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鬼ごっこの後に

 急いで俺の後を追うとするアキラの前にドアがひとりでにぴしゃりとしまった。

 ドアは俺が念力で閉めたのだが、急に横開きのドアが閉まってアキラの顔面にぶつかりやがった。両手で顔面を押さえて床に転げ回って悶絶している。早くて数秒はあのままだろう。

 俺にしつこく付け回すからからこんな目にあうんだ。ざまーみろだ。

 俺は学校から走り去った。


 学校から脱出した俺は追いかけてくるアキラから気づかれないようにハイドモードで学校近くの商店街の中を歩きながらスマホを弄っている。普通の人なら歩きスマホは危険な行為だが、俺の場合は視界や他もろもろの能力を駆使して180度、周囲を見ることができるから前方から来る買い物帰りの小母さんにぶつからないし、後ろから駆けてくる小学生達が来るのも知っている。ハイドモードでいるから彼らは俺が見えない。気づかないからぶつかる恐れがあるため、俺が避ける必要がある。

 何故にスマホを弄っているかはさっきトイレでミキミに送ろうとしていたメッセージの続きを打って送信した。天井からアキラが現れたからびっくりして逃げるのに必死だった。それでメッセージを送れなかった。

 そこら辺のコンビニで待ち合わせすることにした。

 学校から近いからミキミ達はすぐに来るだろう。

 俺は雑誌コーナーで週刊少年誌を立ち読みして待つことにした。


 コンビニの中はこの時間帯は客が少ないのか店員の女性が気だるそうに品出しを始めた。当然ながら店員さんは俺がいることは気づいていない。

 ハイドモードなら万引きし放題だ。現在は金に困っていないのでしょうもないことはやらないし、店員が迷惑掛かるから万引きなんてしない。


 週刊少年誌を読み進めているとコンビニの駐車場にハイエースが一台停まった。

 気にする必要はないのだが、何故かそのハイエースが気になった。乗っているのは髪の毛がぼさぼさで顎に薄く髭を生やしたの二十歳くらいの男の人だ。後ろの座席には何人か乗っているようだ。

 気にする要素はどこにもないのだが、少年誌そっちのけでハイエースを見てしまう。暇で少年誌がつまらないせいなのかもしれないが、目が離せなくなった。頑張れば目を逸らすことができるが、気を抜くとハイエースを見てしまう。

 気づけば品出ししていた店員さんもハイエースを凝視している。なぜだか知らないがハイエースのことが気になって仕方がない。


 こうしている内にハイエースから誰かが降りてきた。ぼさぼさの男の人じゃない。真っ白なタンクトップとジーンズの筋骨隆々な青年が財布片手に降りてきた。青年は雰囲気イケメンと言うべきか遠くから見るとカッコよく見えたが、コンビニの中に入ってきたらそれほどイケメンではなかった。

 今気づいたが、ハイエースを見ていたのになぜか、雰囲気イケメンを見ていた。あれほどあの車が気になっていたのに今は雰囲気イケメンのことが気になっている。


 雰囲気イケメンは俺の真後ろを通って飲み物コーナーに向かった。俺に気づいた様子はない。目が離せない。

 つい目で追ってしまう。それは理由はわからない。当然ながら雰囲気イケメンはハイドモードの俺に気づいていない。

 店員さんも雰囲気イケメンを目で追っているからアキラやアイちゃんみたいに能力者なのか。それとも俺の勘違いなのか。

 読んでいた少年誌を元の棚に戻して雰囲気イケメンの後ろを追った。

 雰囲気イケメンは棚からスポーツドリンクを取ってレジへ向かう。品出しをしていた店員の人がそれに気づいてレジに立つ。

 今の時間店員一人しかいないのかよ。店員も暇そうだったし、どうでもいいけど。


 会計を済ませてコンビニを出た。俺も一緒にそのままコンビニを出た。

 出たところでミキミ達が来たようだ。

 ミキミ達も例にもれず、雰囲気イケメンを凝視している。


 ミキミ達も来たからミキミ達の下へ向かう。正直な話、どうでもいい雰囲気イケメンの後を追ってもどうにもならない。無駄になるだけで時間の無駄だ。

 何故、気になって目で追うのかは気になるがただそれだけのことだ。追う理由はないし、達成感も何も残らない。

 ならミキミ達と遊んだほうがいい。


「ミキミー!やっと来た。ミキミ?ルカ?タマコ?どうしたの?」


 俺がミキミ達に駆け寄って声をかけた。ハイドモードは今通常に戻した。

 しかし、ミキミ達は雰囲気イケメンが乗ったハイエースを凝視したまま反応がない。

 雰囲気イケメンやハイエースを目で追ってしまうのはわかるが、心ここにあらずみたいな感じで凝視するのはおかしい。


「わわ、マヒルちゃん急にどうしたの?いつの間に?」


 ミキミの目の前で手を振ったら正気に戻った。


「どうしたって言われても、歩いてきたと思ったら急に足を止めて三人があの車を見ているからどうしたのかなーて思って声をかけても反応がないからさ。後ろを見てごらんよ。ルカもタマコもあのハイエースを凝視したままだよ。あの車がどうしたの」

「わからない。わからないけどどうしてもあの車に乗った人が気になって、目が合ったと思ったらボーとしちゃってね」

「ふーん。ボーとか」


 あの雰囲気イケメンはやっぱり能力者だったのだろうか?能力は催眠系か。

 無駄にゴリゴリのマッチョで催眠能力を持っているかもしれないか。追いかけなくてよかった。

 今日は二人も能力者に会うとは。誰かの差し金か。

 その後すぐにルカとタマコを正気に戻した。

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