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12 聖なる軍団

王国に戻りべノムに報告しに行った……

 帝国でカールソンさんと別れるのは大変だった。

 私に無理やり抱き付いて来たので、気絶させて引きはがして置いてきてしまいました。

 そして今私はべノムの家の前で任務の報告しに行きます。


「結局、勇者が現れたって事じゃなかったんだな?」


「ええ、最初の噂は間違っていて、これから現れる、が正解だったわー。一週間待ったけど結局現れず、一度王都に戻ったのよね」


 私は頷き肯定する。


「んで、俺が怒ってもう一度戻ったと。それから?」


「戻ったら勇者と言われた人物が、ラグナードの王城に呼ばれていたのー。その人はドラキアって人だったわ。それでその人の実力を見ようと、一緒に行動したのよねー」


「そいつはどうだったんだ。強かったのか?」


 私は首を振る。


「ぜん……ぜん」


「弱かったわー。野盗の一人も倒せない程にね。キメラと戦った時にも役には立たなかったのよね」


「弱いなら良い。俺達の敵になるのなら今の内に、とも思ったが……」


 私達に暗殺でもさせる気だったのですかね?

 正面からならまだしも、暗殺は気が引けます。


「でも彼の使ってた武器は中々の物だったわよー、黒く透き通った剣で、並の攻撃ではビクともしなかったわ」


「聞いた事があるな。黒水晶の剣、勇者と言われた家系に受け継がれていた剣そうだぞ? ならそいつが勇者で決まりかもな」


 勇者の家系ですか。

 あんな派手な装備は、普通の人なら高くて買えませんからね。


「でも彼、その剣を全然扱えてなかったわよー? 勇者の予言は占い師が出したみたいだけどー、百パーセントじゃなくて外れる事もあるんだって。偶々それが今回の事だったかもしれないわよー」


「まあ監視でも付けておくさ。それともお前達が監視するか?」


「嫌よ」


 まあそうでしょうね。

 毎日何もせずに男の監視とか、フレーレさんには無理でしょう。


 ドンドンドンッ


 私達が話していると、べノムの家の扉が叩かれた。

 誰か来たのだろうか。


「隊長、大変です隊長! 勇者と名乗る団体がいくつか押しかけて来ていて、今グラビトンさんが戦っています!」


「なんだそりゃ? 仕方ねぇ、お前達付いて来い」


「グラビトンさんと貴方が居れば十分でしょー。それに他にも誰か行ってるんでしょ? 私達が行くまでもないと思うわよ」


「良いから来いよ! 勇者はお前達の担当だろうが」


 何時の間にそんな担当にされたんだろう。

 私は一切覚えがないんですけど。

 うん、このまま怒られるのも嫌なので行きますけどね。


 いやいやながらも王都正門前まで到着すると、グラビトンさんがいくつかの団体と戦っていた。

 戦っていたというか、一方的に斬られています。

 まあ並の剣ではグラビトンさんにダメージを与えられないのですけどね。

 それで門を抜けようとした者だけを斬っている。

 一応死んではいないみたいですね。


「強すぎる、何なんだこいつは。魔族とはこんなにも強かったのか!」


「一旦引きましょうクラーク、もう少し修行すればいつか勝てるわ!」


「ああ分かったよミルク。覚えていろよ、この借りは必ず返すからな!」


 あれが勇者御一行様なのでしょうか?

 でも四人が逃げたけど まだ何人も居ますね。

 しかも戦っている間にもまた馬車が向かって来ています。

 そこから三人が降りて名乗りを上げる様ですね。


「我こそは聖なる光の勇者マーク・サンシャイン。裂光の剣を携えて、貴様達を滅ぼしに参上したぞ!」


「私はグレモリア・サンダルフォン。天空の光の勇者よ! さあ覚悟しなさい魔族共、ここが貴方達の墓場よ!」


「吾輩は太陽の光の勇者、マイク・ドラギネス。この剣の錆びになりたければ掛かって来るがい

 い!」


 勇者って何だろう?

 名乗った者勝ちなんでしょうか?

 まあ勝てればそのまま勇者として名を残せるかもしれませんね。

 勝てればですけど。


「お前達、見てないで変わってはくれないか? そろそろ面倒臭くなてきたんだが」


 グラビトンさんお疲れ様です。

 敵は後二十人ぐらいですよ、頑張ってくださいね。

 今回戦っているフレーレさんも、あまり乗り気ではないようです。

 私達を勝手に悪役にして、こちらが勝てば更に悪評を広げられる。

 負けたら負けたで、きっと誇張して吹聴するのでしょう。

 はぁ、なんて面倒臭いんでしょうか。


「フレーレ、一人捕まえて来てくれないか? 何でこんな事になってるのか聞きたいのだが」


「気が乗らないんだけど、まあしょうがないわねぇ」


 ああ、でもなんだか人攫いにされてしまいそうですよ。

 というかされるでしょうね。


「ん~と、誰が良いかしら? じゃああの娘にしましょうか」


 フレーレさんが勇者達の隙間を縫い、一人の娘の元へと駆け寄る。

 あれはグレモリアと名乗った人物ですね。

 特徴としては長いストレートの茶髪の女性です。


「なっ、こ、この!」


 狙われたリアが剣を振りかぶるが、柄の下を殴られ、剣が空中に弾き飛ばされた。

 フレーレさんにとっては軽いものでしょう。


「ちょっと、一体何するつもりなの! い、嫌アアアアアアアアアアア離せえええええええ!」


 まだ娘は抵抗しているが、フレーレさんに担ぎ上げられ、こちらに連れてこられました。


「リ、リアッ! お前達、リアに何をする気だ!」


 この娘の連れだろうか?

 怒り、こちらに向かって来ています。


「諦めるのだマーク、いずれチャンスが訪れる。この場は引くべきだ」


「畜生お前達! リアに酷い事をしたら絶対に許さないからな! 俺達は何時か取返しに戻って来るぞ!」


 リアの仲間の二人がこの場を去って行きますよ。

 攫われたといわれるならまだしも、なんかエッチな事をしているとか思われたら嫌ですね。

 私達の戦いを見て勝ち目がないと見て、また七人が逃げて行く。

 残った者もそれを見て去って行きましたね。

 残ったのは、フレーレさんに担がれたリアと言われた娘だけです。


「ひぃ、私に何をするつもりなの、ひ、酷い事したら許さないんだからね!」


「貴方リアちゃん? 私達は貴方にお話しを聞きたいのだけどー」


「何ッ、私は拷問されても何も話さないからね!」


「あっ、話さないのか? 仕方がねぇな、じゃあこの場で始末するか。しょうがねぇよな、話さないんだから。いや、それよりも強姦でもして子供でも生ませるのも良いかもしれねぇなぁ」


 私達が白い目でベノムを見つめると、汗が一筋流れていきました。

 脅しているのは分かっていますが、強姦はどうなんでしょうね?

 帰ったらロッテさんに言い付けてやりましょうか。


「ご、御免なさい、それだけは止めてください。何でもお話しますからお願いです」


「それじゃあ話してねー、何でこんなに勇者達が押し寄せて来ているのー?」


「実は、二週間程前にラグナードの町で、魔王軍がいかに強いかという新聞が配られたのです。それを見たラグナード王が怒り、魔王軍を一人でも倒した者には賞金を出すと言われて、それで私はやって来たのよ」


 二週間前だと、カールソンさんが干からびていた時だろうか。

 あの人も新聞記者ですし、まさか関わって……。

 少し嫌な予感がする。


「その新聞を書いた記者の名前って分かるかしら?」


「確かカールソンだったと思いますよ」


 リアは素直に教えてくれました。

 あの男は私達に恨みでもあるんでしょうか?

 ……まあ、ありますよね。


「聞きたい事は聞けたし、それじゃもう帰っていいぞ」


「こんな所から一人で帰れる訳がないでしょ! 私が魔物に食べられちゃうじゃないの!」


 べノムが帰れと言ってるけど、リアは帰ろうとはしない。

 馬車もないし、この人だけではまあそうなるでしょう。

 もうすぐ日も暮れますからね。


「はあ、しょうがねぇなぁ。一応メギド様に面会させて許可を取るか」


 リアがべノムに連行されて、お城につれていかれますね。

 一応私達もついて行くことにしました。

 べノムがエッチな事を企んでいるかもしれませんし。

 城に移動し、玉座の間に行くと、メギド様が椅子に座り何人かの親衛隊が待機しています。

 べノムが軽く説明し、メギド様は普通に許可をくれました。


「泊めるのは構わないけど、明日帝国まで送ってやるから、ちゃんと帰るんだぞ」


 しかしリアさん、メギド様をずっと見つめている。

 頬を赤らめて、なんだかちょっと止まっていた。

 どうかしたのだろうか。


「わ、私、グレモリアって言います。今日どうせ強姦されるなら貴方にされたい。貴方なら我慢できるわ。ちゃんとリードしてくださいね」


「はぁ? 何言ってるんだこいつ?」


 この場にイモータル様が居なくて良かった。

 居たら地獄絵図になっていたでしょう。


「いや、あのですね、口を割らせる為にちょっと脅しまして……ご、強姦するぞと……」


「はぁ、分かった。リア、残念ながら俺には妻も子もいるんだ、お前の願いは叶えられない。

あとそんな事はさせないから安心するといい」


「じゃあ貴方のお部屋に泊めてください。何もしないなら平気ですよね? 私は貴方の近くが良いんです」


 メギド様に一目ぼれでもしたんですかね。

 確かに良い男ですけど、無理ですよ無理。


「あ、俺用事思い出した。ちょっと行く所があったんだ。べノム、後は任せた」


 逃げましたね、どうするんでしょう。


「よしお前達、こいつは任せた。俺もちょっと用事があるから、じゃ、任せたぞ」


 べノムも逃げましたよ、私達に丸投げですか。


「そう、貴方達が私の相手なのね、綺麗な子は好きだから問題無いわ。さあ行きましょう」


 まさかこの人、女でも大丈夫な人なんですか?

 もしかして私達の貞操が危ないんでしょうか……。

 同部屋だと危なそうですね。

 縛り上げて部屋に転がしておきましょう。


ベリー・エル(王国、兵士)     フルール・フレーレ(王国、兵士)

カールソン(帝国新聞、平社員)   グラビトン(門番兼大臣)

メギド(王国、国王)


次回→王道を行く者達予定

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