第77話 数寄者『ラヴァーズ』
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第77話 数寄者『ラヴァーズ』
ラヴァーズ。
本来は恋人達を意味するタロットカードの一枚だが、その名を持つこの男は別の意味の『愛』を持つ。
すなわち、愛好者。好事家。
コレクター、マニアである。
「ほう」
世界樹の琥珀に封印された一体のゴウレム。
「ほうほう」
机の上に置かれたそれをラヴァーズはしげしげと見ていたが、ついに我慢がならなくなって琥珀を手に持った。
「ほう」
まるで茶器を愛でるように抱えもち、
「……これはよきもの」
琥珀の奥のゴウレムをまじまじと見る。
「よきものにござる」
「ビー、ケアフル! あまり触るなよラヴァーズ。そいつは大事な預かりものだ」
バトルアリーナ、VIPルームの主、ジャッジメントがラヴァーズをたしなめる。
「このラヴァーズに可惜物の扱いを説かれるか、ジャッジメント殿……まぁよい」
ラヴァーズは琥珀をそっと机の上に置いた。
「して、競売はいつになるのかな? これほどの品。是非我がこれくしょんに加えたい」
「ビコーズ。そいつもまだ決まってない。質流れになると決まったわけじゃないんでね」
「ふぅむ」
ラヴァーズはもの惜しそうにまだ琥珀を眺める。
ダブルのスーツの胸ポケットからスマートフォンを手に取ると、カメラで琥珀の奥のゴウレムを撮影した。
「破壊だ……」
VIPルームに入ってくる人影があった。
片耳の上を失ったあごひげの男。
大いなるアルカナの構成員、ハングドマンだ。
頬はまだやつれ、その目は疲労に落ち窪んでいる。
「そいつをすぐにぶっ壊せジャッジメント!」
ふらつく彼を支えているのは、褐色に銀髪のエルフの少女、エンプレスだ。
「落ち着くのじゃ、ハングドマン」
「いやだね、そいつを俺によこせ、すぐに粉々にしてやる!」
「モーメント。すこし黙れハングドマン。ここはバトルアリーナ。俺はその法だ。そいつはまだ譲るわけにもいかんし、破壊も許さん」
「しかし、そいつはザ・パワーテンを破壊するゴウレムだぞ。乗っていたウチのパトロンは廃人にされた」
とハングドマン。
「ほほぅ」
と、愉快そうに再び琥珀を手に取るラヴァーズ。
「ますます気に入った」
琥珀に近寄ろうとするハングドマン。
その前に透明化を解除したハーミットが姿を現す。
「ハングドマン。このハーミット。貴方の現場復帰はまだ無理だと判断します」
「ジャッジメント。同じくだ」
「ラヴァーズ。右に倣う」
「そういうわけじゃ。静養されよ、ハングドマン」
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エンプレスに送られて、ハングドマンは部屋を後にした。
バトルアリーナVIPルーム。その壁には本日開催されるザ・ビッグバトルの告知ポスターが貼ってある。
「興が乗った」
と、ラヴァーズ。
「すこし肩慣らしをしていきたい。構わんかな、ジャッジメント殿?」
「オフコース、もちろんさ。バトルアリーナは腕のあるファイターを歓迎する!」
「ふむ。では」
ラヴァーズは部屋を後にした。
「……カラスマは。奴は出てきますかね?」
とハーミット。
「まぁ。それを見るためのこいつじゃないか」
世界樹の琥珀に手を添えるジャッジメント。
「奴が本物かどうか。見極めさせて貰おう」
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