第125話 TVアニメシリーズ「モノコックウェポンズ・フラウ MW:F」第2話「開幕の時」
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第2話「開幕の時」
「モノコックウェポンズ・フラウ MW:F」
オープニングアニメーション。
オープニングテーマ、「Klein×Klein」が流れる。
× × ×
第2話「開幕の時」
× × ×
朝。
登校途中の翠とコビ子。
「フヒヒッ、ヨロコビヤのアテナオブジェクトは可動と拡張性がたまらないでござるなぁ。さすが浅間紀伊さんは天才原型師でござるよ」
と、コビ子。
「歩きスマホは危ないよコビ子」
と、翠。
「フヒヒ、ありゃ?」
と、コビ子。
歩きスマホで模型投稿サイトを見ていたコビ子のスマホ画面が、突然暗転して、アーティファクトの姿が映し出される。
アーティファクト=埴輪や土偶、古代文明、外宇宙の知的生命体をイメージさせるデザインの鎧を着た美少女プラモ。(メカデザイン・島田ミカ)
街頭のテレビ画面がジャックされる。
アーティファクトの姿が映し出される。
量販店にならぶ全てのTV画面。
オタク部屋のパソコンモニター。
満員電車の乗客のすべてのスマートフォン。
それら全てをジャックするアーティファクト。
「全エーテル体に告げる。我は裁定者アーティファクト」
なんだこれ? 故障? 電波ジャックだ!? と、民衆のリアクション。
「これより女王選出戦は決勝フェイズに移行する。残存する全てのエーテル体は女王の座を賭けて戦うべし! 裁定者アーティファクトはその全ての戦いを見届けるものである」
コビ子のスマホ画面が元に戻る。
「フヒヒ、何だったんでござるか? 今のは?」
「……」
無言の翠。
『翠……』
翠の鞄からひょっこり顔を出す疾風。
× × ×
翠の部屋。
「女王選抜戦?」
椅子の背を抱いて座る翠。
向かい合って翠の眼前に浮遊する疾風。
『はい、翠。我々エーテル体はその為にこの地球を訪れました』
エーテル体は外宇宙で生まれたエネルギー生命体。
多数のエーテル体が地球にやってきた目的は、地球を戦場とし最後の1体になるまで戦いあうこと。
そして、最後の勝者となったエーテル体は、エーテル体の女王として新たな群れの長となる権利を得る。
疾風が敵性エーテル体と戦っていたのはそのためだったのだ。
『これ以上の戦いへの参加は翠を危険に晒す可能性があります。ですから、翠。私は今後翠とは別行動をとりたいのです』
「今更何を言ってるの疾風! 疾風は私と武蔵村山を守ってくれたじゃない」
翠とエーテル体U6.tm8s=疾風との出会い。
車に轢かれるなっている子猫を助けようとして飛び出す翠。
絶対絶命。
その時、空から舞い降りたエーテル体U6.tm8sが、超能力で翠と子猫を助ける。
「助けてくれたの?」
『私はエーテル体U6.tm8s。他者の命の為に自分の命を投げ出すあなたの行動はとても興味深い。この地球の事を教えて欲しい』
その後、仲良くなる翠とエーテルの色々なエピソードを回想していく。
「私は最後まで、疾風と一緒に居る!」
『翠……、ありがとう』
× × ×
疾風とメカ怪獣の激闘のシーン。
先日の武蔵村山市街戦の様子だ。
それをモニターしている2体のエーテル体。
エーテル体QD.Pm8CEと、エーテル体88G0zO06だ。
『あの体は我々のポテンシャルを格段に引き上げるようだ』
『我々も手に入れよう』
× × ×
総合玩具メーカーヨロコビヤ本社。
プラモデル開発部門ラボ。
突然大地震に襲われるビル内。
「みんな避難するんだ!」
避難するヨロコビヤ社員達。
誰も居なくなった社内にエーテル体QD.Pm8CEと、エーテル体88G0zO06が現れる。
地震を起こしたのはこの2体のエーテル体だった。
社内の机には、開発中のモノコックウェポンズ・フラウのテストショットサンプルが並んでいる。
組み上げられたテストショットを眺める2体。
『私はこのボディにする』
『では私はこのボディだ』
2体は、2つのプラモデルに憑依する。
× × ×
立川駅。
映画館。
で、映画を見ている翠とコビ子。
突然、映画館を地震が襲う。
避難誘導のアナウンスに従い、避難していく観客達。
「フヒッ、早く逃げるでござる、翠! あれ? 翠が居ないでござる」
× × ×
映画館の屋上。
翠と、疾風が居る。
『エーテル体の反応があります。それも2体』
2人の前に現れる2つの発光体。
『U6.tm8s。いや、疾風よ、我々の誘いに応じてくれたこと感謝する』
『感謝するなの!』
「何その喋り方……」
と、翠。
発光体の光が消え、徐々にその輪郭が明らかになる。
2体のプラモデル、モノコックウェポンズ・フラウが宙に浮いている。
『私はエーテル体QD.Pm8CE! 疾風と同じように名乗るとしたらミセリコルデなの!』
ミセリコルデ。戦車型MW:F。(メカデザイン島田ミカ)
『私はエーテル体88G0zO06! 新しい名前はベイズラードだ!』
ベイズラード。兎メカ型MW:F。(メカデザインこつえーまつじ)
「疾風と同じプラモデル?!」
『疾風! 私達と戦うなの!』
空中から飛来する光。
アーティファクトだ。
『エーテル体同士の接触を確認。これより女王選抜戦を開始する。戦い合え、エーテル体よ!』
『言われるまでもないなの!』
砲戦ユニットの砲門を全解放するミセリコルデ。
砲弾を無制限に発射する。
『なんの!』
迫る砲弾。その全てを日本刀で切り落とす疾風。
『ではこれでどうだ?』
額のウサ耳型レーダーを動かすバーゼラルド、ビーム砲撃をする。
ミセリコルデの砲弾と、ビームの同時攻撃を受けきれずに被弾する疾風。
『くう!』
「2対1なんて卑怯よ!」
『女王選定戦は、最後の勝者を決めるまでが全てであり、その過程に制限はない』
とアーティファクト。
3体が激闘を繰り広げる。
『このボディは我々の体を戦闘用に最適化するようだ』
とベイズラード。
『戦力が互角である以上、数の優位差は埋められないなの! ……このボディに定着してから言語回路がおかしいなの……』
2人がかりでの戦いで苦戦を強いられる疾風。
「疾風! あなたは一人で戦っているんじゃないわ! 私と一緒に戦いましょう! 疾風!」
『翠! しかし!』
「敵は2体! なら私と疾風で2人組みになれば数は一緒よ!」
『わかりました! 翠、貴方の精神エネルギーを吸収します!』
「遠慮なく使って疾風! エーテル体最大励起! 疾風、四式戦装甲、リンクアップ!」
翠と疾風の体が発光する。
翠の光が、疾風に吸収されてゆく。
『なんだそれは!』
と、ベイズラード。
『人間の精神エネルギーを吸ってるなの!』
と、ミセリコルデ。
「疾風、必殺!」
『必殺、木の葉落とし・斬! チェストオオオオオオオオオーッ!』
疾風の必殺技が、ミセリコルデとベイズラードを撃破する。
『きゃああああなの!』
『ぐうう、関節をやられた、一度退避するぞ、ミセリコルデ!』
『わかったなのベイズラード! 覚えているなの疾風!』
消える敵2体のモノコックウェポンズ・フラウ。
『戦闘行動の終了を確認。しかし決着はつかず』
同じく姿を消すアーティファクト。
残された翠と疾風。
「私達勝ったのね? 疾風」
肩で息をしている翠。
『はい』
「よかっ……た」
倒れこむ翠。精神力を消耗しすぎたのだ。
『翠、しっかりしてください! 翠!』
× × ×
プラモデルショップ。
パテを使って体を修理するミセリコルデとベイズラード。
『あの疾風の力にはどうやってもかなわないなの……』
『いや、方法はある。我々も人間の精神力を吸収すればいいのだ』
『人間……。なるほどなの……』
悪い顔をする二人。
× × ×
第2話「開幕の時」
エンディング&エンドロール。
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ぱちぱちぱちぱち。
食堂に拍手が流れる。
「これが第2話だ」
と、俺。
「疾風と同じような子が3人も出てきました」
と、ルナリア。
「カラスマ。もしかして疾風と同じようなゴウレムって他にもたくさんいるの?」
と、ガーネット。
「ゴウレムじゃなくてプラモデルな。モノコックウェポンズ・フラウだったらかなりの種類が発売されてる。こっちの世界で手に入るかわからないけど」
「それよりどうしてミセリコルデとベイズラードは疾風に意地悪をするのですか? 血統に頼らず女王を選抜するなら、立候補による投票や推薦による選出などができるはずです。戦いを焚きつけるアーティファクトは本当に許せません!」
「まぁそうなんだけど、戦うシーンがないといけないからなぁ。モノコックウェポンズ・フラウの販促アニメだし」
ちなみにこのアニメ、ヨロコビヤの一社提供で作られている。今時制作委員会方式じゃないのは珍しいんじゃないだろうか。
「翠さんはどうなってしまうのですかカラスマ?」
とメイド長。
「そうよ! あの子倒れちゃったじゃない」
「続きを見せてくださいカラスマ様!」
えー……。君達決闘を控えてるのに緊張感が無さ過ぎないか。
まぁ、緊張して精神を追い詰めるよりはいいか。
「わかった。じゃあ第3話を見るか」
そういうことになった。
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