幼馴染、再会
次はいつになるだろうか。
ルカに連れて来られた俺は。
「ごめーん。待ってた?ちょっとクラスメイトとモメちゃってでもマヒルちゃんを連れてきたよ」
「僕は用事が終わったから帰ってゲームをしたいのになによ」
ぐいっとルカに背中を押された俺はタマコとミキミの前に出された。
「え?マヒルちゃん?え?どういうことなの」
俺は見たミキミが困惑し始めた。
それはそうだ。男だと思っていた幼馴染が女生徒の制服を着て自分の前にいるのだから。
「どうしたの?まさかマヒルちゃん違いだった?」
「違うの。でも私の知っているマヒルちゃんだけど。こんなの知らない」
「ミキミ、悪いけど僕はこうなんだ」
うろたえるミキミを見てルカとタマコの二人は顔を見合わせた。
「私達はどこかに行こうか」
「そうだね。二人で話すことがあるだろうからね」
ルカ達は何かを察して校門を去った。
ルカ達がいない方が話がこじれなくて都合がいいけど。
「ルカ達いちゃったけどいいの?遊ぶ約束をしていたんじゃないの?」
ルカの作戦を知らない体で言う。最後までルカの心当たりを知ることができなかった。気になる。
ルカ本人はどっかに行ったし、てか俺がミキミの前に現れたからミキミはルカの心当たりを頼る必要がなくなったからどっちみちルカの心当たりを知ることができない。
「ううん。だけど二人はマヒルちゃんを探すのを手伝ってもらったの。マヒルちゃんがこんなことになっていたなんて驚いたよ」
「そう?いろいろ聞きたいことがあると思うが、ここで話すことが難しいからどこか話せるところで話そう」
「じゃあ、私のお家に行こうよ」
「あ、それよりもカラオケとかいいじゃないの」
とミキミが提案した。
女子の家に行くのはちょっとって感じでミキミの提案に被せるようにカラオケ店行こうと俺が提案した。
「マヒルちゃん、私のお家に行くの嫌なの?お話しする場所は私のお部屋だよ。お茶とか出すよ。それでもダメー。マヒルちゃんが大好きなお菓子も出すよ。それでも嫌なの」
ミキミは今にも泣きそうな顔をするので速攻で根負けした。
「わかった。行くからウルウルするな。僕がお前を泣かしたって周りが変に思われるだろう」
「本当?マヒルちゃんありがとう。早速田中さんに連絡するね」
ミキミはスマホを鞄から取り出してメールを打ち始めた。
今、ここで簡単にミキミの前から消えることは簡単だ。でもその後が少々面倒なことになる。
俺が消えたらミキミが泣くからだ。女子に泣かれるのが嫌だからしょうがなくミキミの家に行くだけだ。
それとミキミがメールを送る相手の田中さんはミキミの家で働くお手伝いさんだ。何歳かはわからないが女性で若くて美人だったと思う。
ミキミの家に行ったのは小学生以来だったから、田中さんはもう三十を超えて四十近いだろう。
俺には関係ないことだが。
「ところでマヒルちゃんはなんて女の子のかっこをしているの?」
「それは人のいるところで話せない」
きたか。ミキミは俺が男だと知っている人物。当然ミキミは俺がどうして女装しているのか疑問に思うはず。
不思議な力に目覚めて自分を女体化させて可愛いフリフリな服を着て街を練り歩いていたなんて口が裂けても言えない。この状態をなんて説明したいいものか。
そのまま女装に目覚めたと説明したものなら、学校内で変な噂が立つからな。でも気にしないか。どうせ、クラスメイトどころか学校にいる人間はほとんど俺のことを認知できないのだから。
変な設定がついても別に構わない。ミキミは俺が女装癖だと知っても心の中にしまって付きまとうと思うけど。ルカとタマコに言うかもしれないが。
ミキミに見つかった以上はミキミの家に行くしかない。ミキミを泣かれるのは嫌だ。
ミキミの家ってどうも落ち着かない。
ミキミの家は俺ん家の四倍ぐらいある豪邸でミキミの両親はほとんどいないが、お手伝いさんの田中さんが家事からミキミの話相手までしている。ミキミが小さい頃からずっといる。
ミキミの父親はなんの仕事をしているのかはわからないが、凄く儲けているみたいだし、母親も株にFXに投資で大成功している。
ミキミは超が付くほどのお金持ちのお嬢様。
俺がお金をくれっと言った次の日には100万の札束をポンと手渡してきた。金銭感覚が壊れた女の子。
今の俺も金には困っていないけど。ミキミがお金を貸して言えば今すぐに100万の札束をポンと渡せる。
ミキミが100%言わないとけど。
「マヒルちゃん着いたよ。上がって、田中さーんただいまー」
「ミキミちゃんお帰りなさい。お部屋にお茶の準備が終わっています」
田中さんが玄関で出迎えてくれた。田中さんはスーツとタイトスカートの上にエプロンをつけたOLチックな印象の女性だ。
昔とちっとも変っていない姿である。
お手伝いさんなのにスーツとタイトスカートを着ているかと昔本人に聞いたら「スーツとタイトスカートは女性の仕事服」と答えてくれた。そしてお手伝いさんだからエプロンをその上につけているとも。
「田中さんありがとう。私達は部屋にいるね。マヒルちゃんこっちだよ」
ミキミの家の上がり、ミキミと二人でミキミの部屋に入る。
ミキミの部屋は教室ぐらいの広さがあって私物と思わるぬいぐるみが部屋中に置いてある。ぱっと見女の子らしい部屋だ。
「マヒルちゃん触っていい?」
「はい?」
ミキミは部屋に入るなり、そんなことを言って、俺の疑問形の「はい」をイエスのはいと受け取って俺の胸にある膨らみに触れた。




