表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/197

誘拐

 まんまと誘拐させられた俺は視界で呆然と立ち尽くすミキミ達を見て安心していた。

 そしてこれから何をしようか考えていた。そしてなぜに俺を狙ったか。


 その人達から逃げるのは簡単。テレポートすれば逃げられるけど、逃げたらまた狙われるだろう。今度はヨルノやミキミ達が狙われる可能性もある。

 俺を狙う理由は、やっぱり能力者だからだろう。

 俺が超能力を持っているのはミキミやヨルノ以外だと西村しかいないが、西村はマンションに俺を連れてきた時と同様に仲間の能力を使って誘拐してきたから今回のように誰か見ている中で実力行使のごり押しで誘拐するとは思えない。

 西村以外だと誰も思い付かない。抜けている俺が能力を使ったのを誰かが見ていたかもしれない。

 そこは考えても答えにたどり着けないからいいか。


 考えるのをやめて誘拐犯達を観察する。

 二人の誘拐犯はフードとマスク、サングラスで素顔を隠しているのはモチロン、できるだけ肌を露出させないようにしている。俺を車に乗せた男の方は軍手までしている。俺に素肌で触れないようにしているかのように思える。

 まるで俺の能力に対しての対策だろう。

 どこから漏れたのかはわからないけど、今はこの人達をどうするかだ。身体を自由に変化させられる能力に対して対策をしているが、俺にはそれ以外にも能力を持っている。

 例えばこの人達から見えないようにハイドモードになれるし、テレポートでここから抜け出すこともできるし、車ごと海へテレポートで移動することができる。車を念力で止めることもできるが、他にも仲間がいるかもしれない。迂闊に能力を使わない方がいいだろう。車の中に小型カメラとか盗聴器とかもあるかもしれないし。

 待ち合わせ場所で俺達を監視していた人達もミキミを狙っていたのではなく俺を狙っていたかもな。俺の妹のヨルノを見張っていたところを見ると。


 静寂に支配されているかのように男達は俺を誘拐してから一言も話さずに、運転手は時折、後方をチラチラ確認している。俺を乗せた男は片手にナイフを握りしめて、俺を監視している。

 下手に動いたらそのナイフで刺してきそうだ。だからそのナイフは捨てよう。


 男が持っていたナイフを車の外へテレポートで捨てた。

 男は手が滑ってナイフを落としてしまったと思ったのか、自身の足元を探し始めた。テレポートで捨てられたと知らずに。


「おい、何している」


 運転手が男の不意の行動に疑問思ったのか、車内の静寂を破り男に声をかけた。


「ナイフを落としたみたいだ」

「そんなのは後でいい、お前はコイツがおかしなことをしないように見張ってろ」

「わかった」


 男は運転者に言われた通りナイフを探すのをやめて、俺の監視を再開した。

 やはり俺を何もさせないように見張っているようだ。たぶん俺が能力を持っていることを知っているのだろう。

 どこに連れていかれるのだろう。俺はヨルノの買い物後にいろいろ予定があるのに、人の予定を考えない迷惑な人たちだな。


 車に乗せられてから数時間、窓から見える景色は民家が並ぶ街並から畑や田んぼが広がる景色にいつの間にか変わっていた。人がいない場所へ目指しているのか車はどんどん田舎の方へ向かっているようだ。

 こっちも目撃者が少ない方が助かるけど。思う存分能力を行使できる。


 車は静かに農道を進み、林と言うべきかその奥へと進むと寂れた民家が出てきた。民家は凄く古く壁は枯れた蔓科の植物が付いていたり、窓ガラスが割れている。長い間誰も住んでいない廃屋だ。強い風が吹けば倒壊しそうだ。

 夜に来たら雰囲気でそうだ。

 車を数時間走らせた場所にこんな場所があるなんて知らなかった。


 ここが目的地だったようで、俺を乗せた車の他に一台ハイエースがあった。

 先客がいるようだ。

 ドラマで見るような俺をこの民家に閉じ込めて身代金を親に請求するパターンではないようだ。まさか人身売買に売り渡されるとはな。

 俺が車から下ろされたと同時にハイエースから何人か降りてきた。その中の一人がビジネスバックを持っていて、運転手に中身を見せていた。ビジネスバックの中身は金だ。

 それを受け取った運転手と男はそのまま車に乗って去っていった。

 ハイエースに乗っていた人達と俺が残された。


 もしかして俺って派手に動き過ぎた?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ