第76話 新たなる力(制作難航中)
※大切なお知らせ
現在、あらすじと、冒頭1話~6話の書き直しを検討しています。
あらすじはちょっとテンションが高すぎたかなというところと、
冒頭6話は3話までに盛り上がりがなく、ブラウザバックが起きているから書き直したほうがいいかなと思ったからです。
ただ現状も思い入れがあるので、もし今の状態が気に入っているという方がいらっしゃいましたら、感想などでご連絡ください。
仮に改稿した場合、今の形のものは、別のページに移植しようかなと考えています。
第76話 新たなる力(制作難航中)
慶屋プラモデルシリーズ M・W・F = モノコック・ウェポンズ・フラウ。
001疾風は戦闘機をモチーフにした、空戦型の鎧を着けた美少女プラモになる。
002ミセリコルデは戦車型。陸戦型砲兵の鎧を着けた美少女プラモだ。
M・W・F = モノコック・ウェポンズ・フラウ MWF-000EX-A マテリアル素体女性型A。
この000EXは何かというと、ただの可動素体=女性の体が出来上がる。
鎧とかは何もなし。
可動素体はマネキンのように、つるつるでなにもない女性の裸体だ。
一応、ぴっちりした肌色のバトルスーツを着てはいるのだが、顔ものっぺらぼうで、髪はない。
これは本来疾風やミセリコルデのアーマーパーツを着せて飾るマネキンとして用意されたものだが、別の使い方も想定されている。
それはカスタマイズ用の素体。
このつるつるのマネキンを芯材として、ユーザーオリジナルのフラウを作り上げられるようになっているのだ。
屋敷には丁度いい作業場があったので、そこで制作作業を行うことにした。
「鋭エエエエエエエエーッ」
ニッパーなどの工具はムトーさんから借りることができたので、俺はマテリアルを素体の状態まで組み上げた。
組み上げた。
組み上げた。
組み上げた。
そこで手が止まる。
さて、ここからどうしよう……。
「キエエエエエエエエーッ」
マテリアルに意識を集中し、リンクをはかる。
マテリアルは机の上で動き出した。
だが、疾風のように飛べるわけでもなく、机の上をとてとて走るくらい。
ジャンプも10センチばかり跳べればいいほうだ。
弱い。
このままじゃとてもバトルアリーナに出すわけにはいかないな。
疾風はもともとノーマルの疾風が存在したので、俺はそこから色んなイメージを膨らませていってカスタマイズを行うことができた。
だがこの女性素体には設定が存在しない。
つまり0から全てを考えて作らなきゃならない。
だが、なんにも思いつかない。
参ったね。
「鋭エエエエエエエエーッ」
うるさいなさっきから……。
庭を見ると我が屋敷の御前様が丸太を相手に木刀で模擬戦ぽいのをやっている。
「カラスマさま、お茶はいかがですか?」
ルナリアが紅茶? 薬草茶を運んできてくれたので一緒に飲む。
「美味い」
「よかったです」
ルナリア。この子はいい子だな。
こんな子をモデルにフラウを作ってみるのもいいかもしれない。
銀髪に褐色、緑の瞳。
駄目だ。疾風とカブる。
というか、この子の顔は何故か疾風に似てるんだよな。
……いや、いっそ疾風の2号機を作ってみるのもアリではないか?
アーマーパーツのフルスクラッチ、のこり8日間でいけるだろうか……。幸いエポキシパテやプラ版なんかの材料はムトーさんから分けてもらうことが出来たし……。
ちょっとワルっぽい面構えにアーマーも悪役っぽくして疾風オルタナティブ……。というのは……。
……うーん。だめだな。ワルっぽルナリアというのがしっくりこない。
「お嬢様! こんなところに!」
メイド長がやってきた。
「いけません、こんな危険人物の元に居ては! お嬢様の身に何かあってからでは遅いのですよ!」
ずりずりとルナリアを運ぼうとする。
「いやです! 私はカラスマさまのお手伝いをするんです!」
抵抗して椅子にしがみつくルナリア。
メイド長。
メイド長みたいなガチムチ筋肉長身超乳系はどうだろう……?
MWF-000EX-A マテリアル素体女性型Aと、メイド長を見比べる。
だめだ。マテリアル素体女性型Aの骨格はスレンダーで中背だ。メイド長みたいに長身タイプじゃない。
マテリアルのボディそのものを大幅にいじらなきゃならん。長身タイプのマテリアル素体女性型Dだったらよかったんだが。
第一超乳にはメガネが必須だろう。エッチングパーツのメガネはさすがにこの異世界じゃすぐには手に入らんぞ。
「カラスマ、私の体になにか?」
無意識にメイド長の体を見ていたらしい。メイド長が薄汚いゴミを見るような冷たい目で俺を見てくる。
「……いいえ、お綺麗だなと……」
「あなたは常に欲情しているのですね。本当にけがらわしいクズですね」
「わからん」
ハウがまたその辺で寝ている。
……獣人のフラウもいいかもしれないな。
だが、やるならビーストモードへの変形機構は必須だよな……。
デザインには凝りたい。
紙にアーマーパーツの草案を描いてみる。
……メカのドラ猫が描き上がった。
だめだ、目の前に化け猫が寝ているからそれ以外が思い浮かばん。
「キエエエエエエエエーッ」
うるさいなぁガーネット。
とりあえず悩んでいても仕方が無い。
手を動かしてみよう。動かしているうちに何かを思いつくかもしれない。
のっぺらぼうのマテリアルの顔をエポパテとヤスリで整形してみるか……。
「鋭エエエエエエエエーッ」
だからうるさいよガーネット。
しかしあいつのおっぱいはすごいなぁ。とんだり跳ねたりするたびにぶるんぶるんと……。あれは生きている芸術だ。
そんなことを考えながらエポパテを練った。
だからだろうか……。
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どうして……、どうしてこんなことになってしまったんだ……?
俺は両の手のひらで顔を覆う。
なんで……、なんでこんな形に、よりにもよってこんなものが出来上がってしまう。
「この子! 素敵だと思います! カラスマ様」
ルナリアがキラキラした目でマテリアルを見ていた。
まぁ確かに造形はよく出来たと思う。会心の出来に近いだろう。
しかもこの子、超強い。
アーマー抜きの筋力は疾風よりもあるかも知れない。
ためしに丸太をパンチしてみたら粉々になったし。
「まさか、私に腕相撲で勝つとは……」
そりゃまあ俺のイメージがメイド長よりもこいつの方が強いなぁって思ってるからなんだが。
……とりあえずしまおう。
あいつに見つからないようにしよう。
それで今日は寝てしまって明日から仕切り直そう。
あいつに見つかったら面倒なことにな……。
「なにそれ……」
やばい、見つかった。
「なによそれカラスマああああああああああああ!!!」
ガーネットは茹蛸みたいな真っ赤な顔をしていた。
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千葉の病院。
痛いっす。顔が超痛いっす。
「その……病院を抜け出して、ボクシングジムなんかに行かれたりしてます?
ヘッドギアなしでスパーリングをしてきたとか……」
「いいえ、そんなことは」
「……そうですか」
医者はあきれ果てた顔をしていた。
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異世界で目が覚めた。
心配そうにルナリアが覗き込んでくる。
他に部屋に居るのは、メイド長とハウと、ガーネットか。
「カラスマさま! もう三日も目を覚まされないので、心配したんですよ!」
この異世界、自由にこれないのがネックだ。それと現実世界との時間にタイムラグがあるのが面倒……。
現実世界で1日過ごしてその晩夢を見れれば夢の世界では半日しか過ぎていないこともあれば、今日みたいに3日過ぎていることもある。
なんといい加減な。
というか三日か……。
「なぁ、ビッグバトルはどうなった?」
「……今日が開催日よ。試合開始まであと五時間てとこかしら?」
とガーネット。
「良かったぁ……」
寝過ごしたら疾風を取り返せないところだった。
「それでゴウレムはどうなったの?」
「完成してる……アーマーパーツは寝る前になんとか仕上がった」
エポパテの硬度を見る。よし、硬化してる。あとは時間まで磨いて仕上げればなんとかなるだろう。
「……あの、ガーネットさま」
「何か? カラスマ殿?」
まだ怒っていらっしゃる。
「このゴウレムで試合に出てもよろしいでしょうか?」
「……」
喋るゴミを見るような目で俺を見るガーネット。
ごくり。
「ふぅ」
ガーネットは自分を落ち着けるように深いため息をついた。
「……疾風を取り返すにはそれしかないんでしょ」
「あ、ありがとうございます、ありがとうございます」
ベッドの上で土下座をする俺。
「ただし!」
床を踏みつけるガーネット。
びくうっ! となる俺。
「はいッ! な、なんでしょうか?」
「そのゴウレムにはこれを着せること」
メイド長が布をもってきた。
なんだろう?
雑巾?
「ローブとマントです。御前様が縫われました」
良かった……、雑巾とか口にしないでよかった。
「試合中はこれを着せて戦いなさい。破いたりしたら、ブチ(中略)すわよ」
「は、はい! 必ずや……!」
こうして俺は、なんとかギリギリになって完成させた新ゴウレムで、バトルアリーナの試合に出ることになった。
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