体売りの女4
「ねえ。マヒルちゃんいる?」
午後の授業を終えて、今日も家に帰って体売りの女の活動をした矢先、教室にめんどくさくて珍しい人物が来た。
その人物はクラスメイトに声をかけて俺がいるかどうか確認しているが、クラスメイトはハイドモードの俺を認識できない上にクラスメイトはクラスに俺という存在がいることをいらないから戸惑っている。
その人物がどうこうしている間に俺は教室から抜け出して人気がない場所で女子モードになり、教室に戻った。
「アキラ先輩なんで教室に来たのですか?」
その人物とはアキラだ。なんで教室に来たのかは大方予想はついている。昨晩の件で来たのだろう。
遠からずスーパーアルティメット団、もといアキラや西村が来ると思っていた。予想以上に来るのが早かったのは昨晩の病院の件がニュースになったからだろうし、フォロワーも急に増えたことで目をつけたのだろう。
体売りの女の能力は病気の治療の他に欠損した部位を治す、追加するなど身体を弄れる力を持っている。スーパーアルティメット団に教えた俺の能力が体売りの女と能力が被っているから俺の下へ来たのだろう。
「マヒルちゃん。どこに行っていたんだ。君のクラスメイトに君のことを聞いても知らないというんだ。クラスを間違えたと思ったが、さっき調べたデータはこのクラスだし、どうなっている?」
「さあ、自分のクラスには友達もいませんし、声をかけられないように息を殺して工夫してますので」
アキラが言う調べたデータが気になったが、彼の能力で職員室に忍び込んで俺がこのクラスにいるのを教師のパソコンとかで見たのだろう。
アキラの問いには適当に答えた。アキラや西村には俺が複数の能力を持っているっていうことを匂わせたような気がするが、アキラの考えはどうでもいいだろう。
アキラは先週の鬼ごっこでこの学校には俺以外に能力を持っているかもしれないって思っているかもしれないしな。
「アキラ先輩はどんな用件で僕を?」
「そうだった。この後暇かい?話したいことがあるんだけど」
「マヒルちゃん、一緒に帰ろう」
アキラはそう話を切り出してきたタイミングでミキミ達が来た。
クラスメイトや他の教室の生徒が遠巻きで見ているからそろそろ俺とアキラが付き合っているみたいなことを言われそうだ。この間も教室の前で痴話げんかをしているってコソコソ話されていたからね。
いいタイミングで、ミキミ達が来たからアキラとの話は切り上げよう。
「昨晩のニュースの話ですか?その件で話をするのは僕個人としては不要だと思います。友達が来たのでこれで」
「待って、大切な話なんだ。学校から近いカフェにでも」
アキラを置いてミキミ達の下へ行こうとしたらまたもや手を掴まれてし待った。
「マヒルちゃんに春が来たの!これは告白なのね」
ルカが変なところで反応してテンションがおかしくなった。変な誤解をほっとくと面倒なことになりそうだからルカには後で違うと言っとこう。
別にアキラは俺に告白する気はないと思うけど、目立つことは控えろとか人前で能力を使うなとか言いたいだけだと思う。
「ノーセンキュー。僕はこれで」
アキラの手を振り払ってミキミ達と一緒に学校から出た。ミキミ達と一緒にいればアキラは俺に対して何もできないだろう。リンちゃんや他の仲間もいない今、前みたいな強硬手段はとれないだろう。
帰る途中視界で後ろを確認したら、地面に潜むアキラを見かけた。学校からずっと俺を監視しているらしいが、見え見えの尾行は正直鬱陶しい。
なんで尾行をしているのか分からないが、このままだと家に入れない。アキラの能力は家の壁すら通り抜けられるから家の中でも監視されるのは困る。俺が本当は男だったと知られるわけにはいかないしな。
もしやアキラは俺が体売りの女とは思っていなかったかも、俺と似た能力を持った人が現れたと思っていたとかで体売りの女イコール俺と思っていなかったが、念の為に俺に確認したかったけど俺が知っているようなことをほのめかしたことで俺が体売りの女と思った。それで放課後の話はアキラのカマかけだったのかもしれないな。
アイちゃんみたいに人の考えが分かる能力を持っていたらな。アキラが何を考えているかわかっていらぬことを言わなかったのにな。
「またね、マヒルちゃん」
「ああ、また明日」
ミキミと別れたが、まだアキラはつい来ている。
もう諦めた。アキラから簡単に振り切れるけど家の場所が割れている。家に待ち伏せされて男の姿を見られたら終わりだ。
割れ右して道路の隅の地面に潜むアキラの前に立った。
「付けてくるのやめてくれませんか?」
「あれ、バレてた?」
「はい、学校からついてきていたのはバレバレです」
しゃがみ、ヌッと顔だけを出したアキラを見た。
スカートの中身は短パンを履いているからパンツはアキラから見えない。
やっぱりストーカーの西村と同じでアキラもストーカー野郎だ。なので仕返しにアキラの頭を触れた。
「ちょっとやめて、いでで」
俺が何をしようとしているか感づいたアキラは俺の手から逃れようと地面から手を出して振り払うがもう触れているし、念力でアキラの頭を固定している。
アキラの頭から角が生えて、鼻は童話のピノキオのように鼻先が伸びて、最後に額に「俺はストーカー野郎です」と模様みたいな文字を書いてやった。
「俺の頭と鼻が!」
頭と鼻の違和感に気づいたアキラは発狂した。額に書かれた文字には気づいていないようだ。鏡で自分の顔を見てもらうのが楽しみだ。
「それを消してほしくは僕に付きまとわないでください。それともう二度と僕の家に来ないでくださいね。着たらその程度じゃすまない悪戯をしますからね」
珍妙な頭に嘆くアキラを置いて俺は家に帰った。




