マンション5
開けましておめでとうございます。
今年も頑張って行きますのでよろしくお願いします。
「リンちゃん?話しって言うのは何かしら?何を考えているかはなんとなく察しているから私は乗り気じゃないけど一時間も全裸は勘弁してほしいからリンちゃんの考えにのってあげるけど」
アイちゃんはリンちゃんの考えていることが分かっているのか諦めたように深くため息を吐いた。
「考えと言うのはね。アイちゃん来て!」
リンちゃんはアイちゃんの手を掴み、俺とリッカの前から消えた。テレポートで別の場所に移動したようだ。
全裸で道端に出たら痴女扱いだ。それか通行者から警察に通報が入って警察のお世話になるかのどちらかだろう。
どこにテレポートしたのかちょっと気になるから視界で探してみるか。
アイちゃん達はすぐに見つかった。
同じフロアの一室にいた。それも俺達がいる脱衣所の二つ隣の部屋だ。
そこでアイちゃんがリンちゃんを叱っている。予告もなしに急にテレポートされたらそりゃ怒るよな。
「リンちゃん達どこに行っちゃったのだろうね?」
「そうだね。ここで待っていたら戻ってくるで、くっしゅん」
アイちゃんの説教は時間がかかりそうだなって思っていたらリッカが話しかけてきた。
暇つぶしがてら話しかけてきたのだろう。リッカの問いかけに答えようとしたらくしゃみが出た。家の中とはいえ、全裸でいるのは冷える。
洗濯機が止まるのも時間がかかるが、二人が戻ってくるのとどっちが早いか。
「二人が戻ってくるまで入り直そうか」
「そうだね。そういえば男の人が風呂に入りくることはないの?」
もう一つ風呂場があるのはわかっているが、ここに男の人が来る可能性があるため確認してみた。
「男の人がここのお風呂に来ることはないよ。もう一つお風呂があって男の人はそっちに入るの。こっちのお風呂は女湯みたいなものなの。温泉みたいに暖簾がないけど暗黙の了解で男の人はあっち、女の子はこっちで決まっているみたいだよ」
なるほど、男の人はもう一つの方に入るわけだから男の人がここに来ることは無いと言うわけか。
女湯に近づく男の人は覗き魔みたいな扱いされるのだろうか?
とりあえず、体が冷えたから風呂をもう一度入りなおしていればその内アイちゃん達が戻ってくるだろう。そして洗濯機も止まるだろうけど乾燥させなちゃいけないからな。
リッカと二人で湯船に入り、ゆったりとここのことをいろいろ聞いたりした。
ここにいる人達は全員が能力を持っているのかとかここは何の集まりなんだとか彼女に聞いた。
ここにいる人達は能力を持っているらしいが、彼女もここは何のための組織なのか知らないそうだ。スーパーアルティメット団って言う組織の名前も初めて聞いたそうだ。
聞き飽きた俺は質問するのをやめた。
俺が黙ったからリッカも黙り、静まり返ったがリッカは静まり返った空気感が嫌らしく何か話題を探しているようで小さな声で「あうあう」とどもっている。
俺に気を遣わなでいればいいのに。
だけどそういうところが可愛いと思った。
気を使おうと頑張ろうとする彼女はタメか年上なのだろうな。
まるで赤ちゃんのようにあうあうと口をぱくつかせるリッカを眺めて時間が過ぎるのを待っていると脱衣所から物音が聞こえた。
アイちゃんが戻ってきたと思って脱衣所に顔出した。
そこにはシズクと呼ばれた少女が服を脱いでいた。
まだ汗が滴っている。シーブリーズを借りにいったのに借りられなかったのだろうか?
「うわっ、お前まだいたのかよ。声がしないと思って入ろうとしていたのによ」
風呂場から覗く俺の視線に気づいたシズクと呼ばれた少女は驚いた様子で尻もちをついて口々に文句をいう。
「僕達も上がりたいけどリンちゃんが服を洗濯機に全部入れちゃったんだ」
「ふーん、ロリっ子が。そいつは災難だったな。達?肝心なロリっ子は?」
風呂場が静かだったのが不審に思ったのかシズクは質問を投げた。
「リンちゃんはアイちゃんを連れてどこか行っちゃったよ。残ったリッカと二人が戻るまで待っていたんだよ」
脱衣所にいるのがシズクだと分かったリッカは息を潜んでいたのに俺がバラしたから俺の腕を引っ張って「なんで言うの!」と目で訴えている。
「デカ女と新入りしかいないのか。トオルのヤツがシーブリーズを切らしていやがったんだ。こっちは汗まみれってのによ。入らせてもらうがいいか?」
「うん。僕はいいよ。リッカは?」
人数が少なかったからかシズクが風呂に入っていいか聞いてきた。
リッカに視線を向けると嫌そうな顔だったが、頷いていた。
それほどシズクのことが嫌なのだろうか。リッカやリンちゃんが嫌うような悪い子には見えない。不器用な子には見えるけど悪いぶりたいお年頃だからヤンキーな装いにしているのだろうと思う。
リッカもそこまで怖がらなくてもいいと思う。
「邪魔するわ」
シズクがシャワーを浴びる中でリッカは湯船で石のようにそこにいるだけの存在と化した。さっきまであうあうと言っていたのにシズクが来た途端に黙り、目を瞑って下を向いている。
シャワーを浴び終わったシズクは黙って湯船に入ってきた。
湯船はリッカが四人ぐらい余裕で入れるほど大きいから狭く感じないが、リッカの肌をシズクが触れるたびにびくびくと身体を震わせている。
これはこれで面白い。リッカは自分をいない存在にしてシズクが出ていくまで耐えて待っているようだ。
てか、シズクもナチュラルに湯船に入って来たな。さっきは四人もいたから入れないと判断して引き返したのかな?
三人黙った空間で体を温めた。




