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戦国時代に宇宙要塞でやって来ました。  作者: 横蛍・戦国要塞、10巻まで発売中です!
天文17年(1548年)

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第二百十五話・黒船出発!

side:久遠一馬


 翌朝は雲一つない快晴だ。


 今回関東に行くのは、信長さん・信光さん・信安さん・政秀さんを筆頭に今回初対面の林通政はやしみちまささんなんかも居る。この人は林兄弟の一族で、昨年の一件で不遇な立場になっていたけど、信秀さんがメンバーに入れたみたい。


 槍が得意らしく、史実だと槍林という異名があったとか。どうも一族の汚名をそそぎたいとやる気の人だ。


 あとは、信長さんが連れてきた可成さんとか竹千代君も居るね。護衛という名目だけど若い武士が結構いる。将来のために他国を見せたいんだろう。


 ウチからはオレとエル・ジュリア・ケティ・メルティに加えて、太田さん・一益さん・慶次・望月太郎佐衛門に千代女さんたちの侍女も来ている。当然、忍び衆からも選りすぐりのメンバーが同行している。




「かず。出立だ!」


 幻庵さんたちやオレたちの見送りに集まった人たちに見送られ、船団は出発した。


 河口から伊勢湾に出る時に桑名が見えたが、当然無視して進む。進路は一路南へ向かう。


「そういえば願証寺の僧が来てましたね」


「ああ、桑名の件は自分たちとは関係ないとの弁明と旅の無事を祈るそうだ」


 そうそう津島で願証寺の僧が、信長さんに急遽面会を求めて来たって聞いたけど。出発前に弁明をしに来たのか。


 ただでさえ北条に嫌われてるからね。一向衆は。有らぬ噂を関東でされたくはないんだろうな。


「これはいいな!」


「まことに」


 この日の目的地は大湊だ。大湊で一泊して、明日はいよいよ沖乗りで東に行く。


 ただ伊勢湾内はそこまで波も荒くないので、信光さんと信安さんなんかは木製のリールで釣りをしている。


 基本的にお客様の皆さんは操船もできないし、やることは特にないからね。


 どうもみんな船旅を楽しみにしていたみたい。船旅は危険だって教えたんだけどね。ウチで使ってるんだし、エルたちみたいな女も乗るんだから大丈夫だろうって考えてるみたい。




「この船の船内は凄いですね。かわやや台所まであるとは……」


「本物の南蛮船にも負けませんよ」


 西堂丸君は年が近い竹千代君と、何故か一緒に船内の探検をしていた。


 ごめんね。言えないけど本当はこの船は南蛮風の船なんだ。本物の南蛮船より清潔で快適に造っているんだよ。ガラスはめてないけど明かりとりの窓もあるし、空気の入れ換えとかも考えられている船なんだ。


 見た目はほぼ南蛮船だけど同時代の南蛮船と比べると一回り大きく、未来の技術で造ってるから木製でも細かいところまで周到に出来てるから、安全性や快適性は別物だろう。


 さすがに動力は今回の航海中は封印して使ってないけど、それでも絶対に沈まないから安心してほしい。 


「……これはまた華やかな弁当ですな」


「ちらし寿司です。酢飯ですので、この時期でも傷みません」


 お昼はちらし寿司弁当だ。エルたちが早起きして作ってくれた弁当になる。刻んだ焼き海苔に錦糸玉子。干し椎茸の煮物に海老や魚が乗っている。


 飲み物は冷ました麦茶だ。夏だし熱い汁物は特になくても問題ないからね。


「船でもこのような美味い飯が食えるとは……」


「水軍の話では船では握り飯くらいしか食えぬと聞いておったが……」


 天気がいいし波も比較的穏やかなので、船乗り役のバイオロイドの半数が操船してる以外は甲板でみんなでお昼を食べている。


 海だからそれなりに海風があるし、帆の影は涼しいけど、それでも操舵と操帆で影が動いて、日に当たれば暑いし、酸味の利いてるちらし寿司は最高だね。


「長期航海になればウチの船でも食事は厳しくなりますよ。ただ今日は出立したばかりですし、中継地の大湊も近いですから」


 波は穏やかな方だけど当然ながら揺れはある。みんなさすがにそこまで食事は期待していなかったようだね。


 だけど、今回の航海は外交的な意味合いもあるから、食事は頑張るつもりだ。


 まだ尾張にすら持っていってない瓶詰も食料として持参したほどだ。


 もちろん佐治水軍にも同じ補給と弁当を差し入れした。ただ向こうは船に調理設備ないからね。一部にはビスケットとか保存のできる物も積んである。


 瓶詰やつぼ漬けは佐治水軍にも差し入れしてあるから、栄養は問題ないし喜んでくれるはずだ。みかんのシロップ漬けとか、他では手に入らない物も積んでるしね。


 佐治水軍もそろそろお昼にしてるのかな?




side:織田信秀


「ほう。桑名はワシが攻めてくると?」


「はっ。どうやら織田様が関東に船と使者を送る話を知らぬようでございます」


 願証寺は早かったな。疑う必要すらないほどなのだがな。


「ワシは舐められておるのか? 桑名ごときを攻めるのに南蛮船をあれほど集める必要があるか。それとも桑名の会合衆にはワシごときでは思いつかぬ策でもあるのか?」


「ただのうつけと思われまする。我らも一緒にされては困ると参上致しました」


「禁裏の御料所を不当に占拠する痴れ者が」


 ふふふ。一緒にされては困るか。確かに敵が攻めてくると大騒ぎをして、ただの勘違いでしたでは大恥だからな。『武家でなくて良かったのう』とすら思うほどだ。さすがの願証寺も一緒だとは思われたくないか。


「ワシは桑名など攻めぬ。戦などしても蟹江と清洲の普請が遅れるだけではないか。その方たちも分かっておるようだがな。まあよい。わざわざご苦労であったな。食事でも出そう。ゆるりとしていかれるがいい」


「はっ。ありがとうございまする」


 願証寺はやはり手強いな。桑名と違って隙がない。このまま大人しくしておってもらうのが一番だな。


 桑名は……、まあ願証寺が好きなようにすれば良かろう。




side:六角定頼ろっかくさだより


「これは織田の策か?」


「桑名がうつけなだけであろう。織田が北条の小田原まで船を出すとの評判を知らぬとは……」


「本当に攻めるおそれはないのか?」


「願証寺がせっかく大人しく従っておるのだ。顔を潰すほど愚かではあるまい」


 桑名から急ぎの使者が来たというので会ってみれば、織田が攻めてくるので援軍をとのこと。


 織田が北条長綱を送るついでに小田原に使者を出すのは、すでに当家ですら周知の話だ。織田と北条は同盟を結ぶかもしれぬとすら言われておるからな。


 この段階で桑名に兵を出すか? まず有り得ぬな。


「御屋形様。念のため確認の使者を出しますか?」


「要らぬ。まともに取り合うなど恥を晒すようなものだ」


 仮に織田がこの機に本当に桑名を攻めたとて、何故ワシが兵を出さねばならぬ。万が一織田と願証寺が争うならば、介入なり仲介なりしてもよいが。


 それにもし織田が桑名を取れば、それは当家が桑名を攻める口実にもなる。いずれにせよ今の会合衆を助けるのは得策ではないな。


 商いで武家である織田の後手に回る商人など邪魔なだけだ。願証寺もさっさと排除すればいいものを。





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書籍版戦国時代に宇宙要塞でやって来ました。

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