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誘拐2

 その後俺は大きいスーツケースに詰められて遠い場所に運ばれることになった。

 まあ、視界で外を見れるから方角が分かるけど、一体どこに向かっているのだろうか?

 俺を誘拐した実行犯の二人はただ雇われていただけのようだし、俺を今運んでいる人達は俺をただ人身売買の商品として丁寧に運んでいる。

 俺をスーツケースに入れる際に軍手をしていた。極力俺に触れないようにしているのが丸わかりで俺の能力をわかっているのは確かだ。


 外はすっかり暗くなっている。もう夜だ。

 ヨルノ達はどうしているのだろうか?無事に帰っているだろうか?帰って今頃警察に通報していることだろう。誘拐されたことでややこしくなっていそうだ。

 さっきの二人に誘拐された時点で帰ればよかったな。時間が経てば経つほど帰りたくなくなってきた。


 外には船が見えるようになっていた。もう海まで来たのか。

 船に乗せられて海外に売り飛ばされるのかな?超能力を持った少女として高く売られるのか。それとも人体実験の施設に収容されて体の隅々まで調べられるかな。そういう組織に収容されたら内部から破壊してやる。


 そう息巻いているとスカートのポケットから俺のスマホの着信音が鳴った。自分が誘拐されたことでスマホの存在を忘れていた。そういえば没収されなかったな。抜けている奴らめトランクから着信音が鳴ったから車内はプチ騒ぎだ。

 奴らは「アイツら、スマホを取ってなかったのか。雑な仕事を」とか「待て、音を真似ているだけだ。今開けたら思うつぼだ」とか騒いでやがる。

 スーツケースの中はめちゃくちゃ狭いが何とかスマホをポケットから取り出して着信音を確認するとルカからのメッセージだった。

 内容は「妹さんとの買い物どうだった?お昼話した時何か思い悩む表情していたけど」と送られてきた。

 ルカは俺が誘拐されたことを知らされていないのかのほほんとしたメッセージだった。

 スマホのバイブレーション機能と着信音を切って、返信として「今はそれどころじゃない!誘拐された!ガチwww!」とメッセージを送ってやった。

 今度はヨルノに「車に乗り換えて街から西方面に向かった海にいる。何とか脱出を試みるから心配はいらない」と送った。

 送ったが、ものすごく心配しているだろうな。両親と一緒に。

 今の状態でも簡単に脱出して帰れるけど、帰るのが怖い。ヨルノ達が能力のことを話してないといいけど。それに再び狙われるのはめんどくさい。ええい、乗りかかった船だ。最後までやろう。


 いつの間にかスーツケースの外は車が止まっている。

 数人がスーツケースを開けるか開けまいか揉めている。半分以上が俺の罠だと言っているし、もしスマホを持っていても今自分がどこにいるかわからないはずだと言っている。それに対して相手は能力者だ。一度中を確認した方がいい。もしかしたら警察に通報しているし、GPSで居場所を特定されていてもおかしくないぞと。


 揉めている間俺はスマホゲームをして遊んでいた。今日ログインしていなかったソシャゲだ。スマホを没収される前にこのソシャゲだけでもログインボーナスを受け取らないと。

 ソシャゲのログインボーナスをすべて受け取ってから自宅の自室へスマホをテレポートした。

 これで没収されないし、自由に取り寄せられる。


 揉めに揉めた結果、スーツケースを開けることになった誘拐犯達は慎重に鍵を開けた。

 俺はそのタイミングで思いっきり鍵を開けた男の顔面に蹴りを入れてやった。男がよろめいた隙に車から飛び出した。だが、その仲間の一人がスタンガンの銃、テーザーガンを俺に向けて引き金を引いた。

 誘拐犯達は狙い通りに行動してくれた。

 もちろんテーザーガンを持っているのも知っていたし、数人ほどスタンガンを持っているし、全員催涙スプレーを所持している。そして銃も。


 俺はテーザーガンで痺れたフリをしてその場に倒れた。その後すぐに体の隅々まで身体検査をして俺はまたスーツケースに入れられた。

 これで俺がスマホを持っていないと確かめたはずだ。だからスーツケースの中でスマホを弄っていて音が鳴ったとしても怪しまれないはずだ。

 それと身体検査でちゃっかり俺の胸と尻を揉んだヤツ、顔覚えたからな。後で覚えてろよ?


 再びスーツケースの中でスマホを見ながら誘拐犯達の行動を視界で観察していたが、大した動きはない。

 港に着くと男達は車から降りて大きな船に俺が入ったスーツケースを運んだ。船は貨物船のようでコンテナが沢山ある。その中の一つに俺が入ったスーツケースを入れて、コンテナの扉を閉めた。


 俺は誘拐犯達が離れたのを確認してスーツケースから出た。コンテナ内は暗くてよく見えなかったのでテレポートでスマホを取り寄せて懐中電灯代わりに周囲を照らす。周りには箱が置いてある。中に何か使える物があるかもしれない。

 てかさ、人を狭いスーツケースに閉じ込めて置いて放置とか下手したら死ぬぞ。


「あー、これからどうすっかな」

「ちょっとそこに誰かいるの。ここから出してよ」


 箱から声が聞こえた。

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