第78話 開幕! ザ・ビッグバトル!
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(剥がれて減ってるかも知れませんがこの更新の時点では171件です)
1更新で10件のアップ……どこかでこの小説紹介されたりしたんでしょうか?(一応自分でも色んな場所で宣伝してますが) 新規にブクマをつけてくださった方ありがとうございます。喜びのあまり&ブクマの感謝を込めて更新します!!
このまま目指すぞブクマ200件!!
※大切なお知らせ
現在、あらすじと、冒頭1話~6話の書き直しを検討しています。ご了承下さい。
第78話 開幕! ザ・ビッグバトル!
ザ・ビッグバトル。
バトルアリーナの屋外を使って行う、大規模イベント。
参加人数は1000人以上。
その全ての参加者が同じバトルステージに立ち、試合開始の銅鑼と共に戦いを始める大乱戦。
ルールはシンプル。
最後まで勝ち残った者が勝利者となる。
今回の優勝賞金は2億エン。
カラスマは疾風を取り戻すために、この戦いに絶対に勝利しなければならない。
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……しなければならないのだが……。
「参加費は10万エンになります」
と、受付のエルフのお姉さん。
「えっ? 金かかるの!?」
招待状送り付けといてそれはないだろジャッジ!
「でもここに、招待状あるし」
「それは参加資格証です。……支払えない方は参加できません。次の方?」
バッグの中には5000エンしかない。
もともと持っていた12万エンは異界堂でのマテリアルなんかの買い物に使ってしまった。
(買い物にはぜんぜん金額が足りず、タブレットとスマホをさらに質入してある)
「次の方、もういらっしゃいませんか? 居なければここで参加登録は締め切りとなります」
「ま、待ってくれ! 俺は絶対に参加しなきゃいけないんだ! なんとか金は工面するから!」
「時間ギリギリに来て何言ってるんですか……」
アーマーパーツの仕上げに手間取ったのが災いした。
しかし、そんなのって、そんなのってないぞ!
「そうだ、ジャッジを呼んでくれないか? ジャッジ・ザ・オーナー。わけを話せばあいつなら!」
「総支配人を? 呼べるわけないでしょう? あまり騒ぐなら人を呼びますよ」
……疾風。
……俺の疾風が!
……こんなことで!
「誰かッ……!」
……10万エン貸してくれ! と叫びそうになったところに、
「カラスマ」
メイド長が声をかけてきた。
異世界語が読めず、文字も書けない俺が参加登録するためについて来てもらった。
「失礼」
と、メイド長が受付のお姉さんに話しかける。
「私はベルン男爵家の者です。参加費はただいま持って参ります。いま少し、少々お時間を頂いてもよろしいですか?」
「ベルン家……」
受付のお姉さんの動きが一瞬止まる。
「……わかりました、でもあまり長い時間は待てませんよ?」
「ありがとうございます。カラスマはここで待っていること」
と、言ってメイド長はアリーナの人ごみに消える。
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10分も経たなかったと思う。
メイド長が戻ってきた。
?
なんか変だ。メイド長の姿に違和感がある。
メイド長の首元。
メイド服の首元のクラバット(ブローチのついたスカーフみたいな奴)が無くなってる。
アリーナには景品引き換え所があるが、そこに併設して質屋もあると聞いている。まさか!?
あのブローチ、時々磨いていて……、大事なものだったんじゃないか?
「失礼、ここに参加費を」
「……確かに頂戴しました」
俺の参加登録は完了した。
「メイド長。胸のあれを……」
「あなたが参加できなければ……御前様とお嬢様が悲しまれますので」
メイド長が事務的に言った。
「時間が迫っていますので、参加者はこちらに来てください」
受付のお姉さんが俺を呼ぶ。
「必ず勝って来なさいカラスマ」
とメイド長。
「ありがとうメイド長!」
俺はメイド長に頭を下げ、
「絶対優勝する!」
参加者待機場所へと走った。
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東京ドーム何個分というのだろうか。
広大なステージが広がっている。
そこに立っているのは大勢の屈強なファイター達。
さまざまなゴウレム達。
みんな強そうだ。
普通のサラリーマン、若干おたくの入った貧弱な俺は……アウェイ感を感じる。
上空には何かの魔法だろうか、大型液晶ディスプレイよろしく巨大な半透明の光の板が展開され、参加者のアップが映し出されていた。
ディスプレイはひとつじゃない。
いくつものディスプレイが展開され、ステージを取り囲むこれまた広大な客席ゾーンの上をいったりきたりしている。
観客たちはバトルロイヤルの始まりを今か今かと待っていた。
『レディース&ジェントルメン! 会場にお越しの紳士淑女の皆様、大変お待たせいたしましたッ!!』
ジャッジの声が響いた。
『これよりバトルアリーナの最大イベント! 強豪ファイターがその腕をぶつけあう大混戦! ザ・ビッグバトルを開催しますッ!』
怒涛のような歓声が客席から沸き起こる。
まるで声の波が見えるみたいだ。
『オーケー参加者、愛しのファイター達! お前たちにルールの確認だ。
必要ない? まぁそう言うな。
ルールは至ってシンプル! 最後まで勝ち残り、立っていたものが勝利者だ、優勝だ! ただし殺しはご法度! 失格となる。今回はバトルフィールドの場外に出ても失格負けとなるから注意しろ。
転送の腕輪はちゃんとつけたか? ギブアップがキーワードになっている。勝負から逃げたくなったら宣言しろよ! だから死ぬなよユーアンダスタン?』
……雑な説明だなぁ。
『じゃあお客さんも待ってるからそろそろ行くぞ!』
息を大きく吸い込むジャッジの声。
『ザ・ビッグバトル! ……試合開始ッ!』
会場中に聞こえる巨大な銅鑼の音が、ジャッジの宣言の語尾をかき消す。
ワアアアアアアアアアアアアアアーッ!
それに負けない、観客席から巻き起こる歓声のボリューム!
試合開始の熱波と共に、俺に向かって四方八方から同時に飛びかかってくる奴らがいた。
「速攻です! 全員でお前を袋叩きです」
と、奏刃のアルタ。
「疾風を持たないお前なんか敵じゃないっス」
釣り師フィッシャー。
「俺たち全員の波状攻撃、さすがに受け止められまい!」
パニッシュメント。
「恨むんなら恨め、お前の過去の行いが悪いんだからな!」
キャンプマスター。
「幼女はいいぞぉ!」
ソードマンロコリコ。
「ここがお前の墓場でござる!」
侍エイジ。
最初の犠牲者はこいつでいいか。
「「「「「「カラスマ覚悟ッ!!!」」」」」」
俺が倒したリングマスターのゴウレムたちが、一斉に俺を狙って襲い掛かってくる。
そんなの当然読んでいたさ!
俺は既に、手のひらの上に乗せたマテリアル素体に意識を集中していた!
「マテリアルッ! ヨロコビヤC・A・S=カスタマイズ・アクセサリー・シリーズ、『バスターコフィンキャリアー』リンクアップ!」
俺の手の上、ローブとマントをかぶったマテリアルが、身の丈よりも大きな巨大な棺=カンオケを構えた。
その棺には、チェーンがつながり、まるでモーニングスターか砲丸投げの砲丸のようになっている。
マテリアル=俺はチェーンをひっつかむと、その棺を思い切りブン回した。
棺のついたチェーンを振り回し、小さなヘリコプターになったマテリアルが、飛び掛ってきた一角、侍エイジの武者型ゴウレムの顔面をとらえた。
べこーん。
気持ちの良い音を立てて武者型ゴウレムの顔面がひしゃげる。
「なんとぉッ、ごべらッ!?」
吹き飛ぶ武者ゴウレムは、そのまま操作者である侍エイジを巻き込んで飛んで行く。
着込んでいた特製バトルスーツのベルトをマテリアルに引っ張ってもらい、俺は侍エイジが居た場所へとすりぬけた!
俺が元居た場所へと次々着弾する、攻撃やゴウレム達。
「な、なんです……」
「なんだそれッス……」
「なんだと……」
「幼女……」
ゴウレムの操作者達が、一斉に俺のマテリアル=ガーネット特製のローブに身を包んだマテリアルを見て叫んだ。
「「「「「なんだその強い『雑巾』はーッ!」」」」
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観客席。
「雑巾じゃなーーーーい!!!」
ガーネットの叫び声がこだました。
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