第60話 疾風四式戦形態!!
第60話 疾風四式戦形態!!
この状況、完全に詰んでいないか?
僧兵型ゴウレムの名前もセイクリッドシルバーというそうだ。
俺は疾風に身を守らせながら駆け足で敵ゴウレム、セイクリッドシルバーから逃げる。
「行きなさいッセイクリッドシルバー」
当然セイクリッドシルバーはドスドス追いかけてくる。
怖い。
息が切れる。
明らかに運動不足だ。
退院したらジョギングを始めよう……。
「天罰です!」
光の繭に覆われたセイクリッドシルバーが、俺の脳天目掛けて再び、メイスを振り下ろしてきた。
当然メイスもバリヤーに覆われている。
触れたらしびれる。
俺は疾風にズボンのベルトをつかませると、そのまま横っ飛びに飛ばす。
引っ張られて横に飛ぶ俺の体。
ごろごろと地面を転がった。
セイクリッドシルバーのメイスが、元居た場所の地面を深々とえぐった。
間一髪だ。
「往生際の悪い!」
……どうしよう。……どうしたらしい??
考えろ、考えるんだ。
「さぁ、審判の時間です!」
チャペルがにやりと笑うのが見えた。
「どうするカラスマ、ギブアップか?」
ジャッジから声がかかる。
「なぁジャッジ、これタイムとか休憩とか無いのか?」
「あるわけないだろ」
「くそおお」
俺はとりあえず鉄格子まで逃げる。
そのまま疾風に手伝ってもらい(疾風に足の裏とかケツを押してもらったりして)上へ上へとよじのぼっていく。
とりあえずこれで時間稼ぎにはなるだろ……。
しかしこれから……どうすればいいんだ。
ええい、悩んでいる時間はない。
俺は疾風をつかんだ。
疾風のパーツを組み替える。
巡航形態から戦闘形態……。
……いや、違う。
あの光の繭はチャペル本人と、ゴウレムには同時に展開できないみたいだ。
なら、方法は……。
上手くいくかどうかはわからないがやるしかない!!
俺は疾風の背中から羽根を引き抜き、戦闘機の推進ユニットを分離する。推進ユニットを戦闘機型に変形させ、羽根を押し込む。
セイクリッドシルバーが鉄格子の下にやってきた。
お前、まさか。
「さぁ、カラスマよ! 悔い改めなさい!!」
メイスで鉄格子を叩き始めた。
振動でぐらんぐらん鉄格子が揺れる。
何てことをするんだ、落っこちたら大怪我じゃすまないぞ!!
あいつ。本気で俺を……。
揺れる鉄格子になんとかしがみつきながら、俺は疾風の組み換えを終えた。
疾風四式戦形態!!
普段の疾風は戦闘機のパーツを鎧のように着込んでいる姿だが、
変形させたこの形態では生身の疾風が組み替えた戦闘機の背中に覆いかぶさるように寝そべっている。
日本を代表するファミリーアニメ映画のスタジオ。そのスタジオを代表する2人の監督のうち、ミリタリーと少女が好きな方の監督。
その監督の記念すべき第1作目の映画に荒廃した未来の地球を舞台にグライダーに乗る少女が出てくるのだが、
その少女がグライダーに乗る姿をイメージしてもらえばわかるだろうか?
戦闘機型美少女プラモ疾風の飛行機としての機動力、最高速度に全振りした超スピード形態だ。
俺は疾風を肩に乗せ、乗せた腕をまっすぐに伸ばす。
伸ばした先に居るのはチャペル本人だ。
光の繭、バリヤーはチャペル本人とゴウレムには同時に展開できない。
なら、両方を同時に攻撃したらどうなるか?
同時に攻撃……。出来るのか? 今はやってみるしかない。
「疾風発進ッ!!」
疾風は俺の伸ばした腕を滑走路にして飛び立つ!!
「いっけえええ!!」
弾丸のように飛び出していく疾風。目指す先にはチャペルがいた。
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