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第63話 カラスマ氏、異世界でタイトルマッチを観戦す。

第63話 カラスマ氏、異世界でタイトルマッチを観戦す。


 消毒液の匂いがする。


 病室だったが千葉の病院じゃないな。エルフの看護婦さんが行きかってるのが見えたのでまだあの夢の中か。


 何度かあったことだが、夢の中で気を失って、意識を取り戻してもまだ夢の中というのは妙な気分だ。


「勝利おめでとうブラザー」


 ベッドの横に居たジャッジ・ザ・オーナーが拍手で迎えてくれた。


「そして残念ながら」


 俺の両手には手錠が嵌められている。


「……痴漢の現行犯で逮捕済みだミスター」


 またか。なんか多いなこのパターン。


「モーニングコーヒーってのはあるが、モーニング手錠とは……」 


「ここは欲望と享楽のデパート、バトルアリーナ。なんでもあるのが自慢だ。当然自警機構と裁判所もある。内部で起きた犯罪を内部で裁く法もある。

これから裁判に出てもらうぞ。痴漢は罰金刑だな」


「犯罪者か俺は」


「それ以外の何者だっていうんだミスター?」


 そうですね。


「では連れて行け」


 やってきたエルフの警備員が俺の手錠を取る。


「待ちなカラスマ!」

「逃がさないよカラスマ!」


 シズルとマズルが滑り込んできた。


「「裁判所に罰金払うなら私たちに直接お金を払いなさい!」」


「……レディーたちは示談で済ますと仰っておられるがどうするね?」


 というわけで、俺の記念すべきリングマスターデビュー戦。

 そのファイトマネーは全額双子に取られてしまった。


 下着の弁償代だそうだ……。


 弁償が必要な状態の下着にしてしまったのか。


「まぁ示談で済んで良かったじゃないか、元気出せよブラザー」


「……またお風呂に入ろうかな」


「その前にちょっと待て。そろそろ時間だ。これから本日の『タイトルマッチ』が始まる」


「タイトルマッチ?」


「ブラザーも参考に見ていくといい。というか見ておけ。特別席を用意しよう」


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆

 

 時刻は夜になっていた。


 バトルアリーナには、リングマスターに一般人が挑戦する試合のほかに、アリーナが用意した職業剣闘士同士が戦う試合があるそうだ。

 その試合の大きなヤツがこれからあるんだとか。


 ここに来た時スタジアムの中央に見えた一番大きなリング、メインコロシアムが使われるらしい。


 スタジアムの観客席は既に満席だった。


 俺はメインコロシアムを上から見下ろせるロイヤルボックスに案内されていた。


 競馬場のS席とか、特別ビュースタンドとか、あんな感じだな。


「すごいわすごいわ」

「こんな席、夢みたい」


 シズルとマズルが、嬉しそうに跳ねている。


「なんで居るの?」

「うちのファイターが粗相をしたのでご招待したんだよ」


「オーナーさんありがとう!」

 とシズル。


「スカーレット様の試合がこんな席で見られるなんて、最ッ高ッ!」 

 とマズル


「ノープロブレム! いいってことよ」


「ジャッジさん、あとでスカーレット様のサイン貰えないかな?」


「OK! 手配しようレディー……というか、会って行くかい?」


「うそッ!」

 マズルの狼の尻尾がありえないくらいブンブン振れている。


「カラスマッ!」


「なんだよ?」


 ばきっ。


「あ痛っ」


 え、何でパンチされるの俺……。


「痛いわよね? 夢じゃないのよね?」


「そういうの自分のほっぺたでやれよ」


 っていうか、これ……俺の夢のはずなんだが……痛いんだよな……。


 夢……。


 夢だよな……。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


「会場にお越しの紳士淑女の皆様、大変お待たせいたしましたッ!!」


 コロシアムの魔導照明が一度消えて真っ暗になったあと、魔導スポットライトが暗闇の中リングの中央を照らし出す。


 司会のお姉さんエルフの姿が浮かび上がった。


「これよりバトルアリーナ『Sランク天上十二傑』、その末席を賭けたタイトルトーナメントの決勝戦を行います!」


 ワァァァァァァァァァァァァーッ!!!


 地鳴りのような歓声と拍手が、観客席から湧き上がる。


「東方より来たれ挑戦者!」


 魔導スポットライトが入場門を照らしだす。


「青竜の門より入場、Aランカー、『龍撃鞭』のズーラン!」


 選手と思しきシルエットが、門をくぐって現れた。


 女の人だ。


 おしりだ。


 おしりが歩いてくる。


 鞭を構えた女王様風。おしりがきわどく露出している黒いボンテージ鎧のお姉さんのエルフだ。


 お姉さんはコロシアムの中央に立つとドラゴンの意匠が入った鞭をブンッと振るう。


 ぶるるん。


 揺れてる。


 ぶるるん。


 ばるるん。


 上と下で激しく揺れてる。


 マグニチュードはGだG。


「いいじゃないか……」

 と俺。


「言うと思ったぜオッサン」

 とジャッジ。


 ばきっ。


「痛っ」


「ちょっとカラスマ! ズーラン様をそんな汚れた目で見ないでくれない? 殴るわよ」

 とマズル。


 もう殴られたあとなんだけど俺……。

 というかさっきから疾風の自動防御が働いてないんだけどなんで殺気とか悪意とか全く無くお前空気を吸うようなナチュラルさで人の顔面を殴れるの?

 サイコパスなの?


『ズーラン! ズーラン! ズーラン! ズーラン!』

『ズーラン! ズーラン! ズーラン! ズーラン!』


 観客席からはおしりを称えるコールが、湧き上がる。


 その盛り上がりを制して、再び司会のお姉さんエルフが姿を現す!


「同じく挑戦者、西方より出ませいッ!」


 今度は反対側の門に魔導スポットライトが当たった。


「白虎の門より入場! Aランカー『ザ・スタンプリング=スカーレット』!!」


「ぎゃあああああああああああああああああああーッ」

 真横でマズルが奇声を上げた。


 まるで美少年アニメの応援上映中の腐女子みたいな奇声を上げた。


「ズカーレッドざまあああああああああああああああーッ!!!」


 耳がキーンとする。やめて……。


 門の前に現れたのは赤いマントに赤い羽根帽子をつけたエルフの剣士だった。


 女。


 女だなあの体つきは。


 顔は同じく赤いマスクで隠してある。

 

 三銃士とか、あんなイメージの服を着た男装の令嬢っぽい。


 赤い覆面の女剣士は、スポットライトに誘導されるように、コロシアムの中央へと静々と歩いてくる。


 あの体つきは……。


 さらしを巻いているようだがさっきのおしりとおなじく隠せないで揺れてる。


 揺れてるあの……。


 あれ?


 あの体つきというかおっぱいは。


 あのおっぱいは……。

 

 俺があの胸を見間違えるはずが無かった。


 おっぱいエルフ。


 姉エルフ。


 御前様。


 ガーネット。


 どうしてここにいるんだ!?

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