第107話 異世界名物ドラゴンステーキ!
第107話 異世界名物ドラゴンステーキ!
『イャン……、イャン、イャン……』
(中略)先生はボロボロだったが、何とか飛べた。
ボロボロの状態で、さらにぶら下げたドラゴンの肩付きの腕が重たい、疾風が下から押して補助する。
飛行速度は出なかった。行きの倍の時間をかけて俺達は屋敷に戻った。
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ベルン男爵邸。
ずん。
腕を庭?というか屋敷の近くの丘に置いて、そのまま着陸する、
ずしん。
と、ほぼ墜落する(中略)先生。
ショックでケツが痛い。
「……飛ばすのがやっとだったんだ、ごめんよ……」
と、ムトーさん。
「……大丈夫っす。ありがとうございました……」
と、俺。
二人とも、怪我と疲労で(中略)先生の背から動けない。
「ごはん」
と、ハウ。
元気だねキミ。
屋敷から何事かと、皆出てきた。
「どうしたのこれ!」
と、ガーネット。ドラゴンの腕がドンと置かれてりゃそりゃ驚くか。
「カラスマ様!」
と、ルナリア。
「これは!?」
と、メイド長。
「ガーネット……」
を、呼ぶ俺!
「カラスマ! 何あなた怪我してるじゃない! 大丈夫なの!?」
「駄目だ……医者呼んでくれ」
と、そのまま倒れた。
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男爵邸。
工房。
に、シーツを敷いて臨時の救護所にする。
「人を薬箱か何かだと思ってませんか?」
と、チャペル。
神官の神聖魔法の回復魔法を当ててもらう。
おお、すごいみるみる怪我がよくなっていく。
「ドラゴン退治とはタフガイ。勇者だなぁブラザー」
と、チャペルを連れてきたジャッジ。
俺とムトーさん、ハウは全快した。
「何でそんな危ないことしたのよ!」
と、怒るガーネット。
ものすごく怒っている。
「カラスマ様。危ないことはやめてください……」
と、目を潤ませるルナリア。
「カラスマ様に、もし何かがあったら……、私……」
ちょっと今回は考えなしすぎた。
反省。
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ベルン男爵邸。
スーパー銭湯スペース。
一番でかいメインの湯船にざぶんと入る。
どっぷりと湯船に肩まで浸かる。
足を伸ばす。
手を伸ばす。
湯船の中で大の字になる。
ふー。
熱い。
そして、気持ちがいい。
「やっぱり極楽だねー」
と、ムトーさん。
俺の隣で風呂に入り、同じく大の字になっている。
「フィール・ソー・good。アリーナの大浴場もいいが、ここのは風情があるな……」
と、ジャッジ。
同じく大の字になっている。
「俺はアリーナの風呂の方が好きだぞ」
と、俺。
「お前が好きなのは別の風呂だろブラザー?」
「「HAHAHA!」」
と、ジャッジと笑いあう俺。
「なんと破廉恥な」
と、チャペル。
風呂の中で体育座りすんなよ。もっと楽しめチャペル。
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ベルン男爵邸。
食堂。
「本日のメインディッシュは、ドラゴンのステーキでございます」
と、メイド長。
全員の食卓の前に、分厚いステーキが並ぶ。
『いただきます』
と、全員。
俺とムトーさんは目の前のドラゴンステーキを見て顔を見合わせていた。
あいつの肉かぁ……。
というか人間の姿にもなってたんだけど……。これ、食べていいのかなぁ。
「ナイス。なんてデリシャスなんだ」
と、ジャッジ。
あ、フツーに食べるんだ?
「はぁ……主よ。感謝いたします」
と、チャペル。
聖職者でも食べるんだ?
「良くやったわカラスマ! こんな超高級食材、よく手に入れたわ」
と、ガーネット。
お前は躊躇無く食べると思った。
「美味しいですカラスマ様」
と、ルナリア。
やさしい子なんだけど、やっぱり食べるのか。
「ごはん、ごはん、ごはん!」
問答無用。こいつはすごい食欲だな。
この世界の人間はみんな抵抗無くフツーに食べるものなのか……。
「いただきますって言葉の語源は、食物への感謝を現しているというし……」
(※諸説あります)
と、ムトーさん。
「ここは感謝を込めていただくべきかな……」
「そうですね」
と、俺。
ナイフとフォークでちいさく切り、意を決して食べてみる。
美味い。
美味すぎて言葉が出ない。
とろとろで肉汁ジュワー。
一皿ぺろりといけてしまった……。
ありがとう、ドラゴン!
「いや……これはすごいね」
と、ムトーさん。
「おかわりは要りますか? カラスマ?」
ハウに代わりの肉を配膳していたメイド長。
そういえば、メイド長はジャッジにワインを注いだり忙しく働いていて、食事を取ってないな。
「ねえ、メイド長は食べないの?」
「結構です。私には職務があります。本日はお客様も見えられていますので、あとで頂きますから……」
「そう言わず皆で食べようよ」
一応、主人にもお伺いを立てるか。
「なぁ、いいだろガーネット?」
「メイド長。当主として命令します。一緒に食べましょう」
と、ガーネット。
「そ、そうですか……」
と、メイド長。
そういうことになった。
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食後の食堂。
ジャッジとチャペルは帰った。
「皆電源は入れたかい?」
と、ムトーさん。手には(中略)を持っている。
「はい」
と、俺。手には(中略)を持っている。
「あ、絵が動きました!」
と、ルナリア。手には(中略)を持っている。
「こんなモンスター。見たことないわ」
と、ガーネット。手には(中略)を持っている。
俺達は(中略)を4台接続し、協力プレイをして遊ぶことになった。
遊ぶソフトはもちろん(中略)! プレイヤーがハンターとなってモンスターを狩る、アクションゲームの大名作だ。
「じゃあ、みんな酒場に集まってくれ、クエストを発注するから!」
と、ムトーさん。
「はーい」
と、ルナリア。
「あれ? あれ? これ同じところをぐるぐる回っちゃうんだけど、どうしたらいいの?」
と、ガーネット。
皆、楽しそうだな。
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1時間後。
「あっ、ごめん。またやられちゃった……」
と、ガーネット。
「もういい、お前はキャンプから出てくるなよ! 一人で2没しやがって」
と、俺。
「そんな……」
「お姉さまはもうこないで下さい。もう一回やられたらゲームオーバーしちゃうんです」
「ルナリア様。回復薬を渡しますから、使ってください」
「ありがとうございます! ムトー様」
2時間後。
「緊急クエストクリアです! やりました!」
と、ルナリア。
「お疲れ様」
と、俺。
「わからん」
と、ハウ。
「ハウさんも筋がいいよ」
と、ムトーさん。
「楽しいですね、このゲーム」
と、ルナリア。
「ああ、最高のゲームでしょ?」
「はい! すごく楽しいです」
「あぁ、僕もこんなに楽しかったのは久しぶりだよ。また家族で遊んでるみたいだった」
「ご家族で遊んでらっしゃるんですね」
「ああ。前はよくね」
と、ムトーさん。
「……」
「? どうかなさったんですか? カラスマ様」
「……いや、なんでもない」
「私は楽しく無いんだけど……」
と、ガーネット。
わかったからすねるなよ。
だいたいお前が手に持った(中略)を叩きつけるからいけないんだからな。
その晩はみんなで遅くまで(中略)で遊び、メイド長に怒られた。
すごく怒られた。
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