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第40話 探検、ベルン男爵邸。ガーネットの部屋。

 なんだこの部屋……?


 俺は今疾風を操っている。今の日本、俺の常識でこの状況を説明するのに一番近いのはドローンを飛ばしてそのカメラを見ている状態か? いや、そのドローンにVRでダイブしているような感覚だな。ドローンの目線は=俺であり、ドローンについた手足は自分のもののように動かせる。



 疾風=俺の視界に入ってきたのは茶色い破片がどばどばっと撒き散らされている部屋だった。


 部屋全体に細かい木の破片が飛び散っている。


 机。ベッド。衣装棚。


 あとはなんだ……。丸太を人間に見立てたもの? あるいは木で作った頑丈なカカシみたいなものが……全身にざすざすと刀傷を入れられて、見るも無残な形で横たわっている。

 ご丁寧に心臓の位置にナイフがぶっささっている。


 木彫りで何か作ろうとして……、


 ……違うな。雑だ。あまりに雑だ。


 ストレスの解消というか気に入らない何かがあって、このデコイに全力を尽くして八つ当たりした。そんな感じだ。


 気に入らない何か……。


 ……。


 ……。


 ……。


 机があるのでその上を見てみよう。


 紙がぐしゃっとしてあるんだが。


 収支をまとめた紙?

 というのも、算用数字、アラビア数字が書き込まれていたからだ。

 項目を書いてある文字は読めない。英語とも何語とも違う、アルファベットではない、俺が見たことのない別の言語だ。


 ただおそらく数字の項目が見慣れたアラビア数字で書いてあるのが浮いていた。


 これ……、桁が現実と同じなら単位は億か……。


 マイナスの表記が日本と同じ意味であれば、億単位の負債があるのを示しているなこの紙……。


 見なかったことにしよう。


 あー。


 そろばんを投げつけてある。……ベッドの上に。


 きっと、いや間違いなく床とか壁に叩きつけようとしたけど直前で思いとどまってベッドに投げたな。壊れないように……。



 いろいろ大暴れした痕跡の残る部屋だったが、タンスの中にあったパンツはすごく控えめなデザインだった。


 色気が無い。まるで中学生が履くようなパンツだったが、サイズが中学生のそれではない。


 窓が開いていた。庭が見えた。部屋の主と思しき奴が熱心に草をむしっているのが見えた。


 なにやってんだあいつ……。


 少なくとももっと他にやる事があるだろう……。


 ただ気持ちはすごく、すごくわかる。


 とりあえず目の前にあることから逃げたい。


 そんな毎日だよ。俺も。


 御前様が『良いの見つけたー』的に、むしった草を天に掲げた。

 おっぱいがぶるぶるふるえた。


 とりあえず次行ってみよう。


 窓から外に出てみる。


 そして上空へ。


 うお?


書きたいお話は決まっていて、この続きや書きたいシーンもたくさんたくさんあるのですが、なぜか書けません。花粉症のせいだと思いますが、なんだかダウナーになっています。短くともとにかくアップして行きます。

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