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第151話 群れの王、フェンリル

ブックマーク320件ありがとうございます!

更新できなくてすみません。なんだか書けなくなりました。

でもブックマークを励みに、がんばって進めます!

第151話 群れの王、フェンリル


 がきん!


 ガーネットが大剣を打ち込む!


 シズルの鉄甲に覆われた拳が、その一撃を受け止める。


 がきん!


 がきん!


 打ち合うこと数合!


「いい剣だね、それ!」


「あなたの鎧もね!」


「エルフの体でよくやってるよ。でもさ……」


 シズルが動いた。


 剣を振り下ろしたガーネット。その一撃を避け、シズルがガーネットに肉薄し、そのまま正拳をガーネットに突き出す!


「獣人の速さについてこれるわけないだろ?」


 がらあきのガーネットの胴。


 だが、次の瞬間、振り下ろしたはずの剣が、有角のペガサスの姿に戻り、ガーネットを守るように彼女の胴にたちふさがる。


 正拳を受け止めるラムペガス!


「小癪! じゃあ、こういうのはどう?」


 超高速移動。シズルの体が残像を残して、掻き消える。


「はあッ!」


 ガーネットの背後に現れたシズルが、回し蹴りをガーネットに打ち込む。


 だが、それにあわせて回し蹴りを放つガーネット。


 蹴りを蹴りで撃墜した!


「はん! 見えたの?」


「この子の目とあわせて、私の目は4つあるから。死角は無いわよ!」


「強がってさ……生の足で受けて効いてないわけないじゃない!」


 正拳突きを繰り出すシズル。


「ラムぺガスのすね当て!」


 ラムペガスが、ガーネットの両足を覆うすね当てになった。


 ガーネットの両足が輝く!


 次の瞬間、ガーネットの体が掻き消え、正拳がむなしく空を切る。


「なっ!?」


「私の愛馬も速いでしょ? レイピア!」


 すね当てから赤いレイピアが飛び出し、ガーネットの手におさまった。


「受けてたつよ!」


 ガーネットと、シズルの体が、同時に掻き消える。


 がん、ぎん、がん、がん!


 激突する金属音を残して、残像と化したガーネットとシズルが、レイピアと拳で打ち合いをつづける!


「先の先!」


 剣と拳での打ち合いの隙をつき、ガーネットの体重をかけた蹴りが、シズルの腹に入る。


「うごっ」


 くの字に吹き飛ばされるシズル。かかとが地面に軌跡を描く。


 だが、すぐに体勢をととのえ、両手を地面に突き立てて、ブレーキをかけた。


「……やるッ」


「あなた強いわ。でも、実戦経験はあまりないでしょ?」


「……」


「ヘルブレイズ!」


 赤い光条が、ガーネットの頭に飛んでくる。


 残像を残してそれを避けるガーネット!


「姉さま!」

 と、空中のルナリア。


 ちぃネットが、地上に降りようとするが……。


「あんたは、そこでじっとしてな!」


 マズルの両手の狼の口が、炎の弾を連射する。


 それが、炎の嵐となって、空中のちぃネットと、ルナリアを襲う。


 柄を合体させた日本刀を回転させ、盾にしてうけとめるちぃネット。


 マズルは空中のルナリアを相手に長距離戦を展開していた。


「シズル! 遊んでるなら代わってよ! スカーレットは私が自分でやるんだ!」

 叫ぶマズル。


「二人いっぺんでもいいわ。来なさい! シズル! マズル!」


「その鼻っ柱。気に入らない!」

 シズルが吼えた。


「いいよ。そんなに私達の相手がしたいなら、本気を見せてやるからね」


 シズルの狼の頭型の兜、その面頬ががちゃりと鳴って下りた。下あごを形成するパーツが、サイドからあごの前にせり出す。


 シズルの頭がまるで狼のようになる。


「るろオオオオオオオオオオオオオオオオオオーッ!」


 遠吠えを上げるシズル。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


「そうだ、それでいい」


 カラスマ達のいる観客席。


 その丁度反対側にハングドマンとエンプレスは居た。


「お嬢! あの女男爵を蹴散らしてやりな」


 ハングドマンが叫び声を上げる。


「ハングドマン、そなたの仕込みのあれをやるか。見ものよな……」


 エンプレスがほくそ笑む。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 次の瞬間、シズルの周囲の床がゆらめいた。


 シズルを取り囲むように9つの影が姿を現す。


「さあ来い。我が群れの同胞達よ!」


<ぐるるるるる……>


 9匹。9匹の狼ゴウレム達が、シズルを守るように現れた。


「いくよッ!」


 シズルの号令と同時に、9匹の狼が、ガーネットに殺到した!

 拙作はいかがだったでしょうか?

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