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誘拐8

「ヘリ?誰かが呼んだ増援か?」

「行方不明になった仲間が呼んだかもしれない。くくく。これでお前も終わりだ」


 誘拐犯達もヘリの存在に気づいたようで勝ち誇ったようなことを言っている。

 ヘリは船の上空でホバリング飛行してしる。

 しかし、あの人タワーマンションの一フロアを持っていながらヘリも持っているのかよ。とんだ金持ちだな。


「あのヘリのことを言っているなら勘違いもいいとこだよ。もしかしたら君達と敵対している組織かもしれないのにな」


 誘拐犯の勝ち誇った呟きに返す。

 何を見て誘拐犯達はあのヘリを味方だと思っているのだろうか。ヘリの側面にはSA団とプリントされたロゴがあるのに。それを見れば味方ではないことが一目で分かるのに。

 角度からしてロゴが見えないから仕方が無いか。


「ちょっと何が起こっているの?あなたはヘルメスさん!?どうしてあなたがここに?」

「やあ、君がアイちゃんだね。俺はマヒルが呼んだ助けだよ。でも助けは必要なかったみたいだね。ほら君達も危ないからコンテナに入った方がいいよ」


 コンテナから顔を出したアイちゃんに手を振って空を飛んでいるヘリ刺した。それから俺の後をついてきていた子供達をアイちゃんが隠れていたコンテナに入るように警告する。

 子供達は誘拐犯とヘリを交互に見て少し考えたあとそそくさとコンテナの中に入っていった。


 俺がヘルメスさんモードで戻ってくる必要はなかった。だってあのヘリに乗っているのは西村とその愉快な仲間達だもんな。

 どうやって誘拐された俺達が乗る船を見つけたのかは、仲間に探させたのだろうけどヘリまで使ってくるとはびっくりしたよ。


「こっちに変なヘルメット野郎がいるぞ!」


 俺の後ろからぞろぞろと誘拐犯の仲間達が現れた。

 本当に増援かと思ったら、俺がコンテナに閉じ込めた誘拐犯の皆さまでした。鍵とか閉めて出れないようにしたのにどうやって中から脱出したのか。見るからに能力者ではないように見えるし、コンテナに中から出ることができるギミックがあったのかもしれないな。しかも俺が銃を捨てたのに全員新たな銃を手にしている。

 雑魚が増えたところで今の状況が変わるわけではないからな。


「さて増えたところで本気を出しますか。おや?」


 指の節を鳴らしながら、能力を使おうと思ったら。ヘリから二つの影が落ちてきた。

 二つの影は身体がメタリックな輝きを放つブーメランパンツ一丁の男と糸目の優男が船に上に降り立ったのだ。


「おや?君達は西村のお友達かな?」


 ヘリから降りた二人は西村の関係者だ。てかヘリには何故か西村が乗っている。アイちゃんを助ける為に来たのだろうけど。


「お前がヘルメスっていう怪人か?一発殴れば逃げるような弱そうなやつだな」

「今はそいつは敵じゃないようだぞ?アイちゃんがいるあのコンテナを守っていたように見える。喧嘩を売る前に銃を持ったおっさん達を先に片づけろ」


 ブーメランパンツ男は俺を睨みつけて険吞な雰囲気を漂わせている。それを糸目の男が言葉で止めて誘拐犯に向きを変える。

 西村の仲間なら当然二人は能力者のはずだ。

 ブーメランパンツの男は見ての通り、体を鉄に変えられるようだ。そして糸目の男の能力はいったいなんだろう。


「こいつら能力者だ!打って!」


 誘拐犯達は銃を構えて、銃弾の雨を浴びせてくる。

 俺は痛そうだから念力で一弾づつ止める。

 ブーメランパンツ男は全身で銃弾の雨を浴びて受け止めている。その後ろで糸目が誘拐犯達を指さした。


「バーン」


 糸目がそう言って何をふざけているのかと思っていると誘拐犯の一人が衝撃を受けたかのように後ろに吹っ飛んだ。


「バンバンバン」


 糸目が次々と誘拐犯を指して、短い呪文みたいに唱えると誘拐犯達が後ろに飛んでいく。


「ラストにエアーボール」


 拳を前に突き出した糸目から野球ボールサイズの空気の玉のような物が誘拐犯に向けて飛んでいった。誘拐犯の前で弾けたと思ったら、弾けた瞬間もの凄い空気の爆発が生まれた。

 誘拐犯達は爆発的な風に飛ばされて海へと落ちていった。


 糸目の人の能力は空気を操る能力、もしくは圧力を加える能力かもしれないな。もしくは両方。

 バンバンと言っていたのは指先から空気の弾丸を放っていたかもしれない。

 今のエアーボールは念力で踏ん張っていなければ俺も吹き飛んでいたかもしれなかった。


 誘拐犯達を倒した二人は、糸目の方はヘリに向かって手を振り、ブーメランパンツ男はアイちゃん達が隠れるコンテナの扉を開けていた。

 俺の出番はなかった。誘拐犯達が片付いたので俺は去ろうとした。


「待ちな。ヘルメスと言ったか?お前は何者なんだ?」


 ブーメランパンツ男に呼び止められた。

 俺はただ友達に呼ばれただけ(設定)なんだけどな。てかさ俺は何者なんだろうな。改めて考えてみると。


「俺ね。偶然通りがかった怪人とでも思ってくれればいいよ。俺の通り道に困っている人がいれば助けるし、嫌なことをする人がいれば排除する。そこらへんにいる自由人と変わらないさ」


 俺はブーメランパンツ男にそう言って無人島にテレポートをした。

 テレポートする前にヘリから西村が降りてくるのが見えた。西村に会うのは嫌だけど着替えて船の上に戻るしかないか。

誘拐の話は次で最後です。

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