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誘拐6

 俺達は保健室を出て、残りの子供達がいる場所へと向かっていた。


「その子達がどこにいるのか分かっているの?」

「うん。さっき船の中を見回っている時にわかったよ。しかもそこには厳重に監視カメラがいっぱいあったからね」


 アイちゃんは俺が残りの子供達がいる場所にまっすぐ進んでいるのを疑問に思ったのかそんな問いをあげてきた。俺は事前に用意していた回答を口にする。


 その監視カメラが見ている物が見ることができる警備室には誘拐犯の仲間が一名いるが、警備室を視界で監視しているから俺達が監視カメラに映るタイミングで注意を逸らしているから今は見つかっていない。

 監視する場所を監視しているってなんか面白いな。

 誘拐犯の仲間は連絡を取れなくて焦っている様子でまだ連絡が取れる数少ない仲間に俺達が発見された場所に行かせている最中だ。

 そんなわけだから俺達は誰にも発見されずに向かうことができる。


「ハルちゃんにヒトミちゃんはあの人達に何かされたの?」

「「・・・・」」


 一緒に行動している少女と幼女は最後まで自ら名乗ることはないが、俺が手に入れた資料で名前が判明しているのでアイちゃんが声をかけているが、アイちゃんに答えることはない。

 少女の方はハルで幼女の方はヒトミちゃんだ。

 少女とか幼女とか呼んでいたけど正直呼びにくかった。名前だけわかっただけでも前進したと言える。ちなみに二人の苗字は同じだ。顔付きも似ているから姉妹だろう。

 姉妹で超能力を持っているのか。もしかしたら我が妹であるヨルノも超能力を持っているかもしれない。いつか目覚めるかもな。

 資料には彼女達の能力について何も書かれていなかったが、ハルの能力は判明している。俺やアイちゃんの足を捻じ曲げたことから念力に間違いないだろう。ヒトミの方はわからないが、一緒に連れてきたと言うことは俺達を行動不能にさせる類いか。ただハルに言うことを聞かせる為に連れてきたというわけであるまい。


「質問を変えるね。二人の能力は何かな?」


 黙る二人にアイちゃんは諦めずに話しかけている。


「ハルの方は念力だろう。同じ能力を持っている人を知っている」

「ちょっとマヒルちゃん。私は二人に聞いているのかってに答えるのはやめて」

「だって黙っているんだもんな。それもしょうがないでしょ?急にどこへ向かっているのか知らない船に乗せられて自分の秘密を話せって言われてもね。不安でしょうがない中で誰だって黙ると思うよ」


 アイちゃんに二人が黙り続けている考察を話した。

 アイちゃんは能力を使えば二人にペラペラと話をさせることは簡単にできるだろう。能力を使わないのは、アイちゃんが二人が自らの意志で心を開いてくれるの待っているからだろう。


「壊す力」

「ヒトミちゃん?今なんて言ったの?」


 幼女、ヒトミがぼそりと消え去るような声で呟いた。そんな急にな呟きを聞き逃したアイちゃんは思わず聞き返した。


「すべてを壊す力」


 聞き返されたヒトミは答えながら足元にあった鉄屑を拾いあげるとパラパラと鉄屑が崩れていく。鉄の塊である鉄屑が砂鉄になったように細かく風に吹かれて海へと消えていった。

 彼女はわかりやすいように俺達に見せてくれたようだ。これがこの子の能力か。触れただけで鉄を粉にできるのか。とても危険な感じがする。

 人に一回触れただけで粉にできる力か。死体を残さずに人が殺すことができる。応用できそうだ。


「とりあえず二人の能力が判明したことでさっさと行くよ。アイちゃんは二人を気にしているのはよくわかったけど、早く行こう」


 もうすぐ俺達がいる場所に残りの誘拐犯が来るみたい。視界で見ているモニタニー映し出される俺達の近くにある防犯カメラがとらえていた。


「そうね。こうしている場合ではなかったね。でもヒトミちゃんが少し心を開いてくれて進展はあったわね」


 ヒトミが自分の能力を打ち明けてくれてアイちゃんは少し嬉しそうだ。

 ハルの方も素直になってくれるのを待っているのだろうけど、今は悠長に待っている暇はないだろう。


「足音が聞こえた。そこに隠れろ!」


 見張りと思られる足音が聞こえた。近くに扉が空いていた部屋に転がるように三人の少女を押し込めて隠れる。扉を少し開けて見張りが通りすぎる姿を見送った。

 隠れた部屋は物置だったらしく体の小さな少女達が入るには凄く狭い一室だった。詰め込んだアイちゃんの顔が俺の胸に埋もれていた。


「行ったみたい。焦った。見つかるかと思った」

「ぷっはー。何が見つかるかと思ったのよ。貴女の胸が口と鼻が塞がれてくるしかったわよ」

「ごめんごめん、でもアイちゃんも二人に同じように塞いじゃっているよ。僕よりも大きんだし」

「苦しい」

「息ができな、い」

「二人ともごめんなさい!」


 ハルとヒトミがアイちゃんの胸に埋もれて息ができなくて白目をむきだした。それを見たアイちゃんはつい大声で謝罪の声をあげた。

 俺がアイちゃんの口を塞ごうとしたが、遅かった。


 アイちゃんの声を聞いた見張りが戻ってきた。


「見つかった。これはアイちゃんのせいだよ」

「ごめんなさい」


 アイちゃんを攻めながら逃げるはめになった。

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