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帰宅を伸ばすことはできる方法はないだろうか?2

 翌日、西村はホテルのロビーで待っていた。

 西村やその仲間もこのホテルに泊まっていたようだ。


「マヒルちゃんにアイちゃん、おはよう。他の子達は朝食を食べているよ。二人も行きな」


 西村の勧めでホテルのバイキング朝食を取ることにした。

 プレートに茶碗やお皿を乗せて、それぞれ食器に朝食を適当に乗せる。

 流石、お高いホテル。朝食バイキングのメニューは白米の他にピラフにワカメなどのご飯物があり、パンケーキ、トーストのパン類も豊富だった。おかずも定番のウィンナー、目玉焼き、ベーコン、納豆、生卵などがあった。そしてフライドポテトもあった。

 スープはカレーにコーンスープ、味噌汁があった。


「あーあ、今日も災難だわ。取りたかった単位があったのに今からじゃ間に合わないわ」


 朝食を頬張る俺の正面に座ったアイちゃんがため息交じりにそうつぶやいた。


「そういえばアイちゃんは大学生だったね」

「大学生だったねってないよ。こっちはやっとの思いで入った大学なんだから、最近いろいろ忙しくて単位が取れてないのよ。今回のせいで大学に行けないし」


 アイちゃんは能力者関係で忙しいらしい。それで大学に行けずに嘆く日々を送っているらしい。それで嘆くのならばアルティメット団の方は無視して学業を優先すればいいのにと思うが、今回みたいに予期せぬ事態に巻き込まれる場合があるようでなんとも言えない。


「まあ、頑張ってね」

「マヒルちゃんは高校生よね?学校方はいいの?」


 何かを思い出したかのようにアイちゃんは俺に聞くが、俺はアイちゃんに比べて特に受験勉強を頑張っていたわけではない。受験の日だって視界を利用して他人の答えを丸写ししたような物だ。


「僕の学校ね。皆勤賞を狙っていたけど今回はしょうがないよ。一日くらい欠席はあんまり響かないと思うし」

「そうなの?ほかに何があると思うけど、例えば友達が心配しているとか何かあるんじゃない?」

「友達?僕、あんまり友達いないんだ。クラスには友達はいないから。能力のことでいろいろあるからね」


 俺は意味深に言うが、学校では能力を使ってもクラスメイトにはバレる要素はほぼない。俺は空気のようにクラスメイトには見えないからいてもいなくても変わらないと思う。ほぼ空気な俺はワンチャン、先生の手違いで出席扱いなるかもしれない。

 そんなクラスメイトのことよりも親のことで凄く不安だ。

 友達と言えばミキミはタマコとルカに上手く説明してくれたかな。今回警察沙汰になったからもしかすると学校の方にも連絡が言ったかもしれない。

 普段の学校生活はハイドモードで過ごしていたから気にしなかったけど学校に連絡がいっていると仮定するとだんだん両親の他に学校関係で不安になってきたぞ。

 警察もきっと学校の方に説明しているはずだ。


「どうしたの?顔が引きつっているわよ?」

「気にしないで変なことを思い出しているだけだから。大丈夫」

「そう?マヒルちゃんがそう言うなら。でも悩みがあるならお姉さんに相談しなさい。能力関係で悩んでいるなら相談に乗ってあげるわ。それに同じ学校にアキラがいるからそっちに相談していいし、マヒルちゃんは周りに相談できる人がいるんだから頼った方がいいわ」

「うん、何かあったら相談するよ」


 人生の先輩染みたことを言うアイちゃんはデザートのプリンを食べた。


「またね。マヒルちゃん」

「うん、また今度」

「誘拐されないように気をつけるんだよ」


 アイちゃんと西村達と別れて、俺は送ってくれるというパトカーに乗り込んだ。

 ついに帰る時がきた。

 パトカーは高速道路に乗り、走る。

 ドキマギしながら窓の外の景気を見ていた。言葉が少ない人なのか運転手の警察の人は黙っている。

 東京から実家まで数時間以上かかるがため、その間に姿を女から男に変えないといけない。

 警察の人が運転に集中している間に男の姿になろうと考えていると、パトカーが途中で高速を降りた。

 あれ?と思った。東北まで高速を走りきるとばかり思っていたのに宇都宮辺りで高速を降りたんだ。不自然さを感じた。

 西村から言われたばかりなのに即効で誘拐されたら、笑うしかない。


 パトカーはどんどん人気が無い場所へ向かうように進む。


「あのー今どこへ向かっているんですか?」

「近道」


 パトカーがどこに向かっているのか気になって問いかけるが、運転手の警官は言葉少なめに呟くばかりでどこへ向かっているのか答えてくれない。

 この警官なんか怪しい。目的地に向かって高速に乗っていたのに途中で降りるし、行き先を聞いても答えない。

 怪しさ満点の警官は船にいた誘拐犯達の仲間だと思う。

 逃げる為になんか理由をあげて適当な場所で下ろしてもらうのも手だな。それで逃げて警察から見えなくなったところでテレポートで無人島に行くのがいいだろう。相手は俺が能力者だと知っている可能性が高い。

 それと車の中で急に消えるのも面白そうだ。この状況から抜け出すのはチャンスだ。家に到着する前に男の姿に戻るチャンスだと俺は思う。


 窓の外は田んぼや畑しかない風景が続き、奥に山が見える。俺はいったいどこへ連れていかれるのだろうが、テレポートをしてしまえばどこに連れていかれても関係なく帰れるわけだし、人の目は運転手の警官しかいない。後日、今日のことを聞かれた時は警官の人に送ってもらったと言えば大丈夫だろう。運転をしている人は行き先不明な場所に行こうとしているし。

 能力を使ったところで別にいいだろう。変な場所に連れていかれるかはマシだろうから。


 ということで俺は車の中から無人島にテレポートをした。そして男の姿に着替えてドキドキしながら実家に帰ることにした。

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