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超能力者達の組織3

 lobbyと書かれた扉の先には大画面のモニターがドンと壁に設置されていた。それを数人が見ていた。モニターに映し出されたのはニュース番組らしく。内容は未知のウイルスの物だった。

 医療機関でウイルスを調べているだとか、ワクチンの完成はあとどのくらいだとか。そんなことをニュースキャスターが話していた。

 ニュース上の情報は俺が知っていることとそう変わらないからニュースから得られる情報は少なさそうだ。


「ニュースはマヒルちゃんと知っていると同じだから、そこのソファーに座って話そうか?」


 西村はロビーの隅に指してそう提案した。それに従って俺はソファーに腰を下ろして隣に西村が座った。


「さて、最初に何を話そうかな?」

「勿体ぶらないで、この状況になった経緯を話してよ」


 どれを話すか迷って考える素振りをする西村に俺はウイルスが世界にばら撒かれた経緯になったことを話すように訴えた。話す内容が数時間ほどのスケールだろうと俺はタマコのヘルヘスさん語りで慣れているから長時間の話を聞かされるのは耐えられる。

 ウイルス関連で連れてこられたここはスーパーアルティメット団の医療施設かなんかだろう。

 話しは長くなるようだし、西村達は俺に何かをさせる為にここに連れてきたそうだし、きっと今日は帰れないのだろう。後で両親とヨルノに連絡を入れておかないとな。


「わかった。それじゃあ、マヒルちゃんはスーパーアルティメット団以外に超能力者達の組織があるのは知っているかな?」

「知らないけど能力者を攫う連中がいるのだって最近知ったけど?」


 俺は今までうまく能力を隠していたが、この間誰かに能力のことを知られたことで誘拐された。それの一因としてスーパーアルティメット団に俺が能力者だって知られたのがまずかったのだろう。それと体売りの女として目立つことをしたのも原因だ。ヘルメスさんのようにSNSを利用せず世界中でいろいろとコッソリしていたら誰にも知られずにいられた。


「あの人達は普通の人達で、能力者を管理したいがための組織だね。能力者を異常存在として平和的に保護と収容の理念を掲げている取るに足らないアホ共さ。それは置いといて、今回ウイルスが世界中に蔓延したのはスーパーアルティメット団じゃない能力者の組織のせいだ」

「じゃあ、今起こっているのはウイルスを使った組織的なバイオテロなの?」


 テロを題材した漫画の内容をイメージしながら西村に返した。


「そうじゃない。今の現状に落ちいたのはマヌケでシンプルなことだ。彼らはフリーダムオブハッピー。名前はふざけているかもしれないと思うけど世界中に構成員を抱えている氷山の一角の組織。今回のやらかしは日本支部の自由委員会の構成員が異世界から持ち込んだウイルスが世界中に広まったんだよね」


 要約するにウイルスは能力者の組織フリーダムオブハッピーの日本支部自由員会の人が異世界から持ち込んだ物らしい。


「持ち込んだ構成員はウイルスで死んでしまったらしいけど、死体の記憶を見ることができる能力者がその構成員を調べたところ。彼らが行った異世界は男性が一人もいない女性だけがいる世界らしく、子供が作れなくて人類の滅亡の辿っていたらしいけどその世界のことはなぜ女性しかいないかは詳しくはわからないんだ。その構成員がその世界で好き勝手に暴れたみたいだよ。無理に性行為をさせたりしてさ。それでさ、なんで男性がいないのを疑問を持たなかったのか理解に苦しむが、その異世界のウイルスに感染した構成員がこちらの世界に戻って、他の仲間と共に世界中を飛び回ったようで、そのせいでウイルスが空気感染によって広まって今に至るわけなんだよね。この世界の人類が滅亡なりかけているからほんとうに迷惑な話だよ」


 長ったらしく話す西村はモニターを見つめながら愚痴る。

 世界がなぜこうなったのかだいたいわかった。能力者のせいでウイルスが蔓延したとか、話に出てきた異世界で女性しかいなかったのはウイルスによって男性が死滅したのだろう。早めに何とかしないとこの世界も同じ道をたどるハメになる。


「それで僕を呼んだのは人がウイルスで死なないようにするため?」


 俺はここに来て何をさせられるか察した。

 感染した人をウイルスで死なないように改造するためにここに連れてこられたのだろう。もしくは未感染の人を改造してウイルスを無害化させるためか。

 どちらにせよ。そのために俺がいるのだろうけど未知のウイルスをどうにかできるかどうか。俺も感染して死ぬかもしれないしけど。


「それもそうなんだけでどね。お!丁度来たみたいだ」


 西村の視線を追うと数人がロビーに入ってきた。


「ださださ団のトップじゃん」

「こらこら他所様のことをそう言うのはよくないですよ。彼らには先日私達の子を助けてもらったばかりではないですか」

「そうすけっど、俺っちはスーパーアルティメット団がやった去年のことは忘れてないっすよ」

「お前そりゃ、こんな状況になればお互いいがみ合っていても無駄だから手を取り合うしかないだろうよ。そうでもなければこの神の試練を乗りこなせないだろう。神を信じようとしない自由委員会の基地に入るってだけでも吐き気がするのによ」


 ロビーに入ってきた集団は不揃いというかバラバラな恰好していた。赤白の巫女衣装を着ている子がいれば、フリフリなミニスカの和服の着ている女の子やシスター姿の女性、お坊さんが着ている法衣ような姿の巨漢に、アクセサリーを身体中につけているほぼ半裸の男。

 これは何の集まりか謎の集団と言いたい。新手の宗教団体の集まりか?神道と仏教とかいろいろ混ぜ合わせた宗教なんて聞いたことが無い。


「教命部の皆さん。待っていたよ。後は自由委員会の連中だけだね」


 西村は右目を痙攣させながらも笑みを浮かべてそう言った。

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