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第136話 「よくバトル物のアニメで修行シーンってあるじゃないですか。ああいうのって実際やると大変だなって思ってたんですよ。でもウチの場合アニメを12話見せただけなんです……いいんですかねこれ」

お待たせしました本編再開です!

筆者の生活に変化があり、ちょっと書くリズムに乱れが出るかもしれませんが、第1部完結まであとわずか! 頑張ります! どうかお付き合い下さい!

第136話 「ほら、よくバトルもののアニメとかラノベとかで修行シーンってあるじゃないですか。ああいうのって実際やると大変だと思ってたんです。でもウチの場合ってアニメを12話。TVアニメを12話見せただけなんですよ。それがねぇ……それがこんなことになるなんて予想もつかなかったというか……」


 俺の名前は烏丸からす。これはペンネーム。職業は会社員で原型師。もっとも最近は原型仕事を干され気味……。


 色々あって、俺は異世界に転移することがある。夢の中で俺の意識は異世界に飛ぶのだ。


 異世界で俺が仕える男爵家。


 その当主であるガーネット嬢は、借金のかたにデン侯爵家に嫁入りすることになっていた。


 だが妹のルナリアは姉が望まぬ嫁入りをすることをよしとしなかった。


 嫁入りの日。ルナリアは馬車強盗となって、ガーネットを盗む。取り返してしまう。


 当然デン侯爵は取り返しに来る。


 デン侯爵は手勢と超強いゴウレムを使ってルナリア達を襲い、そしてお決まりのゲス貴族ムーブをした。……しやがった。


 ルナリアとガーネットの乙女のピンチ。そのピンチを救ったのが召喚された俺だ。


 この異世界では、プラモデルは何故か本物になってしまう。


 ロボットのプラモデル。そのプラモデルにポーズをつけて、実際はこんな風に戦うんだとか、この武器はこんな風な力を持つんだ……とか想像して遊んでいたとする。


 その想像が現実化してしまうのが、この世界なのだ。


 俺がこの異世界に持ち込んだ戦闘機型美少女プラモの疾風。


 疾風は俺が想像し考えた俺設定の通りの強さを持つ、超兵器になっていた……。


 俺は疾風を使い、デン侯爵を完膚なきまでにボコボコにした。


 その後デン侯爵はしばらく鳴りをひそめていたのだが、ついに仕返しに動き出した。


 デン侯爵とその後継者の2人が、ガーネットとルナリアに決闘を申し込んできたのだ。返り討ちにされた復讐だな。


 決闘を受諾したガーネットとルナリア。


 だが、二人には戦う力は無い。


 ガーネットは手持ちのゴウレムを破壊されていて武器が無い。お嬢様のルナリアにはそもそも戦う力が無いんだ。


 だから俺は、二人に俺のプラモの力を分け与えることにした。


 プラモの力が使えるように二人を鍛えるのだ。


 二人が俺と同じようにプラモを使えるようになれば、きっと決闘に勝つことができる。


 決闘は命を賭けて行われてしまう……。二人には決闘を無事に乗りきって欲しいから……。


 いや、二人は絶対に傷つけさせない! 無傷で勝って貰う!


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 俺は決闘に参加できない。


 代理人として俺が代わりに戦いたいのだが、それはできない。


 なので、俺の力を、俺が持てる最強の武器を二人に渡す。


 俺の武器は、武装少女プラモデルのモノコックウェポンズ・フラウ。


 その俺オリジナル機体であるちぃネット。そしてその武装である四式戦アーマー。


 こいつの力を俺同様に引き出すことができれば、二人は決して決闘相手に遅れをとることはないだろう。


 だが、いざ二人にちぃネットを操作させてみると、俺が操るほどの力を引き出すことはできなかった……。


 武装少女プラモデル、モノコックウェポンズ・フラウ。


 俺はその世界観や設定、それらが、飛んだり跳ねたり、武器を使ったりと、実際に戦闘する様をイメージできる。頭に思い浮かべられる。

 だからそれを現実化できる。


 だが、二人にはその下地が無いのだ。


 だが、幸いモノコックウェポンズ・フラウはアニメ化されていた。


 俺はそのアニメ動画を2人に見せた。


 アニメを見れば、モノコックウェポンズ・フラウがどういうものなのか? どう動いてどう戦うのか? 頭にイメージしやすいだろうと思ったからだ。


 組み立て説明書の世界観やミニストーリーを読むよりもわかりやすいと思う。


 (アニメ版は宇宙生命体がプラモデルに憑依して戦うっていうお話なので、本来のプラモオリジナル版のモノコックウェポンズ・フラウの設定とはイコールではないんだけどね)


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


『ケェェェー、イャン、イャン、イャン!』


 ムトーさんが作ったゴウレム、(中略)先生。


 とあるアクションゲームに登場する怪鳥のモンスターだ。


 (中略)先生は実在しない架空の生き物、架空のキャラクターだ。


 だが、ムトーさんが作った(中略)先生のゴウレムは、この世界で本物の生き物になった。

 

 架空のキャラクターでも、作り手が、操り手が本物だと想像すれば、この世界では本物になる。


 ゲームのキャラクターが本物になるなら、アニメのキャラクターだって本物になるはずだ。


 作り手であり操り手である、ガーネットとルナリアが、本物だと想像できれば……。


 二人はモノコックウェポンズ・フラウのアニメを視聴した。二人は夢中で、(大分入れ込んで)見ていたと思う。MU:Fがどんな風に動くものなのか? そもそもMU:Fはどういうものなのかが二人には伝わったはずだ。


 あとは二人が動かすモノコックウェポンズ・フラウ、ちぃネットが、アニメのように動いてくれと、願うだけだ。


 ……ああでも、駄目かな。


 ちぃネットは、俺のオリジナルMU:F。アニメに出てこないし……。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 ベルン男爵邸のその庭。


 ガーネットとその横にルナリア。


 2人に向かい合うように俺が立っている。


 メイド長とハウが、少し離れて様子を見守る。


「ガーネット、ちぃネットをもう一度、飛ばしてみてくれ!」


「わかったわ」


 ガーネットの足元にはちぃネットが立っている。


 ちぃネットの体に疾風の鎧、四式戦装甲を着せた四式戦ちぃネットだ。


 ガーネットが、ちぃネットに意識を集中する!


「いいかガーネット、あのアニメだ。あのアニメをイメージするんだ!」


「魔力経路エンゲージ! ちぃネット、四式戦装甲リンクアップ!」

 叫ぶガーネット。


 ちぃネットが着た四式戦装甲にガーネットの魔力が回り込む。鎧が光る。


 と、同時に、ちぃネットの体が輝き出した。


 これ、アニメでエーテル体が入ったモノコックウェポンズ・フラウが飛ぶときに光る感じだ。


 というか、そのものだ。


 いい感じじゃないか?


「うーん!」


 念をこめるガーネット。


 ちぃネットの体が宙に浮いた。


 俺と、ガーネットの目線くらいの高さまでふわりと浮いた。


 よし!


 アニメ視聴以前は10センチくらいしか浮かせられなかったから、すごい進歩だ!


 着実にアニメ上映会をやった効果は出ている。


「ガーネット。そのまま前に飛ばしてみてくれ! 全速力でたのむぞ!」


「わかったわ! ちぃネット前へ!」


 ヒィィィィィィン。


 四式戦装甲の魔導エンジンの回転数が上がっていく音。


 これは!?


「全速力!」


 ひゅばッ。


 次の瞬間、ちぃネットは矢になった!


 すぐ横をすり抜け、俺の毛髪を数本持っていきながら、空の彼方へと飛んでゆくちぃネット。


 ゴッバアアアアアアアアアアアアアアアアーッ!


 その後を突風と、衝撃波が追いついてくる。


「ほげええ!?」


 すごい風圧!


 風に押し飛ばされる俺。


 がっしゃああああああああああああああーん!


 犠牲になる屋敷の窓ガラス達。


「カラスマー!」


 メイド長の怒号。


 ……。


 え? 何?


 何が起きたの?


 揚力で自然に上昇したちぃネットが、飛行機雲を作りながら、遥か上空を旋回してくるのが見えた。


 高度を下げて、こっちに戻ってくるちぃネット。 


 俺と、ガーネットの間の空中でホバリングする。


「なにこれ?」

 と、俺。


「どうしちゃったの? アニメにちぃネット出てこなかったけど。アニメに出てきた疾風や隼みたいな飛び方が出来てるじゃないか」


「だって、最終回にいろんなMU:Fがでてきたでしょ? ちぃネットがあの中に居たら、きっとこんな風に飛べるじゃないかしら……」


 発想が柔軟すぎる!


 でもいいんだOK!! 全然OKだ!!


「大成功だ! ガーネット!」


 俺は喜びのあまり思わずガーネットに抱きつこうとして、


「う……」


 ふらりと、前に倒れこんできたガーネットを受け止める形になった。


 ホバリングしていたちぃネットがことりと地面に墜落する。


「お姉さま!?」

 と、一緒に支えるルナリア。


 ガーネットを抱きとめる。ちょっと良い匂いがするが、今はそんなこと考えている場合じゃない!


「だ、大丈夫か? ガーネット!」


「平気、ちょっと立ちくらみがしただけだから……」

 立ち上がるガーネット。だがちょっとふらふらしている。


「これ、魔力の消費がすごいわ……気をつけないと、全部ちぃネットに魔力を吸い上げられちゃう……」


 魔力の消費?


 俺がジークフリートアーマーを使ったあとにものすごく疲れるようなもんかな?


「本当に大丈夫なのか?」


「うん、ちょっと自分でもびっくりしただけよ。多分慣れていけば平気……。一気に全力で飛ばしちゃっただけだから。……カラスマ。あなたはすごいのね。疾風を飛ばすだけでも、かなりの魔力を使うんじゃないの……?」


「そんな話はあとだ! ガーネット、少し休んだほうがいい!」


「……わかったわ」


 俺とルナリア、メイド長がガーネットの体を支えつつ庭木の木陰に移動させる。木の幹に背を預けるように座らせた。


「しばらくそこで休んでろよ。無理は駄目だからな」


「カラスマ……。……うん」

 と、素直に聞くガーネット。顔がちょっと赤いな。息があがってるのかな?


「カラスマ様! お姉さま!」

 と、ルナリア。手にはちぃネットを持っている。


「次は私がちぃネットを動かします!」


 やる気十分で、気合がみなぎっているのがわかる。


「私! すごくやってみたいことがあるんです!」


 なんだかとても、とても嫌な予感がしてきたぞ……。


 拙作はいかがだったでしょうか?

 続きは頑張って書きたいのですが、書く力を得続けるには、ポイントの力が必要です!!!


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