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誘拐9

 すぐさま着替えて船の上に戻った。

 先ほどのコンテナのところでふらーと現れるとアイちゃんと西村が話し合っていた。


「助けに来るのが遅いわよ」

「ごめんごめん。どこにいるのか分からなくてね。でもマヒルちゃんのおかげで助けに来れたんだしいいじゃん」


 俺のおかげで西村達が助けに来れた?西村に連絡しれた覚えはないぞ。しかも連絡先もしれんし。俺のスマホは今家にあるし、いや偶然スマホを取り寄せていた時にGPSを探知して来たのかな。

 GPSを探知できる能力者がいてもおかしくない。それか機械に対して能力者がいるかもしれないな。西村達が本気を出せば俺の居場所なんて手に取るようにわかるわけか、うん。体売りの女やヘルメスさんをやるときは極力スマホは家に置いていこう。


「アイちゃん、誘拐犯達はどうなったの?ヘリも飛んでいるしどうなっているの?」

「マヒルちゃん!どこに隠れていたのよ?でも無事でよかったわ。私達を西村が助けに来たのよ」


 何も知らない体で現れたら、心配した様子のアイちゃんに抱き着かれた。

 俺はアイちゃんの頭を撫でた。


「やあ、マヒルちゃん怪我が無くてよかった。妹さんやお友達が心配していたよ?電話かけてみるかい?」

「西村?助けられた、のね。電話はいい。西村あのヘリで送ってくれるの?」


 形的に西村に助けられたのは尺だが、いいや。今は助けられたことを受け止めよう。

 上に飛んでいるヘリで全員帰らせてもらえるのだろうか?でも全員は乗れないだろうし、それに誘拐犯達をどうするだろうか。


「いいや。このまま船で本土に戻るよ。この人達を警察引き渡す必要あるし、それに警察庁のお偉いさんを無理に連れてきた意味がなくなる」


 西村、ヘリを見上げた。

 警察の偉い人を連れてきたようだ。西村は警察の偉い人と顔見知りのようだ。

 誘拐事件だし、西村達が能力者とはいえ相手は武装しているから、いくら仲間が攫われたと言う大義名分があるとは言え、自分達の保証人となる人物が必要なのだろう。


「にしむらー。こっちは終わったよ」

「二人は誘拐犯達の見張りを頼む。こっちは操縦席でやることをやる」


 西村はヘリに向かって手を振った。ヘリは船のヘリポートに止まり、数名の人を下ろして飛んでいった。


「マヒルちゃん達はゆっくり休むと良いよ。日本に着いたら知らせるから安心して。それとマヒルちゃんは必要ないかもしれないと思うけどあの女性は看護師だから怪我とかあるなら治してもらえるよ。ミサキちゃーんこっち!」


 へらへら笑う西村はヘリから降りてきた中の女性を指して、その女性を呼んだ。

 ミサキと呼ばれた女性はダボダボのパーカーとジーンズの姿で看護師というより大学生のように見える。


「じゃあ、俺はこれで。・・・やっぱりヘルメスとマヒルちゃんは別人か。色が少し違うし、能力も違う。日本に大きな光を放つ人が人が二人もいるなんて世界は広いようで狭い」


 俺達のことをミサキという人に押し付けて西村は仲間達と一緒に船の中のどこかに行った。視界で確認したら操縦席の方へ行ったようだ。

 最後に何か言っていたようだけど聞き取れなかった。西村のことだからろくでもないことだろう。聞かなくてよかった。

 俺達は保健室に向かった。


「こんにちはミサキです。看護師をやってます。この中で怪我している子はいるかな?」

「なによ?ミサキ。ここに噂のマヒルちゃんがいるのよ。怪我をしているならマヒルちゃんが治しているわ。この子は凄いんだから。でも気分が悪いから取り除いて」


 ミサキという人は改めて自己紹介をした。

 どうやらアイちゃんとは顔見知りというか、彼女もスーパーアルティメット団のメンバーなのだろう。ということは彼女も能力者ということになる。医療系の仕事をしているからそれにあった能力なのだろう。西村が連れてきた全員が能力者と見ていいだろう。

 能力にあった仕事していることになる。能力者にとってそれは天職と言えるだろう。


「はいはい、こっちで横になって」

「はーい。・・・だんだん楽になってきた」


 アイちゃんはミサキの指示に従ってベッドに横なる。ミサキはアイちゃんの頭部を優しく触れる。アイちゃんはだんだん力が抜けた表情になってきた。

 他人が能力を使う様に興味がある俺はそれを観察していた。

 誘拐された他の子達は特に怪我や外傷はなく、西村の仲間が配っていたお茶と弁当を食べている。自分達が助かったと実感しているようだ。

 俺ももちろん受け取った。腹は空いていないが、観察を気づかれないように食べているながら見ることにした。


「マヒルちゃん?貴女もやってほしいの」

「僕はいいです物珍しかったので見ていただけです」


 ミサキに視線を気づかれたので適当に理由をでっちあげて視線を窓の向こう側に視線を移した。

 保健室の窓の外を見ると海の向こうに東京のビルの明かりが煌びやかに見えた。

 何事もなく戻ってこれた。

 俺はこれでいいかと思ったが、家族には秘密がバレたかもしれない現実が怖くてこの時間が長く続けばいいのにと願うこの頃。

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