上だよな。


 そこを鞭でびしいって!


 消えていくバリヤー。


 というか絶対防御なんだろ、どうした?


『いい加減魔力が尽きかけていましたからね。どうやら私はここまでのようですカラスマ……』


「チャペル!」 


『貴方との決着、いずれまた……』


 チャペルの体が、セイクリッドシルバーこと掻き消えた。


「ありがとうチャペル。お前の死は無駄にしないぞ!」


『NOだ! 死んでないから、医務室に居るから!』

 と、ジャッジ。


 チャペルの体に打ち込まれていた鞭がしゅるしゅると巻き取られて消えてゆく。


 鞭。


 ということは……。


「おや誰かと思えば色男……」


 女の声がした。


 この声は。


「ガーネットはかわいがってやってるズラ?」


 声はすれども姿は見えない。


 俺はマテリアルを構えて攻撃に備える。


「どこに居る! 出て来い!」


「ふふん、……そうズラね。ここで盛り上げなきゃお客さんもつまらないズラ」


 目の前に鞭を全身に巻きつけた人影が現れた。


 姿を現すと同時に、鞭がしゅるしゅるとほどかれていく。


 その様はまるでつぼみが花を咲かせるかのようだ。


 中から妖艶に現れたのは……。


 おしりだった。


「バトルアリーナ天上十二傑! 龍撃鞭のズーラン! 参上ズラ!」

 拙作はいかがだったでしょうか?

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