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体売りの女5

 今夜も体売りの女をやる。

 パソコンを起動してSNSの体売りの女のアカウントを開いてみる。DMが沢山来ていた。三割くらいが英語や外国語だったからそっちの方は読めないから放置でいいだろう。依頼をするなら俺が読める言語にしてほしいよな。でもまさかたったの一日で世界中に体売りの女の名前が轟くことになるとは。凄いや。

 日本語で来た依頼は放置するのはかわいそうだから受けるつもない依頼には断りのDMを送った。


「うーんどれにしようかな。まずはこれかな」


 選んだのは北海道に住む人だ。内容は猫尻尾を生やしてほしいとのことだ。よほど猫が好きなのだろう。

 さっそく指定された場所の近くにテレポートしてその場所まで歩いて向かう。

 そこには二十代後半の女性が待っていた。

 女性もこちらに気づいたようで挙動不審にオロオロし始めてこちらに走ってきた。


「ちょっと君そのかっこ寒くないの?」

「大丈夫です。体売りの女です。お姉さんが依頼者ですか?今回は猫の尻尾を生やしてほしいとの依頼ですか?」

「そうだけど、本当に寒くないの?」

「気にしないでください。ここは人目にあるようなので場所を移動しましょう」


 甲高いアニメ声で気遣い無用と言い放ち、自己紹介をして続ける。

 正直言うと寒い。五月終わりの北海道は真冬並みに寒すぎる。夏に着るようなワンピース一枚は凍えてしまいそうだ。でもこの衣装は体売りの女のユニホームみたいな物だ。まだ二階しか着ていないけどこの衣装に決めたんだ。


 指定された場所は人が良く通る場所で仕事帰りのサラリーマンや車が通りかかる。

 猫尻尾を生やしてほしいということだから腰に生やしてほしいだろうからズボンを脱いでもらう必要がある。


「人がいない場所?ラブホテルでもいい?貴女って何歳?」

「年齢は秘密です。ラブホテルでもいいですよ」


 ラブホテルで生やすことになった。

 お姉さんに近くのラブホテルまで連れてってもらって、二人で入った。

 フロントにヘルメットを外せって言われたので素顔は見せたくなかったので頭だけ部分テレポートで無くした頭の部分を見せたらもの凄い引かれた。

 見せろって言ったのはそっちになのにその反応はひどくないか。

 お姉さんも俺のことを化け物でも見るような目で見てきた。頭が無いからしょうがない。

 ヘルメットを被り直して部屋に行く。


「どんな柄の尻尾がいいのでしょうか?」

「この子と一緒の柄でお願いします」


 部屋に入るなり、すぐにお姉さんにどんな尻尾がいいかを聞いたらスマホを差し出してきた。

 スマホの画面にはお姉さんが飼っていると思われる猫の写真が待ち受け画面に映し出されていた。猫の柄はキジトラだ。

 生やす尻尾はキジトラ特有のオレンジのシマシマ柄。白一色とか黒一色の方が簡単だが、依頼者のご希望だ。わがままは言えない。


「では始めましょう。まずズボンを脱いで尻をこちらに突き出して」

「え?」


 お姉さんは戸惑いつつも言う通りに従い、恥ずかしそうに上着とズボンを脱いでベッドの上に四つん這いになってこちらに尻を突き出した。


「すぐに終わりますからこの状態をキープしてくださいね」


 お姉さんの腰い触れて、尻尾を生やす部分を撫でて生やした。


「はい、終わりました。何か痛みとか言ってください。初めのうちは違和感があるかもしれませんが、人間は元々尻尾が無い生き物なので我慢してください」

「え」


 羞恥心に耐えようとしていたお姉さんはあっけなく終わったことに驚いていた。

 家は速さが売りな物で、俺以外の同業者なんていないだろうけど。

 尻から生えた尻尾に触れて感触を楽しんでいる。毛の感触は飼い猫のようなサラサラでフワフワにしてみた。彼女の表情から見て満足いくできのようだ。


「終わりましたのでこれで帰りますが、何かありますか」

「あのいくらくらいなのでしょうか?」


 用事も済んでいざ帰ろうとしたら、俺はまたもや金を忘れるところだった。金には困っていないし、体売りの女ロールを楽しんでいる上に金には困っていない。尻尾を生やす程度、安くてもいい。


「じゃあこれで」


 人差し指と中指を立ててピースサインをした。


「二万ですね。はいこれでお願いします」


 二千円でよかったが、猫尻尾が生えたお姉さんは二万円と勘違いして、嬉しさ爆発で諭吉札を二枚差し出してきた。そしてお姉さんはこそっと「もっと高いと思った」と呟いていたが、二万円でも高いと思うよ。高校生からしたら。


「じゃあこれで」

「あのまたDMしたら来てくれますか!?」


 喜んでホテル代を出してくれたお姉さんはSNSで依頼すると言うので。


「どうでしょう。昨日のニュースで有名になってしまったので難しいかと思います」


 昨晩のニュースのおかげで有名になったからお姉さんの依頼をまた受けるのは無理だろう。お姉さんの依頼を受けたのもSNSを適当にスクロールしてたまたま目に留まっただけでほぼ俺の気分次第だ。お姉さんの運が良ければ俺の目に留まるだろう。

 俺が体売りの女ロールに飽きたら速攻でやめると思うけど、しばらくは頑張って続けよう。

 心に決意してお姉さんとラブホテルの前で別れた。

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