マンション
「で?僕を連れてきてこれは何の集まり?」
リビングにあった。いかにも高級そうなソファーに深々とどっしり座り、西村達を見た。ソファーは見た目通りの高級感で座りごごちが凄くいい。
このソファーを無人島に持っていきたいほどだ。
俺の左右隣にアイちゃんとリンちゃんが座った。リンちゃんはどこかから持ってきたお菓子を食べている。
「ああ、ようやくマヒルちゃん来たんだね。待ってたよ。ようこそ私達のスーパーアルティメット団へ」
俺の質問を軽く流された。
スーパーアルティメット団ってなんだ。さっきもそんな話をしていたけど、そんなダサい組織に俺は入った覚えはないぞ。
「そう。じゃあ、僕は帰るね。無理に連れてきたんだから帰りの新幹線代くらいは出してくれるよね?」
俺を連れてきて特に用もなさなさそうだ。
テレポートで帰るけどね。この人達は俺の能力を身体の一部を変化させるだけだと思っているようだからテレポートを隠しておいた方がよさそうだ。
「待って、せっかく来たんだからゆっくりしていきなよ。帰りは送ってあげるから、えーと、アキラ君も何か言って」
「えー、マヒルちゃんを連れてくるのにとても苦労したんですよ?これ以上勘弁してくださいよ」
西村が俺を必死に引き留めようとするが何も思い浮かばないようでアキラに泣きつくが、アキラは戸棚からコップを取り出して冷蔵庫に入っていたバカでかい容器のオレンジジュースを取り出して注いで泣きつく西村の頼みを断る。
てか、アキラはまるで自分の家かのように寛いでいるな。ナチュラルに冷蔵庫を開けたぞ。
「えーマヒルちゃん帰っちゃうの?来たばかりなのに。マヒルちゃんにはしてもらいたいことがあるの?まだ帰っちゃダメー」
お菓子を食べていたリンちゃんが悲しそうに俺見つめる。
「まあ、今日は予定もなかったし、もう少しいてあげても」
「五時までいてね。リンも五時に帰るから一緒に帰ろう」
コロコロと表情が変わるリンちゃんの頭を撫でながらもう少しここにいてもいいかなって思った。
このマンションに入ってから視界で見ていたけど。この階層とこのしたの階層が一つの部屋となっているようだ。しかも若い人ばかりいる。年齢は小学校低学年から二十代前半の大人までいる。
ここは誘拐犯の拠点かな?
「んなわけないでしょ?」
「声に出てた?それとも心を読んだ?」
「ごめんなさい。誘拐犯の言葉が聞こえたから、別に貴女の考えを読んだわけじゃないのよ。そう聞こえただけで」
アイちゃんが辛そうな表情で謝る。何かトラウマでも思い出したのだろうか?
人の考えを読めるせいでいろいろあったのだろう。
「別にいいよ。誘拐じゃないならリンちゃんもアイちゃんも自分の意志でここにいるの?」
「ええ、そうよ。ここには私達と同じ境遇の子達がいっぱいいるわ。そしていろんな思いでここにいるの」
「ふーん、で僕がここに連れてこられた理由と関係あるのかな?」
マンションに連れてこられた理由を聞いてみた。
「それはね。マヒルちゃんも能力で悩んでいるかもしれないと思って私の家にご招待したわけさ」
アイちゃんに聞いたつもりだったのだが、代わりに西村が答えた。
「別に能力で悩んでないけどし、家族も友達も僕が超能力者だって気づてない。うまく隠しているよ」
「マヒルちゃんの能力は隠しやすいよね。胸を毎日少しづつ大きくして巨乳になっても不自然じゃないし」
能力の話をしていたのになんで胸の話なったのだろうか。
能力で悩みが無いと言うのは嘘になるけど、今は関係ない。
いつも予定はないけど、大切で微かな休日をこんな場所で消費したくない。
「能力で悩みがない僕がここにいる理由なんて元々なかった。事故の件は感謝しているけど明日以降は関わらないでほしい」
「寂しいこと言わないでよ」
「えー、マヒルちゃん。もう来ないの?!それは嫌だよ。また来てよ。いいでしょ。冷蔵庫のプリン食べていいから」
もう来ないと伝えたらリンちゃんにまた来てほしいとせがまれた。
西村が「冷蔵庫のプリンは、」と何か言いたそうにリンちゃんに向けて呟いていたが、等のリンちゃんは気づいていない。
「来たくなったらいつでも来ていいッスよ。誰からいると思うッスから。ウチらはマヒルちゃんが来るのは大歓迎ッス。この部屋のパスワードはアイちゃんから教えてもらうといいッス」
三下口調の人がまとめた。
もう来る事はないだろうって思ったけどリンちゃんを見ていたら、あと一回だけ来てもいいかなって思う。
「パスワードを教えるわね。スマホを貸して頂戴」
「スマホは忘れてきたんだ。それに僕にはパスワードなんて必要はない。ねぇ?ここには好きに入ってきていいんだよね?」
「うん?いいよ」
いつでも入ってこれるからね。
今西村に言質を取った。いつでもテレポートで入ってこられる。
鍵があろうが、パスワードが必要であろうが、関係ない。
気が向いたらまた来るとしよう。
「マヒルちゃんのお話は終わった?」
「うん。終わったよ」
「終わったか。うんじゃ僕はこれで、長くいると迷惑だだろうし帰るよ」
「待ってマヒルちゃんにお願いがあるの。来て!」
俺はリンちゃんに手を引かれてリビングを後にした。
「アイちゃん、リンちゃんが暴走しないように一緒に行ってあげて」
「そんなことわかっているわよ。マヒルちゃんには頼みたいこともあるしね」




