第102話 羽うさぎの夫婦の修理。
ブックマーク220件突破しました!!
(剥がれて減ってるかも知れませんがこの更新の時点では221件です)
本当にブックマークが増えるのが日々の楽しみで、更新のはげみです!! ありがとうございます!
このまま目指すぞ300件!!
第102話 羽うさぎの夫婦の修理。
複製したレジン製の羽うさぎの夫婦。
こいつを元通りに修理する。
といっても、片方はヒール部分を直すだけ。
もう片方は、べきっと曲がってるのを元に戻して、パテで整形しなおすだけだ。
そんなに大変な作業じゃない。
ファンタジー異世界由来の魔法の工具と、魔法がかった材料を使えばさくさくすすむ。
聖剣デュランダルブレードの兄弟剣を加工して作ったヤスリとかムトーさんチートが過ぎると思うよ。
ムトーさんと俺で手分けしてかかる。
5時間くらいで、さくっと終わった。
形を整えるために磨くのに一番時間がかかったくらい。
完成! 2代目羽うさぎの夫婦。
手で持つと、魔力が流れたのかうさぎの手足の意匠がじたばた動いてる。
良い感じだ。
さっそくメイド長に渡す。
「ありがとう。ございます」
メイド長の笑顔。
満面の笑みだった。
この人、こんな顔も出来るんだな。
「履いて試してみてもいいでしょうか?」
庭に出ることになった。
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庭。
日もすっかり暮れている。もう夜だ。
庭には、メイド長と、ガーネット、ルナリア、ついでにハウ。俺と、ムトーさんがいる。
メイド長は新生羽うさぎの夫婦を履いている。
「では……」
わくわくする俺とムトーさん。
メイド長が靴を揃え、その場でジャンプした。
メイド長の体が5メートルくらい跳び上がった。
すごい!
成功だ。
メイド服のロングスカートを翻し、華麗に着地するメイド長。
「どうだいメイド長」
と、俺。
「……」
と、無言のメイド長。浮かない顔をしている。
ガーネットとルナリア、ハウの表情もどこか微妙だ。
あれ? どうしたんだろう?
「ありがとうございました。カラスマ。ムトー様。ですが……」
メイド長は靴を脱いだ。
そして、もともと持っていた初代羽うさぎの夫婦に履きかえる。
片方は折れて履けない状態なので、ヒールの折れた片方だけ。
それを見ている俺と、ムトーさん。
メイド長は、靴を履いた片足だけでジャンプする。
メイド長の体が、跳び上がった。
一気に屋敷の屋根の上、学校の校舎みたいな屋敷の屋根の上まで。
「……」
と、俺。
ムトーさんも無言だった。
飛び降りてくるメイド長。
片足だけで華麗に着地する。
「羽うさぎの夫婦は、履いた者のジャンプ力や、速力、キック力などを引き上げてくれるゴウレムです。本物はこのくらいの威力が出るのです」
と、申し訳なさそうに、俺と、ムトーさんに頭を下げた。
「いただいた新しい羽うさぎの夫婦は、普段使いにさせていただきますね」
と、メイド長は笑ってくれた。
笑ってくれたメイド長だけど、その笑顔はどこかさびしそうだった。
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夜。
ベルン男爵邸。
スーパー銭湯スペース。
今日はお客さんが来ているので全ての湯船にお湯が張ってある。
壮観だ。
一番でかいメインの湯船にざぶんと入る。
どっぷりと湯船に肩まで浸かる。
足を伸ばす。
手を伸ばす。
湯船の中で大の字になる。
ふー。
熱い。
そして、気持ちがいい。
「極楽だねー」
と、ムトーさん。
俺の隣で風呂に入り、同じく大の字になっている。
「日本人はやっぱり風呂だよねぇ」
と、ムトーさん。
「はい、本当にそう思います」
と、俺。
「……」
「……」
「……」
「……」
「リベンジしたいなぁ」
と、俺。
「僕もそう思ってた。メイド長さんのあのさびしそうな顔を見ちゃうと特にね」
と、ムトーさん。
「あれ、何がいけなかったんでしょうか」
と、俺。
「んー」
と、ムトーさん。
「この世界、生物の形をイメージして彫ったものは、それそっくりに動き出すんだよね」
モンスターを狩るゲームに出てくる(中略)先生。あれは架空の生物だが、ムトーさんが架空の生物をイメージしながらそっくりに作ったら、実際に本物そっくりに動き出した。動かすのにムトーさんが魔力を注ぎ続けて、操作する必要はあるんだけど。
「カラスマくん。羽うさぎってうさぎ? モンスター? それを実際に見たことある?」
「あっ……。そういえば無いな」
「無いよね。僕も無い。多分複製とはいえ、僕達の羽うさぎをイメージする力が足りなかったんじゃなかろうかと思う」
「なるほど」
羽うさぎがなんなのか良くわかってないで、形だけ真似て複製してたな。
「それと、材料の問題かなぁ」
材料か。
「武器型ゴウレムって僕も仕組みは良くわかってないんだけど、生物のフィギュアのゴウレムと違って、聖剣とか魔剣とかあっちに性質が近いものなのかもしれないんだよね。いわゆる喋る剣、インテリジェンスブレードみたいな奴。生きている武器というかさ」
ゴウレム。疾風なんかは、他人が触っただけで動いたりはしない。
ズーランの龍撃鞭は、俺が触っても動いてた。
なんか、ゴウレムそのものに魔力がこもってるものみたいなんだよな。
「オリジナルの羽うさぎの夫婦は、見るからになんかすごい魔石というか、魔法の石かなにかを削り出して作られてるよね」
「ええ」
「今回はミスリルの粉を混ぜてみたけど、あれじゃ魔力が足りなかったのかもしれないなぁ」
「魔力の篭った素材かぁ……」
ズーランの龍撃鞭は、なんかすごいドラゴンの牙を削り出したとか言ってたなぁ。
「ドラゴンの鱗とか削って入れてみるのはどうですか? なんかきっと魔力がこもってると思いますよ」
「ドラゴンねぇ。ドラゴン狩りかぁ……というか、モンスターをハントするわけだねぇ」
「二人でなってみますか? モンスターの狩人、モンスターハンターに!」
「モンスターハンターかぁ」
顔をお湯で洗うムトーさん。
「いくか、カラスマくん?」
ばしゃああっと、湯船から上がるムトーさん。
「いきましょう! ムトーさん」
ばしゃああっと、湯船から上がる俺。
「わからん」
いつの間にか入っていたハウに、お湯がかかる。
また、いつの間に入ってきたんだよドラ猫。女の子が男湯に構わず入ってくるもんじゃないよ。
……。
とにかく。
そういうことになった。
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